71話 合流
「・・・つまりなんだ?お前さん達はダンジョンの中で暮らしていてテオプアの技術を学ぶためにここに来たと?」
「そうです」
ゾアとワイトの正体を明かして驚いた二人を一旦落ち着かせる。
「ハハハ・・・僕は夢を見ているのでしょうか?ゾアさんがダークエルフでホワイトリー君が屍人族だなんて。しかもダンジョンに街?」
「事実や・・・ワイらがダンジョンの関係者っていうも教えたのはあんたらが信用できると判断したからや。もしワイらの許可無く他の者に喋ったら・・・」
「喋りません!喋りません!そもそも僕達は神狩りは反対派なんです!」
「儂らは女神・エイミィ様を捕らえようという罰当たりな事はせんよ。というかグランドマスターは知っていたいのか?」
「もちろんだ・・・だからお前に会わせようと思ったんだ」
「はぁ・・・信用されているのは嬉しいがもう少し心の準備というのをさせてほしいものだ」
そう言って一度ため息を吐いて俺達を見た。
「このトーマス・デューリーの腕と名に懸けてあなた方の秘密及びホワイトリーを一流の職人へ育てる事を誓う」
トーマスの誓の言葉聞き俺達も安心してワイトを預けられると思った。
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「それじゃワイトを育ててもらうお礼と言ってはなんですがこれを渡しておきます」
俺はダンジョンで生産されている一樽の酒を取り出した。
ドワーフと言ったらやっぱり酒だよな。
「ん?この酒は何じゃ?」
「えーと確か龍酒って名前ですね・・・ダンジョンで作っている酒です」
「龍酒だと!それも樽丸ごと!」
エイミィ曰く『自然界の高級酒』なんて呼ばれているらしい。
俺も飲んだことがあるがかなり飲みやすくて結構好きなんだよな。
「ハハハ本物だ。光輝お前とんでもない物出したな」
「ん?そうなのか、ダンジョンでは結構作られているけど」
鑑定した才は乾いた笑いをしていた。
ダンジョンには酒好きが結構いるからな・・・農場エリアでも『龍酒の果実』専用エリアがあるし。宴の時とかは住民達も飲んでいたりする。
「酒好きにとっては喉から手が出る程の代物だ・・・確か以前オークションでボトル出たが一本二億エーヌで落札されたぞ」
「二億?!」
ボトルで二億出すって・・・どこの大富豪だよ。
というかもしかしてウチの住民達メッチャ贅沢している?
「とにかく樽は流石に貰いすぎだ!儂の価値観が崩壊しそうだ!」
トーマスが叫ぶように要望したのでとりあえず少し大きめのボトルに龍酒を注いでコルクで閉じる。そしてトーマスは大事そうにボトルを手に取り頑丈そうな金庫にすぐさましまい込んだ。
「ふぅ・・・一級危険物を取り扱ったような気分だ」
そんな事を言いつつもメッチャ嬉しそうな顔をしているあたりやはり酒は好みのようだ。
「光輝の所は酒とかも作っているのか?」
「ああ、他にもワインやビール、ウィスキーとかも研究中かな」
「カーッ!女神様を守る砦の中は楽園かよ!」
酒の種類を述べるとトーマスは羨ましそうに頭を押さえる。
ついさっき王都へ行くって決めたからな・・・いまさらダンジョンに行きたいとか言えんよな。
でもまあ・・・
「まだ街として作り始めたばかりですからね・・・いつかお二人をご招待します」
「そうか!それは楽しみだ」
「僕もいいのですか?!」
ワイトの師匠と兄弟子だし特別に招待するのはいいだろう。
「さてと、それじゃ俺達はこれで失礼します。ワイトの事よろしくお願いします」
「応!任せておけ!と言っても王都に行ったりするから準備が必要だがな」
「僕も手伝います」
「よっしゃ!とりあえずエルクが必要な物は置いていくとして引っ越しの準備が必要だな!」
ワイトはそのままトーマスの所に残り王都への引っ越し準備に取り掛かった。
そして俺達はジョージ達の様子を見に行くためにギルドへ向かった。
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ギルドに到着すると受付のお姉さんにギルドマスターが待っていると言われたのでそのままウィリアムの下へ向かった。
そしてギルドマスター部屋では優雅に紅茶を飲んでいるマリーとボーロック、そしてスイ、マヤとヒスイがいた。
「あ、コウキ様お帰りなさい。ワイト君の方は終わったのですか?」
「ああ、マリーも見学は済んだのか?」
「はい、皆さんとても親切にしてくれて家具もいくつか貰ったのです」
どちらかというと気を引くためのプレゼントなんじゃないか?
しかしそれでも早すぎないか?工房見学や店巡り以外にも作り方とか見る必要はあったと思うが。
「実は店を巡るごとにマリー殿を尾行する者が増えていまして」
「え?尾行って・・・もしかして昨日の男爵の関係者?」
「いえそうではないのだが・・・マリー殿に吸い寄せられるように男達が後ろを尾行していまして、最終的には30人くらいが後をつけていたでござる」
怖!ハーメルンの笛吹の男バージョン?!
「とりあえず拙者とボーロック殿で追い返して早めにギルドに避難したでござる」
「それはご迷惑をおかけしました」
ヒスイの報告を受け、なんと言えばいいのか分からない心境で謝った。
「こりゃ王都の工房を見た時は100人超えそうだな」
才がとんでもない予想を言うが俺もそれは心配である。
だがマリーは王都の倉庫や工房は見たそうだし何とかしたいが・・・
「まあその辺の対策はワイがなんとかしましょう」
マジで頼りになるなゾア!
「具体的にどうやって解決するんだ?」
「それは作ってみないと分かりません・・・色々とテストは必要やし」
まあゾアがそういうなら任せるとしよう。
「じゃあ頼むが・・・仕事結構任せているが大丈夫か?」
「大丈夫やで・・・むしろここに来て色々と作りたい気持ちが溢れそうや!早く戻って作りたいで」
どうやらゾアの創作意欲もかなり刺激されているようだな。
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