プロローグ
残酷な描写は、ないはず・・・です。
たまに人が気絶するぐらいなんじゃないかなぁ?
誤字・脱字などあったら教えてくださいッ。
よろしくお願いします。
ポツッ。
あたしのほっぺに、何かが触れた。
雨だ。
「げっ。奈々、雨だよ。これは良くない兆候かもね・・・」
「そうかしら・・・。雨でも、恵みの雨かもしれないわ・・・」
奈々は静かな、でもよく通る声で答えてくれた。
こうやって話している間にも、雨はしとしとと降ってくる。
「とっとと目的地に着いて雨宿りしないと」
さっきから濡れた髪がうっとうしい。あたしは顔にへばり付いた髪を後ろに払って、進む事に専念した。
そういえば、自己紹介を忘れていた気がする。
あたしの名前は、神田梢。
髪の色は黒、目の色は黒の、13歳。
一般的な日本人・・・でもないか。
そもそも、何で雨に濡れながら、住宅街を延々と歩いているのか。
それは、あたしが元暗忍だから。
え?なにその杏仁豆腐みたいな名前?って思う人が大半だと思う。
そう、それが普通。だって知ってる人の方がおかしいもん。
ウィキぺディアにも載ってないし(・・・そのはず)。
だって、暗忍の正体は極秘国際諜報機関だもん。
って、バラしていいんだろうか。
で、まぁその手段が昔の忍者っぽいし、世間にも知られてないから、暗闇の忍者。略して暗忍。
でも、そんな荒々しい仕事を普通にこなせる大人なんてそんなにいるもんじゃない。
だからここであたしのいた場所、暗忍学園が出てくる。
授業もしつつ、スパイになるためのことも習うという一石二鳥の学園だ。
でも、この学校にこれる生徒は、限られている。
どういう基準なのかはあたしも知らないけど。
さらに、全寮制、外出禁止、と言う悪夢のような学園だ。
あと、一学年につき十人、飛び級が出来る。
飛び級すると、もう任務を受けられるようになる。
自慢じゃないけど、あたしもその中の一人。
「あっ!梢だ!生け捕りにして!」
あっちゃー。あたしの回想タイムも終わりだ。
この声からして、瀬奈だ。
彼女が得意なのは遠距離攻撃。だけど、あんなの当たらなかったら意味ない。
飛んできたナイフをかわして、あたしは家の屋根に飛び移る。
そのとき、不気味な形の月が雲から姿を見せた。