3話 聞きたいこと
ミツキ君たち優しいですね。
こってり絞られたシエロはげっそりした様子で紅茶を飲んでいた。
「もう嫌だ…当分君達の顔は見たくない。」
「かなり怒られてたね…僕全然眠れなかった…」
とこちら近づいてきたのはネルムだった。「はい…ケーキ…」と差し出してくれた。どうやら元気づけに来てくれたみたいだ。やっぱ優しいなネルムは。私の癒しだ。
「見てる方も叱られてる気分だったよ。俺がハッターさんに説教されたら死ねるぞ。」
そう言ってきたのはミツキだった。いつの間に隣に来たんだ…
ちなみに私はミツキをいじるのが好きだ。
「確かにヘタレミツキにはキツイもんだな。」
「俺はヘタレじゃない!」
「そうだね…ただのバカだね…」
おっとネルムの毒舌が発動しかけているな。ほらまだ少ししかいじってないのに涙目だし。ほんと面白いな。
ここまでにして少し愚痴を零してみた。
「約束してたって言われても一方的に招待状渡されただけだぞ。いきなり部屋に来て『明日あるから来てね。』っていきなり言われていきなり帰ったんだぞ」
そうだ!私は被害者だ!ハッターが勝手に取り付けた話なんだ!
「そんなこと言ってるとまたハッターが怒るよ」
ガサっと木の上からチェシャが降りてきて言った。
「私はまだ許してないからな。一生恨み続けるからな」
そう、私はまだ根に持っている。私がハッターに引きづられていく時にこいつは「お、応援してるにゃ〜!」って言ったんだ。なにが応援してるだ!
「ごめんね、だって僕も怖かったし…またシエロの好きなもの奢るから許して」
「わかった許さないけど奢ってもらう。」
「えー!そりゃないにゃ!」
ふん!小さな仕返しだ!これで済んでよかったと思え!
…あれ何か忘れてるような気がする…
あ、そう言えばハッターに聞きたいことがあったんだった。
「なぁハッター」
私はハッターの席に近づき呼びかけた。
「ん?なに?」
「アリスって知ってる?」
アリスについて聞きましたね。
実はハッターさんは物知りなんですよ。