ナイフにご用心8
さて、あの早川君が、事件に巻き込まれることになってた。物騒なものを持ち歩いていたからだろう。
早川君は、いつも塾に行くと偽ってゲームセンターに行っていたのだ。親からもらう月謝は、全部ゲームセンターで使い果たしていた。早川君の両親はと言うと、そのことに全然気がついていなかった。それどころか、早川君のことを信じきっていたのだ。
実は、早川君は小学生の時から同じことをやっていた。うちの学校に来てしまったと言うのも納得する。一向に早川君の成績が上がらないにもかかわらず、早川君の両親は何も言わず、早川君を自由にしすぎたのだろう。
先日も、いつも通り、塾に行くと偽ってゲームセンターに行くと、クラスの子がいたのだ。
「あ、早川じゃん。あの田辺を刺そうとした。」
それは、風間和夫だった。風間君は、小学校の時にいつも授業中はうるさいわ、言うことを聞かないわで大変な子だったとか。それで、うちの学校に来たらしい。
風間君と一緒に鈴木君もいた。悪い二人でゲームセンターに行ってたのだ。
「うるせー」
早川君の虫の居所が悪かったらしく、風間君の言葉に激昂してしまった。
「何だと?もう一度言ってみろよ!」
今度は、風間君がキレたのだ。隣にいた鈴木君はと言うと・・・。
「おい、あんまりかかわらないほうが良いんじゃねーか?変なことを言うと、刺されちまうぞ。ハハハッ!」
鈴木君は、冗談半分にそう言った。しかしそれが、早川君を壊してしまったのだ。
「何だとぉ・・・」
興奮した早川君はジャケットのポケットに入れていたナイフを出した。
「やる気かよ」
風間君が見下すような目つきで、早川君を挑発してしまった。
しかし、それを見ていたゲームセンターの従業員の一人が止めてくれたのだった。
「君達、何をやっているんだ。それ以上やったら警察を呼ぶぞ!」
この言葉に、三人は我に返ってそれはそこで終わったのだ。
しかし、これで終わればよかったのだが、そうはいかなかったのだ。
次の日、学校で三人は本当の事件を起こした。