70話 弟子
「ホワイトリー!お前、儂の弟子になれ!」
トーマスのいきなりの弟子勧誘発言。
「え?えーと弟子ってどういうことですか?」
「お前さんにの腕には『フランクシー様の加護』が宿っている!」
「トーマス殿落ち着いてください!」
未だ整理がついていないワイトに対してトーマスはかなり興奮していた。
なんか目がヤバくないか?
ひとまずデューオがトーマスを引き離して落ち着かせる。
「お、おうすまない。久々に凄いもん見て興奮したわ」
「まったく師匠は・・・でも気持ちは分かります。僕もホワイトリー君には『フランクシー様の加護』が宿っていると感じましたし」
「あの・・・そのフランクシー様って誰ですか?」
さっきから出ている人物名が気になって俺が質問する。
「おう、フランクシー様というのは太古のドワーフ族とエルフ族に技術を授けたお方なのだ」
「ドワーフ族とエルフ族に技術?!」
「今では技術種族なんて呼ばれているが最初から技術を持っていた訳ではない。儂らの祖先は精霊から変異してこの世界の生物として住み始めた。だが当初は文明も無く獣と同じような感じだったらしい。当然女神・エイミィ様からヒトとして認知されずに【スキル】を授かる事は無かった」
ヒトとして認知されなかった?そういえば機甲人族も認知されるようになったって言っていたが、何か条件みたいなのがあるのかな?
「そんな時に現れたのはフランクシー様だ。かの方はドワーフ族、エルフ族にモノ作りの知識を与え、文明を築き上げる第一歩を歩ませてくれたのだ。そしてドワーフ族、エルフ族がそれぞれの文明を築き上げた事で女神・エイミィ様から初めてヒトとして認められ【スキル】を授かったそうだ」
そんな歴史があったのか・・・今度エイミィに確認してみるか。
「なのでフランクシー様とは我々ドワーフ族、エルフ族にとっては三大神に匹敵する偉大なお方なのだ」
「なるほどね・・・それで才能のあるワイトに『フランクシー様の加護』が宿っていると言ったのか」
肯定するようにトーマスが頷くと再びワイトを見る。
「儂はこの子の才能をさらに伸ばしたい!頼む!」
今度は俺達に土下座するトーマス・・・テオプア一の鍛冶職人がそんなことしていいのかよ。
「ワイトはどうしたい?」
「僕は・・・もっと色んな武器を見たり勉強したいです。そしていつかトーマスさんが作ったあの装備以上のモノを作りたいです!なのでトーマスさんの所で修行したいです!」
真剣な表情で俺とゾアに言い放つワイト・・・その答えを聞いたらもう決まっている。
「「OK!」」
俺とゾアのサムズアップでワイトは嬉しそうに顔を明るくする。
「あー、盛り上がっているところすまないが良いか?」
才は面目なさそうに話に割り込みトーマスを見る。
「ホワイトリーがトーマスの弟子になる事はいいが・・・その場合テオプアで暮らす事になるな?」
「まあ俺達が住んでいる場所からここまで片道三日だし弟子となるならトーマスさんに預ける形になるかな?」
「儂は構わんぞ、そのつもりで弟子にする予定だったし」
「どれくらいの期間ホワイトリーがここに住むつもりだ?」
「そりゃ儂の技術を教え込むからな。5年以上は考えておる・・・もちろん定期的に里帰りとかはさせるが」
ちゃんとこっちに帰ってきたりと配慮はしてくれているみたいだ。
「そうなるとまずホワイトリーは住民登録の必要がある。まあギルドメンバーに登録しているからその辺はすぐに終わる・・・問題はおたくのプラム・グローブ同様に学校に通ってもらう必要がある。この国の15歳未満は学校に通う法律だからな」
まさかの義務教育制度?
「ちょ!ボウズが学校を卒業するまで何年待たないといけないんだ!すでに職人ギルドにも登録しているしいいだろ!」
「15歳未満のギルドメンバーは基本的に学校が休みの日か学校が終わった後に受けている」
元地球人の俺としては学校に行く事には賛成だ・・・お金の事を知らなかったりワイトには色々と勉強して欲しい気持ちはある。
「コウキ様学校って何ですか?」
学校を知らないワイトは興味津々のご様子。
「学校っていうのは同じ年の子供たちが一緒の場所で勉強する所だよ」
「そうだな。王都の学校では基礎的な読み書きの他に算術、魔術、歴史、社会体験を教えたりしている」
才がどういう事を教えるのかと言うとワイトも興味を持ち始めている。
「学校・・・でも鍛冶師としての修行もあるし」
ついさっき鍛冶職人の修行をすると決めていた訳だし結構悩んでいるようだ。
するとエルクがある提案を出してきた。
「なら師匠も王都に行けば良いんじゃないですか?ホワイトリー君は学校に通って休みの日は修行」
「うむ・・・まあ卒業まで待つよりは良いか。ならその間ここはお前に任せるがいいか?」
「ええ自分の食い扶持はちゃんと稼げますから」
どうやらトーマスも王都に行く事が決定した。
ワイトの事もちゃんと考えてくれているしこの人達は信用できるかな。
「なぁワイト、ゾア・・・この人達には明かしておいても良いんじゃないかな?」
「・・・せやな。それにずっと秘密にしておくわけにはいかないし」
「僕も賛成です」
「ん?どういうことだ?」
確認を取ると二人は付けていた「欺罔の指輪」を外し元の姿を見せた。
「エルフじゃないだと?」
「それにホワイトリー君の肌の色も」
驚いている二人だが追撃の爆弾を投下。
「改めてワイはゾア・・・ダークエルフでダンジョンの守護者の一人や」
「僕は屍人族でゾア様の部下なんです」
「「はぁあああああ?!」」
うん、予想通りの反応だった。
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