6話 捜索開始!
シエロさん疲労溜まりまくりですね…
私は一発かまして城にいる者全員に指示を出した。
「皆いつもすまないが自分の仕事をしつつ女王を探してくれ!」
「またお逃げになったんですか!」
そういったのはメイド長のルーシーだった。彼女は大変優秀で逃げる女王を見かけたとき引きずって仕事に戻らせてくれた。
「あぁ…すまない、私が目を離したばっかりに…」
「いやいや!シエロ様のせいではありませんよ!それに女王様が逃亡なさるのはいつものことです。今更気にしませんよ」
その言葉に一同うんうんと首をふった。
…女王よ、逃げすぎてもう皆慣れてしまっているぞ。私は悲しいぞ。
「ではルーシーは周りの皆に呼び掛けて女王を捜索してくれ。私も城の周辺を探す」
「了解しました」
と言いさっそくテキパキと皆に指示を出していった。さすがだ、見習ってほしいな。
感心している私にそばにいた二人が話しかけてきた。
「シエロ様ー!」
「私達にもなにかできることありますか!」
「ああ。二人は私と一緒に女王を捜索するぞ」
「「わかりました」」
二人は私の側近みたいなものだ。男の子の方はネイロ、女の子の方はアクア、兄妹だ。まぁ子供ではないけどね。外見年齢は16歳ぐらいかな。この国の住人は歳をとる事はないから歳なんて気にしない。
「シエロ様」
「ん?なに、アクア」
「女王様が行きそうな所ってどこなんですか?」
「うーん…城にある女王の趣味の間か、バラ園ぐらいが思い付くな。でもあの人行くとこ不定期だからな…」
二人がそれを聞きすごいキラキラした顔で言った。
「趣味の間なら俺知ってるんで探しますよ」
「私もバラ園はよく行くんでそこ探します!」
か、かわいい…!なんだその嬉しそうな顔は!天使かっ!
私は抱き締めたい衝動を抑えた。
ボソッ
(これで女王様を見つけてシエロ様に俺達が信頼できる側近だって思わせないとな)
(うん、そうだね…!頼りになるって言ってもらえるように頑張ろうね!)
?なんか二人共顔がにやけてるな…いいことでも思いついたのか?
「わかったそこは任せる。私は城のなかを一通り探して外も行ってみるよ」
「「はい!行ってきます!」」
と言うや否や走り去った。
元気だな最近の若者は…言っておくが歳はとらんが精神は歳取るぞ。はやく女王を見つけて仕事させなきゃ…その間に寝よう。うん
こんな事ならずっと見張っておくべきだった
(いつも同じ後悔をしている気がするな)
「はぁ…どこに逃げたのかな?見つけたら山積みになった仕事をさせないといけませんからね」
最後の言葉が怖いです。敬語は仕事にとりかかる合図ですね。女王様はいったいどこにいるんでしょうか?