学園は天国ではなく地獄なのだ。 その一
暗忍学園の小学部五年の神田梢で~す。
今日は飛び級試験という物をやるらしい。
どうせ成績最下位のあたしは受かるハズがないのに、なんで試験受けなくちゃいけないのぉ。
どうせ受からなくて落ち込むのは目に見えてるってのに。
「平気だよ、大丈夫!!」
声をかけてきたのは上月碧彩。テストで毎回一位を取る妙な奴だ。何であたしがこんなすごい子と仲良くしてられるかは誰も知らない。
「っていうか、絶対受からないのに何でテスト受けなきゃいけないの??」
「ほんとだよね~。テスト受けるより漫画読んでる方が・・・」
こいつは野沢瑠那。テストの成績はいつもいいのに、二次元に浸ってしまっている残念なやつだ。
「ねえねえ、聞いた!?極秘ジンクスの事」
松本榎奈が、碧彩に後ろから飛びつきながら言った。
極秘ジンクス?聞いた事・・・なくもないかも。
「え?それって、肖像画の裏に手紙を置くとどうのこうのって奴?」
あたしは聞いてみた。
さっきまでケータイをいじってた松島瀬奈が、
「それだったら聞いた事あるかも。たしか、学園から脱出するための手段が書いてある手紙が届くって奴でしょ」
「そうそう。なーんだ。皆聞いたことあるんだ。つまんないの」
そのときだった。
「飛び級試験を受ける生徒は、至急402号室まで来るように」
放送だ。
「やばっ!もう二十八分だよ!あと二分!」
時計を見ながら瑠那が言った。
そして、あたし達は「廊下を走ってはいけません!」のポスターの目の前を猛ダッシュで走る羽目になった。
☆
「はい、やめて。君の試験は終わりだ」
あたしは腕時計を見た。きっちり三分。よく途中で中断されなかっなぁ。
そして、実技の試験があった体育館から出る。
途端に、あたし達より先に終わってた四人が駆け寄ってきた。
「ねえねえ、どうだった?」
「三分きっちりやらせてもらえた?」
「それがだな」
あたしがそう言うと四人とも静かになった。
「三分きっちりやらせてもらえたのです!!」
言った途端に、皆目を見開いた。
あれ?皆も三分きっちりやらせてもらえたハズなのに。
実技の試験のは、動くマネキン(全自動のロボット)と三分間戦って、どれくらい見事な、そして強力な技を審査員に見せるというものだ。
でも、審査員がこれはダメだ、と思ったとき、三分たってなくてもやめさせる事が出来る。
マネキンは強くて、ランクSのスーパーエージェントでも三十分ぐらいかけてやっと倒せるぐらいらしい。だから、どんなに強力な技で攻撃しても、壊れる心配はない。
「うち、二分位しかやらせてもらえなかった!」
「ミートゥー」
「わたしも!」
「うちも」
これは受かるかもしれない。
あ、だけど筆記試験がダメだったんだった・・・。
これは梢の5年の時の話ですね、はい。
極秘ジンクスと飛び級試験が出せました。
実は、この榎奈ちゃん、K.Mさんっていうあたしの同僚がモデルです。
彼氏と付き合うのは3ヶ月が限度だそうで、まじで3ヶ月ごとに彼氏を替えてるという恐ろしい女・・・。
美人だから、かなりもてるけど、3ヶ月ごとに彼氏替えるって・・・
ケータイの機種替えるんじゃないんだから・・・^^;
職場で十人ほどしかいないリア充の一人です。