表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中学生と小父さんとの哲学的対話  作者: 佐々木三郎
4/4

第4話 腹の立つこと

第4話 腹の立つこと


直也:腹が立つのは肝臓が悪いって本当かいな。

師匠:春は名のみの風の寒さや 谷の鶯歌はおもへど 時にあらずと・・・

   また何に腹を立ておる。ワシは近頃のアナウンサーに腹を立てておる。

   『次は天気予報でs。明日早くには晴れるしょう』などいう。

   sとはなんだ、すといえんのか。日本語に子音で終わる単語はない。 

   「早く」は連用形である、助詞には体言か連体形にしか接続しない。

   早い時間にはであろう。日本語の感覚を疑う。原辰徳は巨人にいるのか。

直也:巨人のヘッドコーチですよ。そんなアナウンサーの低次元の話やのうて、

   弱いものイジメ、みんふりする自分に腹が立つ。

師匠:(何、低次元、むっとするが)お前の精神状態が正常なことを示しておる。

   昔からイジメは弱い奴がやられる。

   真面目なやつはイジメられる。惨め(3ジメ)。

直也:師匠、冗談やないで、脅して金を巻き上げる。

   そいつは殴られて鼻血をだしとった。

師匠:それはイジメではない。犯罪である。恐喝もしくは強盗傷害罪で告訴せよ。

直也:そんなことしたら、もっとやられるで。

師匠:とすれば由々しき問題であるな。法治国とはいえんな。

直也:あいつら5,6人で眼をつけた奴から搾り取るんじゃ。

師匠:やくざ顔負けやのう。丸暴で暴力団はおとなしくなったようやが、

   予備軍が頑張っておるのか。

   犯罪なれば、告訴して刑事責任を問うだけではあかんぞ。

   少年法を悪用しよる。被害額に慰謝料を加えて損害賠償を請求せなな。

   そいつらの親にも請求できる。刑より金が怖いぞ。

   慰謝料は三〇〇〇万を下らない、とでも言うておけ。

直也:へえ、金を請求できるんか。さすがガキ大将OB.

師匠:被害者は勉学に勤しむ真面目な学生であるが、被告らの恐喝により、

   原告は学校に行くことが苦痛となり、教育を受ける権利を侵害され、

   加えて、人格形成において最も重要視される時期に友人とも生活を

   ともにすることを妨げられたことは何をもってしても癒されない。

   してみれば、原告らは金銭でこれを慰謝すべきであり、

   その金額は七千万円を下らないと言うべきである。

直也:格好ええなあ。ほなけんどさっきは三千万いうたで。

師匠:言うのはただじゃ。訴訟費用がかかるか、まあ、適当でよい。

   相手が払えそうな額を出しておけ。向こうの親も慌てるでえ。

直也:そんなに吹っ掛けても裁判所が認めんやろ。

師匠:うむ。それにはワシも腹が立つ。

   米国では懲罰的損害賠償つのがあっての、先例の二〇倍を

   目安に請求するらしい。本件はまさに『懲らしめないかんケースじゃ』。

   日本の裁判所は、裁判所に限らず、日本の役所は先例のとおりやっとけば

   間違いないというのが多い。

   だいたい、日本の刑は軽すぎる、賠償額も安すぎる。

直也:そうじゃ。飲酒運転は死刑じゃ。

師匠:調子にのるな。一般論をいうておる。

   業務上過失致死罪と殺人罪は同列に扱えん。



直也:腹が立ったらどうしたらええんかのう?

師匠:怒ればよい。当然である。

直也:怒ったら直るんかいのう。

師匠:どうしてそう短絡的なのか。憤意が氣を領びく。氣が形を領びく。

   そいつら許さんとおもうたら、方法が浮かぶ。今言うた告訴も一つ。

   学校全員でそいつらを取り囲むのも一つ。

   武器を持ってるようなら近づかぬ。

   警察に逮捕させる。そのために税金を払っておる。

   先生が知らん顔したら校長にいえ。

   校長も知らん顔したら教育委員会に行け。

直也:なるほど。みんフリしてだまっとるはいかんなあ。手はあるもんや。

師匠:喧嘩も戦もやるからには相手が降参するまでやる。

   それだけの態勢をたててかかるのじゃぞ。

   今の件は告訴と損害賠償請求がええやろう。

   地震はちょこちょこくるやつは大きいのは少ない。

   腹が立つと怒っておれば、いきなり人を刺したりしないであろう。

   近頃ガキは平気で人を殺めるのは何故か?

   昔、山口乙矢という17才が社会党委員長の浅沼稲次郎を刺し殺し、

   衝撃を与えた。しかもテレビ中継の壇上での事件なのであった。

直也:昔より多いのですか。ごく一部の狂気の連中のやったことで

   我々の世代を評価するのは如何なものかと存じますが、

   狂気の連中を野放しにするから、のさばると思われます。

   師匠、恐喝・強盗はまだええほうじゃ。腹が立つと平気で刺すでえ。

師匠:平気なのか?

直也:暴走族なんか刺した回数が自慢になるそうや。

   あいつらだけが不満なことはない。

   わしら、普通のもんも今の世の中に不満をもっとる。

   一網打尽にして厳しく罰せなあかん。

師匠:同感じゃ。年末に一部の場所で取り締まってお茶を濁しておる。

   社会的問題になっておるのじゃから機動隊全員を投入してでも

   暴走族を撲滅させねばならぬ。そちのいうように投網で逮捕すれば

   他に影響を少なくできよう。うむ、やる気の問題である。

直也:罰し方がぬるいわ。あんなのテロとかわらんで。

   バットや鉄棒で殴り殺す。ロープで絞め殺す。あいつら人間でない。

   公開銃殺か、市中引き回しの上、獄門晒し首にしたらええ。

   ほれに判決がでるんが遅すぎるわ。ほら無実の人を罰したいらかんけど、

   はっきりしとるやつはさっさと罰したらええが。

   わっせた頃に判決出してもしゃあない。

師匠:今日はええことを言うのう。

   弁護士が被告人の人権なぞともっともらしいことをノタマワって

   被害者やその家族などは腹タツであろう。

   刑事裁判について最高裁は『国家が犯罪人を罰すること』として

   被害者の心情ナゾを考えておらんようじゃ。

   近頃少し反省したようじゃが・・・。

   法曹界は複雑な条文とか判例についてはようしっとるが、

   人間としての基本に欠けるのが多いようじゃ。

直也:そんなら被害者は自分で復讐するようになるでえ。

   地下鉄サリンの犯人が無期懲役になったというとったけど

   遺族の意見きいたんかいな。わしはこらえんでえ。

   無期やいうても終身刑とちゃうんやってな。

   恩赦ででてこれるってきいたでえ。でてきたらサリンかけたる。

師匠:そう過激になるな。気持は分かる。今陪審(裁判員)制度が検討されておる。

直也:裁判に一般市民が参加するってやつかいな。

師匠:そうじゃ、そもそも犯罪の有無の事実認定に法律の知識がいるかと

   いうことよ、社会経験と常識が大切じゃ。

   世間と没交渉の検察官や裁判官が判断できるか、

   おまえがいうように量刑まで陪審員が関与することになるのか、注目される。    

直也:量刑って、懲役何年てこと。ほれより死刑って執行されとんかいな。

   凶悪犯は公開の場でやらな信用できん。

師匠:それも一理ある。現行法は絞首刑で検察官が立ち会うらしい。

   死刑廃止論も声が大きくなったり小さくなったりするが、

   改めて、国家と国民のあり方が問われよう。

直也:だいたい、国家や要るんかいなのう。

師匠:うむ、国家とは『一定の領土に定住し、主権によって統治される人民の集まり』と

   されているようじゃが、日本国家とは日本株式会社と考えた方が分かりやすい。

   国家法人説が通説のようじゃ。社長は内閣総理大臣としておこう。

   戦後国有企業が民営化されてきたが

   政府が大株主のところがようけ残っておる。

直也:内閣より、国会が上とちゃうん。

師匠:憲法上は国会が最高機関とされとるが、両院の議長なんて評価されとらん。

   国会議員が不勉強やから行政官僚に馬鹿にされとる。

直也:ほんなら国会議員を公募したらええが。

師匠:ええことをいう。

   高知県知事はおばさんたちが知事候補を全国から公募したと聞く。

   訳のワカラン政党よりずうっといい。

   まともな人間が集まって自分らの眼鏡にあった

   候補者を立てればよい。選挙に金がかからんようになる。

   汚職も減るだろう。候補者も思いきった活動ができよう。

   結局、国民がどのような代表者を選ぶかに尽きる。

   国民も政治について勉強していかな幸福にはなれん。 

直也:よくわかります。どういう政治がしたいかを考えて公募する。

   半分以上の有権者が集まったら自分やの代表を国会に送り出せる。

   ほの国会議員も新聞テレビにぺこぺこせんですむ。あれみっともないわ。

師匠:向学のためにゆうておくが、

   『人は人に対して狼である。そやから国家をつくって喧嘩や、食い合いを

   せんようにする必要がある』と昔の人がいうておる。

   おまえのいうように国家・国境なんて要らない、という者もいる。

   まだ、百年早いと思うがの。早くそんな世の中になればよいが・・・。

直也:なりますか?永久にこんと思う。まだ戦争しよるところがあるのに。

師匠:希望じゃ。だいたい、人間が多すぎる。

   地球上の定員を二~三十億にせないかん。

直也:エッチしたらいかんことになるでえ。

師匠:エッチが悪いとはいえんが、いや、種の保存上必要であるが

   産児制限は必要である。

   人類が採取でくうていける人口は1.5億という計算がある。

   農業・工業なぞを始めたから増えすぎたのじゃ。

   ほかの生物に、地球に多大の迷惑をかけている。

直也:いっそノアの箱船やないけど地球人口を半分削減したら。

師匠:今日は過激なことをいうのう。

   誰を残し、誰を抹殺するか、どう判断する?

   産児制限で根気強くゆくしかないであろう。急がねばならんがの。

直也:宇宙飛行士が美しい星地球というとった。

師匠:ちと人類は奢っておる。地球の歴史から言えば新参者のくせになあ。

直也:師匠コーヒー入れよか。

師匠:おお、今日は深刻な話になったで喉が渇いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ