やっぱり最初の敵はスライムだよね
まず冒険の基本としては、スライムを倒す事であろう。
スライムを舐めてはいけない、スライムだから大丈夫〜、なんて思っていると異常なほど高い攻撃力でタックルされ、鉄の剣がへし折れる程の防御力、まるでメタルキングではないか。
青年はてっきり、やられたら教会で復活するものだと思っていた。
しかし現実は違う、スライムの攻撃で瀕死の重症で倒れているだけなのだ。
「あー、これは重症っスね」
死の境界線を行き渡っている青年の耳には、突然として可愛らしい少女の声が耳に入ってきたのだ。
青年は天使のお迎えが来たのだと勘違いし、そのまま気絶する。
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「おっ、目が覚めたっスか?」
青年は起きるやいなや、『ここは天国ですか!?』などと意味不明な事を叫び始める、青年はてっきり自分が死んだものだと思っていたのだ。
そして数分し、自分が生きているという事を実感する。
それと同時に、『ここは天国ですか!?』の恥ずかしさが込み上げてくる。
ある程度動けるようになった青年は、何か出来ないかと、とりあえず話しかけてみる。
「助けて貰ったお礼なんだけど…」
「お礼なんていらないっスよ」
青年はあわよくば、お礼に一緒に冒険します!みたいな展開を期待していたのだが、一言でバッサリ切られてしまったのである。
青年にこれから行く当てもなく、所持金を全てスライムに盗まれてしまった以上、彼女に同行するしかないのだ。
それを悟っかのように彼女が提案を出す。
「シュヴァルツって言うギルドに入ってるんスけど、貴方もどうっスか?」
青年には断る理由もなく、二つ返事でOKをした。