92話 英雄との連絡
集落の住民達を受け入れたことでダンジョンの街は更に活気づいたような気がする。
まあ約600人の移民だし最初は心配したがこれと言った問題が起きていない。
強いているならシオやノバが居住エリアでちょくちょく食事に来るため亜人達がすぐに跪く事がしばらく起きたぐらいだろう。シオの方も同じ住民だから普通に接して欲しいとか言っているが、正直効果があるかどうか怪しい。
それと集落からの移住者だが、混血の亜人だけかと思ったら意外と純血、つまり普通の種族のドワーフ族、エルフ族、魔人族等々もいた。まあ亜人の親が暮らしてもおかしくはない。ガウスの所に亜人ばかりだったのは住民の殆どがガウスが旅先で拾った者達だったらしい。
そんなわけで住民が増え、労働者が増え、お店が増えと人材は確保できてきたので以前から計画していた『ポイントシステム』を導入する事にした。
流通する通貨がある事で自分達の生活を向上させさらに発展させる仕組みなのだがここで一つ問題が発生した。
それはエイミィからのある一言。
「そのポイントの配分はどのようにすれば出来るの?」
ポイントシステムを考えたのは俺、導入の仕組みを考えたのも俺、配分が出来るのも俺。
つまり俺が住民達の給料を考えて定期的に配分しなければならないという事。
「ヤバい、今になってこんな落とし穴があった事に気付かないとかアホだろ」
「・・・本当にアホね」
物事は計画的に進めるべき、経理とか全然知らないしどうやって決めればいいんだ?
「なぁエイミィお前経理とか出来るか?皆の給料とか計算できる超頭脳の持ち主とかじゃないか?」
「そんなわけないでしょ・・・そういうのは有識者に聞くのがいいわ」
「有識者って・・・ガウスとか?」
ガウスは金銭のやり取りはしているしあの外見でかなりの年月を生きているし・・・頼めばやってくれるかな?
「違う違う・・・才よ。彼ならそういうの詳しいから聞けばいいんじゃない?」
なるほどな、ギルドのグランドマスターをしているんだし金の流通とかには詳しいか。
「でもどうやって連絡を取るんだ?夜会までは1カ月ぐらいあるし、ギルドに頼んで手紙を出すのも時間がかかりそうだし」
「ふふふ・・・そういう時に役に立つのが彼よ」
『どうもエイミィさんに呼ばれてきました』
エイミィの紹介と共にモニターに映し出される形で出てきたのは三大神の一柱のシンだった。なんか随分とノリがいいな。
『才とは随分と仲良くなれたみたいだね』
「ええ、異世界人の先輩として色々と頼りになっています」
『うんうん、才も光輝君と出会って色々と刺激を受けたはずだよ。この前も君の事の話で盛り上がったし』
俺の話で盛り上がる?なんか色々と恥ずかしいようで怖いな。
「それで、才と連絡を取るのにシンが中継して話をしてくれるんですか?」
『違う違う・・・直接才と連絡を取れるようにするんだ。このモニターでの連絡方法って僕の管轄だからね』
たしかシンが司っているのは『記録』だからこういうのも管理しているのか。
って事は会話とか調べようと思えばどういう話をしていたかバレるのか?
『あ、大丈夫会話の内容とかはプライバシーとして見ないようにしているから。ただ調べようと思えば調べられるという事は覚えておいてね』
なんというか無害なウィルスを仕込まれたような気分だが大丈夫なのか?
『まあとりあえず才に繋げるね、この時間帯なら大丈夫だろうし』
シンがそう言うと突然彼の隣にもう一つモニターが出現して才が映し出された。
『シンこんどは何の用・・・ってコウキにエイミィ?』
俺とエイミィがいる事は予想外だったらしく才は驚いた顔をしたがすぐに状況を理解したようだ。
「そう言えばシンがこれを使えばジェコネソにまでいかなくても才とは話が出来たんじゃないか?」
『そうだけど初めて会うなら直接の方が良いじゃない?それに光輝君も他国の様子を見たかっただろうし』
まあ確かに得難い体験だったのは間違いない。
『それで?俺に連絡をしてきた理由は夜会の事か?』
「あ、夜会は行くよ・・・才に連絡したのは別件というかアドバイスをもらいたくて・・・」
とりあえず才にはダンジョンで使われる通貨のポイントシステムについて説明した。
『そっち専用の通貨か・・・簡単に作れてしまうお前が凄いよ』
「まあそのせいで問題が出てきたんだけどね」
『価格の設定方法は色々とあるが、お前達の場合通貨も一から考えるから色々と面倒だな。ちなみにポイントは光輝的に円でいくらぐらいと考えている?』
「一応1ポイント1円と考えているけど」
『ならこっちのエーヌと大して変わらないな・・・一応ギルドでは一般商品の価格表が記載された資料はあるからウィリアムに届けるように伝えておく。それを参考にしてくれて構わない』
「それは助かる!近い内にジェコネソに行くよ」
才からの思わぬ贈り物に俺は感謝した。
『まあ参考程度だ真似はするな』
「分かった・・・それと、給料の分配についてなんだが」
『まだあるのかよ』
その後も才と綿密に話し合いポイントの支給制度を改善を行った。
とりあえずフロアボス達を含め何人かモニター約をしてもらいしばらくはテストプレイする事になった。
ここまで親身に相談に乗ってくれた才には本当に感謝だ。
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