72話 ジェコネソの報告会
ギルドで寛いでいた後俺達は旅館へ戻りエイミィに連絡を入れていた。
『そう、それじゃワイトはそんまま弟子入りしたのね』
「ああ、ワイトもやる気だったし俺とゾアもトーマスさんを信用できると思ったんでな・・・ダンジョンの事も伝えている」
『分かったわ、これも良い経験になるはずよ。それにしても王都の学校ね。ダンジョンの住民にも外の常識は教えないといけないわね』
「ああ、お金の使い方とかはダンジョンにも浸透させた方がいいかも。今後ジョージ達みたいにダンジョンの外に出たいと思う人が増えるかもしれないし」
エイミィと相談して学校の創設計画は進めていった方が良いと結論づいた。
『それで?他には何かあった?』
「他に?・・えーと」
他に報告する事と言われて思い出したのはあのバカ貴族の事だが言ったら色々と心配されそうだし黙っておこうと思ったのだが・・・
『ちなみに光輝がテオプアの貴族を殴り飛ばしたって話はゾアから聞いているわ。あなたが腕を負傷したことも』
うげ!バレてた・・・というかゾアのやつ報告していたのか。
『ゾアそうとう思い詰めていたみたいわよ・・・『コウキさんを怪我させてしまい申し訳ございまへんでした』って土下座姿で謝罪していたし』
「そうだったのかゾアに悪い事しちまったな・・・だけどあのバカはマジで俺が殴らないとって思ったし」
『まあ大体の事は察しが付くけど気をつけてよね・・・光輝の世界だったらほぼ間違いなく光輝が暴行罪になるんだから』
「う・・・分かった」
『まぁ・・・仲間の為に負傷してまで相手をぶっ飛ばしたなら私からはグッジョブ!って言いたいわね』
この女神結構バイオレンスだぞ!
『冗談はさておき、才とは仲良くできそう?』
「ああ、思ったよりも話しやすいし国の人からもかなり信頼されている印象はあったかな。随分とテオプアの為に働きかけているみたいだし」
『そうね立つ鳥跡を濁さずって見方も出来るけど』
「どういう事だ?」
『才は元々テオプアの内乱を治めるためにこの世界に呼ばれたの・・・つまり彼の役目はもう終わっているのよ』
エイミィの言葉に一瞬心臓が鷲掴みされたような気持になった。
役目を終えたらどうなるんだ?
「それじゃあ才は元の世界に戻るのか?」
『分からない・・・どういうルートでこの世界に呼ばれたのかは私は把握できないし。もしかしたらもう戻れる状態だけど本人がこの世界に留まろうとしているのかもしれないし、戻れないから色々と模索しているのかもしれない』
結局分からずじまいってことか。
『才もその辺は話そうとしないしこればかりは本人次第だね』
「まあその辺は本人が話す気になるまで待つよ」
まだ会ったばかりだし俺がどこまで踏み込んでいいのか分からないしな。
『そうだ、ジェコネソの事教えてよ・・・ダンジョンの街には無い物とかあった?』
「ん~どうだな旅館があって・・・」
っとエイミィの興味がジェコネソに移動したため俺は彼女の質問にしばらく付き合ったのだった。
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日が落ち始めるころにジョージとテスラが戻って来てそれぞれの感想を聞いた。
「実に有意義な時間でした。自分の知らない料理が多く特に昨日食べたラーメンも提供していましたので早速作り方を教わりました!」
「あたいも最初は女だって舐められていたけど力仕事を見せつけたら納得して色々と教えてくれました」
テスラの方は結構ガテン系の人が多いから心配だったが実力で黙らせた感じだな。まあ種族の特徴として力仕事は得意だからな。
「それは良かった。皆やりがいを感じてくれているなら連れて来て良かったよ」
「はいそれでできればしばらくはここに滞在したいと考えていまして」
まあここにいる期間とか特に決めていなかったからな。俺は目的を大体果たしているから戻ろうと思っていたけどジョージ達は別だ。
「そうなるとここに滞在する場所を考えないとな」
昨日今日は才のご厚意で泊めさせてもらったけど自腹となると相当な金がかかりそうだ。別の宿を探して長期滞在でも考えるか?その辺は才に相談すればいいか。
「光輝さん今よろしいですか?」
そしてタイミングよく扉の方からスイの声が聞こえた。
「どうぞ」
俺が入室の許可を入れるとスイは礼儀正しくお辞儀をして入ってきた。
「才様からの伝言をお伝えに来ました。『ドーバ男爵が何やら裏で動いているみたいだから注意せよ』とのことです」
・・・あの男爵が?
「才様は調査の為ギルドへ向かわれました。なので本日の食事は同席できないのでご了承ください。あと本日は外出しない方が良いかと思います・・・ミキティさんに食事をこちらまで運んでもらうように手配しますがよろしいですか?」
「はい、ありがとうございます」
「それでは私もギルドへ行きますのでこれで失礼します」
スイが退出した後しばらく沈黙が続いた。
「ドーバ男爵か・・・やっぱりマリーを狙って?」
「あるいはコウキ様への復讐か・・・」
「・・・ボーロックしばらくこの辺りの警戒を頼む。ゾア、念のためワイトに連絡を入れて注意しておくように伝えておいてくれ」
そして二人に指示を出した後すぐに扉の方から声が聞こえた。
「失礼します料理をお持ちしました」
「あ、はいありがとうございます」
そう言って扉に近かったテスラが開けようとした瞬間ボーロックが彼女の手を引っ張り下げる。一瞬何事かと思ったがボーロックが彼女を引っ張ったタイミングで扉を蹴り飛ばして突入してきた数人の不審者・・・誰?
「なんやあんたら・・・随分と行儀が悪い従業員やな」
「そこの夢魔種の女を渡せ、そうすれば命までは取らん」
・・・うわ、ベタな脅しだな。
ボーロックはすぐにテスラとマリー、デューオとゾアが俺を庇うように前に出る。
「二人とも色々と情報を知りたいから殺さないように・・・特にゾアは派手なのは使うなよ」
「「了解!」」
さて・・・何が起きているのやら。
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