風の民
少年は手汗を掻きながら操縦桿を握っていた。相棒である飛空艇を必死に操り、風の隙間を見極めていく。
弱冠十六歳のゴーシュは、目の前の切り立った槍の穂先のような山々を、剣山のような無数の奇岩の群れを、操縦桿にして数ミリという動きで凌いでいく。
本来ならば、この場所は通る必要が無かった。
――竜の谷――
勿論、この名称は正式な地名では無いが、この地域ではそう呼ばれている。
代々殆どの村人が飛空艇乗りを生業とするこの村では、このルートは試練の場所でもある。
複雑な地形が生み出すうねる様な風は、その凶暴さから「暴竜の巣」とも呼ばれ、幾人もの飛行士を谷底へと突き落としていた。
僅かでも操縦が狂えば、数百メートル下まで真っ逆さまだ。
それ故、ここを渡り切った飛行士は、相棒の飛空艇の名前と共に近隣の村々にも知れ渡り、英雄として称えられるほどだった。
ほんの少しの油断も許さない状況で、ゴーシュは死にもの狂いで、且つ冷静に飛空艇を操り、風を捌いていく。
奇岩の群れが巨大な竜の咢に見える。
さっきから何回深呼吸をしているだろうか。脳裏に父親の言葉がリフレインする。
――いいか…風を捻じ伏せようとするな…風の流れを見極め、それに乗るんだ――
――常に冷静に周りを観察しろ…たとえどんな状況になっても…焦りと油断は禁物だ――
「分かってるよ…父さん…」
ポツリと呟いた少年の腕に、村人たち三十名余りの命が重く圧し掛かっていた。
「くそっ!帝国のヤツら、何で今更俺たちを…!」
ゴーシュの耳に苦々しげな悪態が飛び込んで来る。
壁を隔てた収容室で、ゴーシュの悪友であるノットが悔しさをぶちまけていた。
血の滲んだ右肩を左手で押さえ、ギリリと歯噛みを繰り返している。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
ノットの妹が心配そうに彼を見上げている。
「あぁ、こんな傷大した事ねえよ」
「ゴーシュお兄ちゃんと艇大丈夫かなぁ」
「アイツなら大丈夫さ。何せジョルジュさんの…英雄の息子だからな。それより、ハンナは向こう行ってろ。皆と一緒の方が安全だ」
ノットは、まだ八歳になったばかりのハンナを、無理やり笑顔を作って遠ざけた。
「帝国の連中は鋼鉄製の艦を作っているからな」
「これも鉄製とは言え、スピードや頑丈さでは到底敵わんぞ」
部屋の隅から大人たちのひそひそ話が聞こえてくる。
「ゴーシュで大丈夫かの?」
「うむ、いくらジョルジュの倅とは言ってものぉ…」
心配そうな老人たちの会話に、ノットの怒りが沸騰しかけた。
「何を言っておる」
爆発寸前で老人たちに声を掛けたのは、村の長老だった。
蓄えた白い髭を手で撫で付けながら、老人たちの会話に割り込む。
「おぉ、長老様」
「この中に、ゴーシュより腕の良い飛行士が居るのか?」
「そ、それは…」
「それにゴーシュなら大丈夫じゃろうて。あやつでダメなら、誰が操縦しても変わらんよ」
呵呵と笑う長老の一喝で、老人衆が黙り込んだ。
現在の村長も幼い頃から世話になった老人で、この村では一番のご意見番だ。
一頻り笑った後、長老がノットにちらりと視線を向ける。
口元がふっと上に持ち上がるのをノットは見逃さなかった。
わざと見せたのだろう。
どうやらこちらに気を使って先手を打ったらしい。
思えば、この長老様には、小さい頃から色々目を掛けてもらっていた。
ノットがゴーシュを連れてあちこち悪戯をした時も、二人が喧嘩をした時も、周りの大人たちは怒る人が大半だったが、この長老様は今回と同様に呵呵大笑して頭を撫でてくれた。
六年前、ジョルジュが竜の谷に墜落して行方不明になった後、ゴーシュの一家の面倒をみてくれた。
悪ガキだったノットも、この御仁には頭が上がらない。
ノットは照れ臭そうに俯き、誤魔化すように飛空艇後部の窓を向いた。
その時、彼は雲の向こうに巨大な影を見た。
「なっ、何だありゃあ!?」
ノットの叫び声が室内に響き渡る。
それはまるで、伝説や神話でしか聞かないような巨人の如き威圧感だった。
その巨躯に雲が押し退けられる。
飛行戦艦・ヘカトンケイル。
帝国の作り上げた巨大戦艦の中でも指折りの大きさだ。
胴体には、他の艦に倍する数の砲門が付いている。その一つ一つが、中級の艦では主砲に匹敵する、名前通りの百門巨艦である。
ノットの叫びに、村人たちが後方を注視する。
その時、戦艦の胴体から、パラパラと一人乗りのグライダーが十数機射出された。
恐らく追撃部隊だろう。村人たちが慌てふためく。
だが、ゴーシュは冷静だった。襲い掛かる竜たちを繊細かつ大胆な操縦で捌いて行く。
そして喧噪の最中、長老だけはそれを見てニヤリと笑った…。
巨艦の艦長席に、一人の男が座っていた。
中肉中背、羽織った軍服には星が散りばめられた襟章が光っている。
「全く、本国は何をやっているのだ…」
壮年に差し掛かった男の両眼には、周囲の者を射殺すような光が備わっていた。
そんな男が苦々しげに悪態を吐いた。
彼の目の前には、帝国中央からの指令書が置かれている。
「あんな辺境の村の生き残りたちを皆殺しに…しかも始末するのにこんな戦艦など…一体何が有るのだ?」
「アイゼンヴァルト閣下、目下異常は有りません!」
「おう、ご苦労さん」
一兵卒の定時連絡に対し、投げやりに手を振り、再び腕を組んだ。
その男、リーグ・アイゼンヴァルトは歴戦の勇士らしい強面の顔を歪め、苦虫を噛み潰す。
自分は軍人だ。階級は中将で、この艦の中では「閣下」だの「将軍」だの呼ばれている。
それ自体は立場だから別に構わないし、軍人である以上、帝国の命令ならこんな事でもやる。
だが――。
余りにも規模と戦力差が違い過ぎる。その上、理由が見えない。
相手は代々飛行士の村だ。中央からすれば、国境付近の辺境にある、何処にでもある村の一つだ。
しかも、元々の人数は百人を超えないと言う。
そして今回追っている生き残りは三十人余り…対してこちらは千人を超える規模でこの巨艦に乗っている。
無論その殆どが航行の為の人員なのだが。
それにしたって、全砲門を使えば、飛空艇一隻どころか、流れ弾で地上の村々まである程度灰にする事が出来るだろう。
こいつはそれこそ戦争の最前線に投入するべきではないか?
冷静に考えればおかしな話だ。
そもそも軍は国を守るのが使命の筈だ。
帝国に牙を剥く不穏分子の排除はやるが、報告によれば彼らは至って普通の民らしい。
胸の奥底に、言い知れない蟠りが居座る。
それでもこの将軍は、良くも悪くも軍人である。上層部の命令なら致し方無い。
ふう、と溜息を吐き、首を振った。
「まぁいい…さっさと終わらせて首都に帰ろう…」
「嫌な仕事…ですか」
彼の呟きを聞いた副官が苦笑する。
「分かるだろう、ジム」
「えぇ、まぁ…気分は良くならないですね」
脇に控えた青年は、指令書に目を通して少し困ったような苦笑いを保った。
二十歳を越えたばかりの特務少佐、ジェームズ・ラインフォートは指令書から上官の方に視線を移した。
この人の下に付いてそろそろ半年が過ぎる頃か。
最近、表情の機微が分かる様になって来た気がする。本当に嫌そうだ。
「しかし、私にそんな事を話して宜しいんですか?」
「あぁ?上への報告か?それが君の仕事ならやりたまえ、好きにしろ」
手を顔の横でヒラヒラさせ、投げやりな口調で言い放つ。
このやり取りはこれが最初では無い。もう何回もしてきた建前上の物だ。
相変わらず剛毅なお人だ。
自分が監察部の者で、リーグを監視する役目だと知っていてこの物言いだ。
『特務?監察部か。その歳で少佐か、なるほど。まあお前が何者だろうと関係無い。帝国に忠誠を誓い、有能で有れば使う、それだけだ』
着任早々リーグにそう言われ、初日から普通の少佐として仕事を与えられた。
通常ならば、監察部の人間は現場の軍人からは毛嫌いされる。
新人の場合、部隊内で冷遇されるか抱きこまれるか、或いは不慮の事故死を遂げるか。
だが、この男はそれをしなかった。
自分の秘書として連れ回し、普段の振る舞いの全てを彼に見せた。
正直、ジェームズはこの中将閣下が嫌いでは無い。
言動は荒っぽいが、部下の意見を吸い上げ、上層部の命令にも意見をし、常に引き際を見極めている。
今回も、ジェームズの苦笑いは穏やかな微笑に変わった。
取り立てて報告するレベルでは無いと判断したためだ。
さて。
リーグに対し、再び監察と言う名の観察を始めようか。
当面の問題としては、中将閣下が飽きてきた事だ。確実に乗り気でない事案だからだろう。
ぶすっとした顔で不満げに腕を組んで、外の景色を睨み続けている。
一兵卒からすれば、それは歴戦の勇士の並々ならぬ集中にも見えるのだろうが、半年付き合ってきた彼には丸分かりだ。
この御仁は、生粋の兵士だ。戦場で指揮を執る方が性に合っているのだろう。
もっと言えば、前線で戦いたいのだ。
「何だ?また『退屈に思っている』とか言いたいのか?」
「違うんですか?」
「正解だよ…退屈極まりない…欠伸が出る…」
わざとらしく背伸びをするが、それでも任務放棄しない辺り、やはり軍人だ。
「閣下!」
「あん?どうした」
レーダーを見張っていた兵士が慌てて叫ぶ。
上司が片眉を上げたのを見て、青年はまたも苦笑いを浮かべた。
退屈を吹き飛ばす何かが発生した事を期待し、無理やりに好奇心を抑え付けた時の癖だ。まるで子供のようだ。
「十一時の方向に影を捉えました!距離はおよそ一キロメートル!恐らく飛空艇と思われます!」
兵士の報告に、リーグの貌が変わった。
退屈で死んだ魚の様だった目がぎらつき、獲物を見つけた肉食獣の様に光る。
「雲の向こうか…と言う事は…」
「えぇ、現地の住民が『竜の谷』と呼ぶ場所です」
報告資料をジェームズから受け取り、内容を記憶と照合する。
あそこは地形の関係上、風が年中荒れている。地元の飛行士であればそれは知っているだろうし、そこを通るのは自殺行為の筈だ。
恐らく、安全な航路はこちらが既に押さえていると予想したからだろう。
実際その通りだ。
「網に掛かったか」
「では…」
だからこそだ。
「あぁ、追撃部隊を出して追い込む」
「了解しました」
当初の予定通り、リーグの意を受けたスタッフたちが各所に指令を伝達し出した。
収容室の雰囲気とは裏腹に、ゴーシュは至極冷静だった。
まるで飛空艇と一体化した様な不思議な感覚だ。
飛空艇の外の状況が、手に取る様に分かる。
今のゴーシュには、僅かな気流の乱れも把握出来ていた。
そう、後ろに巨大な塊が接近している事も、幾つかのグライダーが迫っている事も。
風の微妙な変化を介して、彼には感じられたのだ。
手元の操縦桿や周囲の計器類を自分の目とし、飛空挺をまるで自分の手足の如く扱い、暴れ狂う竜たちの猛突進をいなす。
周りを飛んで来るグライダーたちの巻き起こす僅かな揺らぎすら掌握し、捌いていく。
感覚的に飛空挺と一体化した彼に取っては、十数機のグライダーがウルサイ蝿に思える。
そのぐらい、巻き起こす揺らぎが感知出来るのだ。
それにしても、周りを飛んでくるグライダーたちは風を読めないのだろうか。
どうにもフラフラとして不安定だ。これではいずれ暴れ回る竜に食われるだろう。
現に今も一つ谷底へ落ちて行った。
とは言っても、他人の心配をする余裕は無い。こっちも必死だ。
何せ、襲い来る無数の竜を躱し続けなければならない。
正面から来る風を避け、右前から来た竜の上を通り、左から迫る奇岩を数メートルの距離でやり過ごす。
ゴーシュは必死に、大胆に、且つ繊細で冷静に、それらの全てを捌いて行く。
まるで安全な航路を既に知っているかの様な操縦でシルバーホークを導く。
だが、その全ての経路が、ほんの僅かなタイミングの差で危険なポイントに変わるのだ。
ゴーシュは右に左に、時に速度さえも調節し、風と岩の壁を切り抜けていく。
何時の間にか、収容室からはゴーシュに対する文句が聞こえなくなった。
時折、傾いた瞬間に子供たちの悲鳴が聞こえるが、それ以外は静かである。
真正面から力ずくでは、この飛空艇など一溜りも無い事は分かっている。
だからこんな複雑なルートを通る必要が有る。
そして、それが分かるからこそ、収容室の老人たちは、今は沈黙しているのだ。
その技量がどれほど果てしない高みに有るかを、周りの若い衆よりも熟知しているから。
収容室が右に左に傾き、皆で必死に支え合うが、誰一人として文句は出ない。
苦情を言った所で詮無い事であるし、そもそもゴーシュ以外は竜の谷を渡れないだろうと皆了解している。
状況が状況なだけに、皆一様に押し黙っていた。
何分経ったのか、やがて険しい竜の牙が途切れ、目の前が開けて来た。
暴風も少し弱まって来た様である。
収容室の何人かはほっと安堵の笑みを漏らす者さえ出て来たが、ゴーシュは相変わらず集中していた。
まだだ。まだ出口に差し掛かっただけだ。
向こうの平原や村は見えているが、油断は出来ない。
嘗て父親は言っていた。『最後に強烈な吹き返しが来る事が有る』と。
安心した所に竜の最後の一撃が叩き付けられるのだ、と。
加えて背後の気配も不気味だ。
あれだけの巨体なら航空部隊も沢山入れられる筈なのに、あれ以来他の追撃部隊を出して来る様子が無い。
止めを刺すつもりなら砲撃を浴びせて来ても良い筈だが、それも無い。
まるでこちらを観察している様だ。
しかし、仮にそれでプレッシャーを与えているつもりだとしても、ゴーシュは崩れたりはしない。
集中力は衰える事は無く、シルバーホークは風を捌き続けていた。
艦長席に座ったままのリーグは、その報告を聞いてニヤリと笑った。
ジェームズはその様子を見て溜息を吐いた。呆れて物も言えないと言った風情だ。
今しがた入った情報では、彼の飛空艇は無事に竜の谷を渡り終えたらしい。
「…閣下、宜しいんですか?」
「構わんさ」
リーグはふん、と鼻で笑い、忠告を一蹴する。
この会話には二重の意味が有った。
標的を見逃して良いのかと言う事と、これを上層部に報告しても良いかと言う事だ。
ジェームズは両方の意味で聞き、リーグは正確にその言わんとする所を捉え、答えてみせた。
「考えてもみろ。あれほどの腕を持った飛空艇乗りが、今の帝国軍に何人居ると思う?」
「まぁ確かに惜しい才能では有りますが…」
追撃に出した十数機のグライダー部隊は、帝国空軍の中では上位に入る連中ばかりだ。
彼らが落ちた暴風を、あの飛空挺の操縦士は切り抜けてみせた。
「あれをみすみす殺す手は無い」
懐柔するなり脅すなりして空軍に雇い入れる方が、何倍も帝国のためになる。
ニヤリと笑ったリーグは腕を組んで力説した。その眼光は鋭くぎらつき、さながら獲物を捉えて離さない猛禽類の様だ。
「ジム」
「はい」
「中央の動向は分かるか」
「…探れと?私に言いますか?」
寧ろ自分はそれを中央に報告する立場だ。それを逆スパイしろとは。
「無理なら構わんがな……どうにも気になる」
前半は分かりきった様に吐き捨て、後半は思案する様に顎を撫でながら発した。
「…分かりました。少し聞いてみますよ」
ジェームズはため息混じりに、少し投げやりな態度で了承した。
「さて…では、首都に帰るとするか」
それを合図に、全作業員が慌しく動き出した。
空飛ぶ巨人は大きく旋回し、地上から生える竜の牙に背を向ける。
後ろから聞こえて来た轟々と言う音は、まるで竜の咆哮の様に思えた。
地上に降りてやっと肩の荷が降りた。
ゴーシュはヘルメットを取り、ふう、と息を吐く。
「ゴーシュ!」
「あぁ、ノット!」
駆け寄りハイタッチを交わした。
「そう言えばお前、怪我は大丈夫か?」
「ああ、こんぐれーどうってこたぁねぇよ」
「お兄ちゃんずっと痛そうにしてたじゃない」
「おいてめ、いててて」
ノットはハンナに傷口を突っつかれて悶える。
大丈夫じゃ無さそうだが。
「それだけ元気が有れば大丈夫じゃろうて」
「いやマジで痛ぇっすよ」
長老はノットの必死のアピールを無視し、ゴーシュの方に歩み寄った。
「ゴーシュ、良くやったの」
「いえ…必死でした」
ただひたすら風を捌いていただけ。ゴーシュはそう言って首を振った。
もし砲撃などされていたら、と思うと空恐ろしくなる。
「それでもお前さんはやってくれた。それでええじゃろう」
それが事実だ。ゴーシュが操縦し、皆を救った。それで良い。
長老はゴーシュの頭を撫でて労をねぎらう。
「それにしてもよぉ、軍の連中はこっちまで来ねぇのかな?」
「ふむ…確かに妙な話じゃが…」
「まさか人や燃料が足りねえとか…んな訳無えか」
流石にそれは有り得ないだろうとノット自身も否定した。
何か事情でも有るのだろうか。
まぁこんな所で唸っていても詮無い事であるし、取り敢えず助かったのだから良しとしよう。
「ところで長老様、これからどうするんですか?」
「そうじゃのぉ、まぁ大体は決めてあるが…」
ゴーシュに聞かれた長老は、ノットに言って皆を呼ばせる。
長老と村長を中心に大人達が集まり、話し合う場が設けられた。
とは言え、船内で或る程度の話し合いは行われていたため、年寄り連中の議論はゴーシュの思う程には紛糾しなかった。
飛行士の村は竜の谷を越えたこちら側にも有るので、その近くに一時的に住まわせてもらい、帝国の動向を見守る。
先ずはそこからと言うのは皆一致した意見だった。
途中、老人連中が「帝国中央に睨まれている儂らを受け入れてくれるか」などと騒ぎ出したが、ノットの「ゴチャゴチャうるせえ」の一喝で鎮静化した。
やってみなければ分からないと言うゴーシュの援護に、村長と長老様が乗っかり、結局、村長の鶴の一声で方針が決まった――。
帝国の首都からゴーシュの元に召喚状が届いたのは、それから数か月後の事だった…。