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寂しがり屋の魔王に召喚されました

作者: セト ヒシキ

いまから三百年ほど前のこと。この地を二つに分ける大災害が発生した。

『人類』の約三割をも消し去った隕石。そしてその日を境にこの地に新たに誕生した種族『魔族』。この二つの種族の戦いは今もなを続いている。

『魔族』の王『魔王』。その姿はとても醜く、冷酷でだと伝えられている。

そして俺達は、今、魔王城にいる。

『人間だ』

事の発端は30分ほど前のこと。


俺らは魔王を討つために作られたパーティーだ。

そして今死にかけている。

中ボス的なでっかい魔物と戦っている最中だ。

でもこいつ倒してもまだこの先にはこんなんがゴロゴロいるってね。

マジ帰りてぇ。

「おいこら勇者!早よクリスタル砕け!マジで死ぬ!」

「うるせーな!後ろからどうやって砕くんだよ!しかもこいつ背中固すぎ!」

魔物には人間の心臓があるあたりにクリスタルがある。そして、それを砕くことにより死ぬ。

「ギャー!マジで死ぬ!今危なかったって!」

「だったら自分でやれ!そのごっつい武器は飾りか!」

「無茶言うな!こっちゃ本職鍛冶屋だぞ!もう、じゃあベリル魔法ズバットで頼むぞ!」

「今狙ってるんですけど、動きが早すぎて狙いがさだまんないんです!」

「 ベリル、魔物の動き止めろ!その間に俺が!」

「はい!ファイブロライト!」

「いまだ、死ね!」

「おい!勇者いいとこだけ取るんじゃねえ!」

『パリーン』

「よし、やったか」

「くそ勇者が、死ねばよかったのに」

「うるせー、死にかけたくせに!」

「ちょっと疲れちゃいました」

太陽はもう半分沈んでいた。今日はここで野宿することになりそうだ。

とりあえず俺らのパーティーを説明しよう。

おれは勇者のアゲット、料理が得意だ。次に鍛冶屋のアンバー。そして超絶美人のベリルだ。

「ベリルー、勇者がビビって逃げたせいでまた怪我したよー」

「デタラメ言ってんじゃねえよ、逃げ回ってたのはお前だろ」

「お二人は本当に仲がいいですね」

「は?何言ってんの、そんなわけねーだろ!」

「そうだ!誰がこんな奴と!」

「それより、今日はやっぱりここで野宿ですか?」

「そう…なるかな」

「勇者サイテー、女の子をこんなところに野宿させるなんて」

「うるせーマジ切るぞ」

「さて、その剣をメンテナンスするのは誰でしょう」

「もう!お腹すきましたよ!」

「確かに腹空いたな、勇者早よ晩飯作れ」

「作ってくださいだろ、カレーでいいか?」

「カレー!」

『ギュルル』

ベリルの腹が鳴った。顔を赤く染めている。ちなみにベリルは料理ができない。でも可愛いから構わん!

『ピュー』

心地よい光と共に空気を切るような、そんな不快な音が響いた。

「皆さん、下見てください!」

「なんだこれ!」

「魔法陣か!」

「でもなんの魔法陣だよ!」


『ドスン』

「勇者重い」

「わっ、ごめん」

「ベリル大丈夫か?」

「はい、大丈夫です」

なにがあったんだ?わけがわからん。

てかここどこだ。広くて、赤い絨毯に白い壁、ピンクのベット、屋根がある!

「おい、屋根があるぞ!野宿しなくて良さそうだぞ」

「んなこと言ってる場合かよ、それよりベリルさっきの魔法陣はなんだ?」

「見たところ召喚魔法だったようですが」

「召喚?いったい誰が?」

「わかりません、と言うかお腹すきましたよ」

「もうやだ帰りたい」

「勇者のくせに、なに言ってんだよ」

「てかマジここどこ?」

「あ…あの」

『ギャー』

ピンク色のベットの奥から声がした、誰かいるようだ。

「本当に死ぬ!心臓止まる!」

「持明縮みましたよ!」

きっと俺らのを召喚した本人だろう。

「あの…もしかして、貴方が私たちを召喚したんですか?」

ベット奥から見えている小さな頭は震えている。怖がっているようだ。

「あの…そこのお方」

「ごめん……なさい」

謝っている?やっぱりこの子が召喚したのか?

「もしかして僕らを召喚したことに謝ってるの?別に怒ってないよ、出ておいで」

お、出てきてくれそうだ。もしかしたらここに泊めてくれるかもしれんな。

「……ちょっと待って!」

ベットの奥の頭がビクッとなった、てかあの頭のやつなに?角?角なのか?

「あ…あの貴方がたは…人間ですか?」

目の前には超絶美少女。ベリルよりも美人かもしれない子供が立っていた。隣を見てみると二人とも口を開けてぽかんとしている。

「あ…あの!」

「そう…だけど…君は何なの?」

「私は…」

言いかけたが途中で逃げてしまった

「待って、せめてここがどこなのかだけ教えて!」

よかった、止まってくれた。

「みんなは…みんなは魔王城って…よんでる」

「……え?」


と言うわけで二度目になるが俺達は今、魔王城にいる、『人間だ』


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