2話 死亡フラグを回収しました。
会場に到着しましたね。
シエロさんはどうなるんでしょうかね?
2時間も遅れてしまったシエロは茂みに隠れていた。目の前はよく見る3人組が楽しくパーティをしていた。
だが、約1名不穏な空気を纏っている人物がいる。
「チェシャ」
「なに?シエロ」
「帰っていいか?」
「にゃんで!?ここまで来たんだからもう堂々と登場しようよ!」
「お前…!人事だと思って…!あいつは!時間が関わる約束を破ると!やばいの知ってるだろ!」
「ちょ、シエロ…!」
「なに!」
チェシャは私の後ろを怯えた目で見ていた。それに気づいた私は頭の中が危険信号の嵐に呑まれた。
「さて。あのイカレ3人組は楽しくやっているようだし帰るか。
しょうがないから一緒にご飯を食べに行こう、チェシャ」
私は後ろを振り向かずにチェシャに話しかけた。いやだって、後ろすごい威圧感があるんだよ!なんかもう死亡フラグしかないよ!
私はチェシャの手を引っ張りその場を立ち去った…はずもなく。
がしっ!
「待ちなよ。どこに行こうとしてるんだ?お前は約束を守ってここに来たんだろう?2時間オーバーだけど。」
「いやその…チェシャが罠を仕掛けてくるから少し手間取って…なぁそうだよねチェシャ。」
チェシャは私と目を合わさず、明後日の方向を見ていた。こいつ…!裏切りやがった!
「まぁなんでもいいから席に座りなよ。話はそれから、ね。」
駄目だ。死亡フラグ回収。
「嫌だぁぁぁ!」
ずるずると引きづられ、私は2時間の倍の説教をされたのだった。
「こんなの理不尽だ!」
「ほんとに怒ると怖いよねハッターって」
「お前よくも裏切ったな…」
こってり絞られましたね。
ちなみにチェシャは、シエロさんがハッターさんの愛のムチを受けている間巻き込まれないように遠目で見守っていましたよ。