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中学生と小父さんとの哲学的対話  作者: 佐々木三郎
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第1話 親の意識・子の意識

 戦後、日本で強くなったもの女と靴下と言われて久しいが、

21世紀を迎えてもこれは変わるどころか、

一層強度を増しつつある。

加えて、男の軟弱化は男女の関係を逆転させ、

ひいては大人を無視する子供を多数つくりだし、

この国を衰退へと引っ張ってゆく。

 ここに憂国の

「中学生直也と50過ぎの小父さんとの哲学的対話」を

世に問うて広く意見を求む。

日本中興に資するところあらば望外の幸せである。




            中学生と小父さんとの哲学的対話               


                                   佐々木三郎 著編


 戦後、日本で強くなったもの女と靴下と言われて久しいが、

21世紀を迎えてもこれは変わるどころか、

一層強度を増しつつある。

加えて、男の軟弱化は男女の関係を逆転させ、

ひいては大人を無視する子供を多数つくりだし、

この国を衰退へと引っ張ってゆく。

 ここに憂国の「中学生直也と50過ぎの小父さんとの哲学的対話」を

世に問うて広く意見を求む。

日本中興に資するところあらば望外の幸せである。


目 次

第1話  親の意識・子の意識         

いつの世も親子の意識にはズレがある。当たり前。 

第2話  意・念・氣・勢・・・・人生のキイワード                   

第3話  脳内ソフトの開発システム               

問題を解決しようとする意欲は脳内ソフトを生む 

第4話  腹の立つこと・・・腹が立ったら怒る。 当たり前。                   

第5話  息の仕方・・・吐く息、吸う息、止める息すぐキレルのは息の仕方に問題が)

第6話  単位の話・・・単位にもいろんなのがある。民族・文化を端的に表している。 

第7話  日本は母系社会・・・財布と実権は女が握る                     

第8話  末子成功説・・・末っ子が跡を継ぐのが自然

第9話  差別無き平等は悪なり・・・差別の合理性の問題

第10話  虚実皮膜・・・虚と実の間に真実があるwhat's virtual?

第11話  音階とは・・虎落もがり笛、純正調、平均率

第12話  手品の種・・・種を明かせば手品でなくなる

第13話  サムソンとデリラ・・・カチカチ山の狸

第14話  ユダヤ人迫害・・・メンデルスゾーン

第15話  碁は神様の贈物・・人知人力を越えるものを神という

第16話  飢えさせる・・・昔を思い出す

第17話  女性議員と閣僚の定数・・・男女有権者数で決すべし

第18話  お金とは・・・使ってなんぼ

第19話  勉強なんて面白くない・・・昔から 

第20話  自分への投資・・・投資は己を磨くためになせ

第21話  女の欲望・・・際限がない

第22話  発明は誰のもの・・・ぼくのもの会社のもの

第22話2 発明は誰のもの2・・・画期的判決

第23話  思想は時空を越える・・・流行する

第24話  音楽と宗教・・・死は最も厳粛

第25話  生と死・・・どう判定するか

第26話  お父さんの音楽会・・・50の手習い

特集号   違法交通取締・・・取締は誰のため






            

第1話 親の意識・子の意識

いつの世も親子の意識にはズレがある。当たり前。


直也:師匠、入っていいですか。頭にくる・・・。             

師匠:新年早々、何を嘆いておる。年改まり、今年こそはいい年と願うものじゃ。           直也:大人って、すぐ『近頃の若い者はなんて』、いばって、頭にくる。師匠:その大人も昔は若かった。『近頃の若い者』は慣用句である。頭に   るって、何がくるのじゃ?               直也:そりゃあ、怒りですよ。

師匠:これは否な事を。怒りはくるものか?  

どこからか。怒り心頭に発すというて、頭から発っするものじゃ。    

直也:そんな、国語の授業じゃあるまいし。             

師匠:黙れ。日本語は正しく使え。文化・思想が伝わらぬではないか、由々しき問題であるぞ。     直也:(ここは逆らってはまずい)気をつけます。

でも『近頃の若い者』は人を馬鹿にしています。他に言い方はないんじゃろか?       

師匠:日本語としておかしくない。思うに、その状況はわからぬが最も適切な表現であろう。


直也:大人は古い考えで判断しています。               

師匠:考えが古いから悪、新しいから善とは言えぬぞ。         

直也:それはそうですが、古い考えを頭から押しつけるのは腹が立ちます。

師匠:昔からそうしたものじゃ。子は大人の考えに従うのじゃ。

悔しかっ たら早く大人になれ。まあ、それもちと酷か。具体的にどういう事か話してみろ。      直也:母が『勉強していいところに就職しなさい』と毎日のようにいいます。             

師匠:別にまちがっとらん。

直也:いいところに就職したって、幸せとは限りません。僕は自分の才能を生かせる仕事をしたいんです。師匠:(大した才能ともおもえんがの。そんな仕事につける人間が何人いる?)なるほど、それはそうだ。具体的にはどんな仕事じゃ。       

直也:まだ、よくわかりませんが、作家か、脚本家になりたいです。    

師匠:うむ。夢を持つことはいいことじゃお持ちなさいな、』と吉永小百合も歌っておる。       直也:吉永小百合?それ、なにー?                  

師匠:馬鹿者。(新聞紙で頭を殴る)サユリストという言葉まで流行せしめたかの吉永小百合をなんと心得る。ひかえおろう。          

直也:いてえなあ。いきなり殴るなんて、・・・。師匠も古い考えを押しつける。           師匠:無礼者。年を重ねても吉永小百合は永遠のマドンナである。手打ちに致すぞ。                            

直也:(いい年扱いてムキになるとこが可愛い小父さんだ)ははあー。平にご容赦下さい。

して、小百合様はたいそう美人であらせられたのでありまするか?    

師匠:・・・美人と言うような程度ではない。うん、聖母マリアがごときなり。まさにマドンナじゃ。  直也:じゃあ、岡本綾みたいなんだ。                              

師匠:それは何者か、軽々しくくらぶるでない。            

直也:(大人は昔の事ばっかり言って、・・・新しいことはおぼえようとしない)

あのー、僕の仕事の話なんですけど、作家になれるでしょうか?

師匠:それは努力次第じゃ。夢に向かって日々精進すれば道は開かれよう。

 狭き門より入れ。叩けよ、さらば開かれむ。求めよ、さらば与えられむ。』というではないか。                              

直也:もう少し新しい考えはないんでしょうか?現代の子供の考えに合った・・・           師匠:子供の考えに何故合わさなくてはいかん?半人前のくせに小賢しい。

直也:子供の考えは正しくないのですか?              

師匠:身勝手な都合のいい屁理屈じゃ。

直也:あ、そうだ、忘れていました。酒とするめを母から言付かってきました。

『いつもお邪魔してすいません』と言っておりました。       

師匠:何、かようなお心遣いはご無用にな。うむ、母上は美形にして、才色兼備じゃ。         直也:これは広島の銘酒で冷やが良いと父がいうてました。

師匠、ささ一献・・・どこかの猿は芋を洗って食うそうですが、若い猿が始めたと言ってました。    師匠:猿は酒は飲むのか。燗をするのか。うーん、銘酒よのう。五臓六腑にしみわたる・・。                    

直也:新しいことは若い世代が開発することが多いそうです。      

師匠:親に食わせてもらっているのだから何か孝行をせんとな。するめは噛むほどに良きかな。     直也:若い考えが世の中を変るといえますよね。師匠お注ぎします。   

師匠:若いということは好奇心と感受性が強いといえるからの。現状に満足しない。          直也:大人は満足しているのですか?             

師匠:満足はしとらんが、あきらめというか、自分を現状に慣らしてしまうんじゃろ。         直也:大人は古い考えで生きて、老いを迎える。新しい時代についてゆけない。                              

師匠:時代の変わり方が早くなってきておるでな。一昔前まで仕事の師は親であった。子は親の職を継いだものだ。そもそも家族とは3世代が同居もしくは生業をともにしなくてはならん。核家族は民族を破滅させ、文化の継承を分断するものである。

地球上で人類は増えすぎじゃ。狩猟生活か、農業生活の方が自然を破壊することが少ない。他の生物が人間にどれだけ迷惑しているか、考えたことがあるか。経済発展が幸せとは限らぬ。            直也:年とともに新しい考えを認めたくなるのですか。         

師匠:うぬ。めんどうになる。それにじゃ、それに感動がのうなる。酒のほうがようなる。うーっと、認めるとじゃな、認めると従来の自分の考えが否定された気になる。うん、気になる。

直也:親の沽券というやつですか。それに子供は泣くのです。子の人生を破壊する。          師匠:破壊はいかん。うん、子供にも半分人格はある。馬鹿な大人よりりっぱな子供もおる。アメリカ合衆国においてはのう、中学生で会社を経営しておるのもいるそうじゃ。いやいや日本においても日本でも10代で将棋のタイトルをとった女流棋士がいる。千住真理子は15才で全日本音楽コンクールで優勝した。今も世界的ヴァイオリニストである。

直也:一般に大人も子供だったのに、どうして子供の考えがわからなくなるのですか?         師匠:どうしてであろうかの。人間の考えは若いうちに形成されだんだん固まってゆく。                         

直也:固まると頭が固くなるんですか。                

師匠:そうじゃろうのう・・・。年寄りは頑固になる。昔も今も変わらぬ。諦めるんじゃな。      直也:あきらめるって、子の考えを親に分からせることをですか。    

師匠:親子といえども遺伝子は半分異なる。30万ともいわれる遺伝子の半分は父とも母とも異なるのであるから、15万は異なる。うん、15万は少ない数ではない。しかして、親子といえども別の個体であり、したがってまた、うーん、別の人格である。されば、考えを同じうせぬは当然、自明の理なり。他の考えを理解するはいと易からず。

直也:ようワカランけど、親の考えを子に押しつけてはいかんということですね。


師匠:何事も押しつけはいかんが、いかんがじゃな、

お前の解釈は手前味噌・我田引水である。

直也:親の考えに従って一流企業に就職して一生を企業のために働いて

リストラで首になって自殺するような人生は選びたくありません。

師匠:そんな先のことまで分かるか。人の一生なぞ終わってみな良いか悪いか分かるものか。

父君は何と言われたか。

直也:自分の人生は自分で決めろ、といっております。

母よりましです。

師匠:汝の親を尊べ、アーメンに書いてあるぞ。子の幸せを願う男親女親の愛情には変わりがない。『ほろほろと鳴く山鳥の声きけば父かぞと思ふ母かぞと思ふ』と行基も歌っておる。行基は奈良時代の僧で、かの三蔵法師に学び、仏教の布教の他民衆のための土木工事に尽くした、それはそれは偉い坊さまであった。

親は馬鹿な子ほど可愛いものよ。父の愛情・母の愛情、それは表現の相違に過ぎん。親の恩は海より深し。親を馬鹿にすると罰が当たるぞ。南無阿弥陀仏。自分の人生を開く努力は惜しんではならぬ。忘れるでない。


直也:あいわかりました。親を敬い、己の人生を真剣に考えまする。

   ほやけど、大人はすぐ説教したがるのはどうしてですか。

師匠:それはじゃ、ううん、説教すると快感を覚えるからじゃ。

直也:すると大人のマスタヴェーションに子供は付き合わされるのであります?

師匠:近頃のガキンチョはえげつないことをぬかすのう。が、言い得ておる。『思ふこと言わぬは腹ふくるる』口にするは精神的にもよい。

直也:つれづれぐさですね。少しちがうようようやけど。

師匠:黙れ。余の説教はそんじょそこらの本に書いてあることとは違うぞ。

深い人生体験に裏付けされておる。体験された知識は知恵になる。余の説教を聴くに酒一本では安い。

直也:説教が金になるのですか?

師匠:説教で食ってる奴はゴロゴロいる。牧師とか神父は聖書に書いてあることを説教しておる。

坊主も同じじゃ。相手の喜びそうなところを選んでいるだけじゃ。

直也:聖書とか、お経はいいこと書いているってことですか。

師匠:いいこともあるが、たいしたこともない。鰯の頭も信心からというてありがたやと思えば有り難い。まあ、ベストセラーの最右翼にあげれよう。一読に値する。聖書の詩編はなかなかじゃ。エッチな詩もあるぞ。お経はそれがしには10年はやい。まあ、瀬戸内寂聴の講話がちょうどいい。 

直也:学校の先生とか、評論家とかマスコミも無責任な説教をしますね。

師匠:先生はともかく、評論家、マスコミの無責任さは同感じゃ。体験とか感覚を通さず、言葉だけでその気にさせようとする。その気になる方もなる方じゃが、・・・・。子供のうちはなまじっかな考えより五感をとおして感じることが大切じゃ。芸術・職人の技・スポーツ・日常生活なんでもええ、感動と観察、感激と感受、感性を磨き、驚きと発見を重ねると良い考えに到達する。ういー。これが結論じゃ。

直也:師匠、横になりますか。風邪をひかんように。そろそろ帰ります。

師匠:うん、母上にくれぐれもよろしくな・・・。


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