68話 旅館料理と鍛冶師からの挑戦状
ミキティ達が運んできた料理はテオプア王国の名産らしく現在は国民食らしい。
「ほぉ!これは美味いな!」
「このような料理があるとは是非とも後で作り方を教えて欲しいです!」
「うーん、味がしみ込んでいる美味しい」
「コウキさん、これメッチャ美味いで!」
とまあダンジョン組の皆も好評を得ていた。
「なんだ光輝、箸が進んでいないようだが口に合わなかったか?」
「いや、美味いよマジで・・・ただ・・・」
俺の目の前にある料理・・・ラーメンだった
「なんで旅館でラーメンなんだよ!」
旅館!浴衣!ラーメン!・・・なにこれ!
あまりの組み合わせで混乱するわ!
しかも塩、味噌、とんこつ、魚介っと種類は様々!小麦が名産なんだし麺料理はあるかなとは思っていたけどここでラーメンとは予想外だろ!
しかもラーメンの開発者はもちろん才である。その他にも、麺類はもちろんパン類やとんかつ、餃子などかなりこの国に伝授したらしい。
『異世界に転生したら料理で無双しました』というタイトルが浮かんだぞ。
「お前、この世界で結構好き勝手やっているんじゃないか?」
「お前に言われたくはない!食事は生活の土台。生活が豊かになるために料理関連には力を入れていただけだ」
そんなこんなでラーメンを食べ腹が満たされた俺達は少し雑談した後、明日に備えて寝る事にした。
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翌日
「では我々はギルドへ向かいます」
「ああ、ウィリアムさんによろしく」
ジョージ、テスラ、マリーはスイと一緒にギルドへ向かった。
仕事の紹介や工房の案内などはウィリアムがしてくれるそうだ。
三人の護衛はボーロックが担当。
そしてワイトは才の案内でテオプア一の鍛冶職人に合う事になった。
俺もその職人に興味があったのでついていく事にしゾアとデューオも同行。
才の案内でたどり着いたのは随分とデカい倉庫みたいな建物だった。
「おーい、エルクいるか?」
才が誰かを呼ぶと見るからに職人ですと表現しているようなつなぎとごっつい手袋をした青年がやって来た。この人がテオプア一の職人?
「あ、グランドマスターお待ちしていました。親方でしたら奥の方で作業しています。そちらの方達が今日見学される?」
「ああ。といっても本命はこの少年だ」
才はそう言ってワイトに目を向ける。
「初めまして。エルク・グローブと申します」
「エルクはギルドののAランク鍛冶職人で時々王都で仕事をしたりしている」
「といっても防具専門ですけどね」
謙遜するエルクだがAランクの鍛冶職人ってメッチャ優秀なんじゃないか?
「この人がテオプア一の鍛冶職人ですか?」
ワイトが興味深くエルクを見ると笑って答えた。
「違いますよ。テオプア一の鍛冶職人って呼ばれているのは師匠のトーマス・ドューリーです。今は工房の奥にいるので案内しますね」
そう言って俺達を工房の奥へ案内していくが、奥に進むにつれ室内の温度が上がっている。
「今は作業中か?なら邪魔じゃないか?」
「いえもう終わっているので大丈夫ですよ・・・師匠!グランドマスターたちをお連れしましたよ」
エルクが奥にいる男性に声をかけるとそこにはずんぐりむっくりで髭を生やし、エルクと同じつなぎと手袋をした男性が座っていた。
「おう、グランドマスター昨日いきなり連絡してくるから何事かと思ったぞ」
「ちょっとお前に合わせたい人がいてな」
才がそう言ってワイトに視線を向ける。
「なるほどな・・・儂はトーマス・ドューリー。見ての通りドワーフ族だ。今はテオプアのギルドっちゅうもんに世話になっている」
やはりというかトーマスと名乗ったドワーフの男性。ドワーフの特徴を全て当てはめたと思いたくなるような外見だ。
「それで?ボウズは何が見たいんだ?」
「全部です!トーマスさんが作った武器やその作り方とか!」
ワイトは子供らしく欲張りな要望をトーマスに突きつける。
「ナハハハ!全部と来たか!まあ仕事は今終えたばかりだからすぐには見せられんが、気に入った特別に儂の自慢の作品を見せてやる」
自慢の作品?
トーマスに導かれるように工房の隣にあるもう一つの倉庫を開けるとそこにはいくつもの武器や鎧が飾られていた。
「これは凄いな」
なんというかRPGゲームの終盤に出てきそうな装備ばかりだ。
なんというかどれも芸術品って感じがする・・・
「なんというか随分と派手ですね。装飾とか凄い」
「そりゃそうだ・・・そいつらは全部貴族や金持ちが目立ちたいやつら用だ。もちろん鎧としての機能はしっかりしているしそこいらのよりは全然使える」
確かに目立ちたがり屋な人は好んで使いそう・・・スゲー黄金の鎧とかあるじゃん!
「これはトーマスさんの本気のモノじゃないって事ですか?」
「そうだな・・・あくまで仕事として作った物や装飾技術を落とさないための練習用とかだな。儂自身が魂込めて作った奴はこいつらだ」
部屋の奥に大事そうに大きな箱に保管されている一式の鎧と剣・・・俺でも見ただけで分かる。煌びやかでも装飾がされている訳でもない、だけど異様な存在感を放っていている。
「【ノーマル】、【レア】、【ユニーク】、【エピック】、【レジェンド】・・・武具には階級が存在する。こいつは【エピック】クラス・・・俺が作った中では上位に入る代物だな。ちなみに手前にある武具はどれもレア止まりだな」
これが【エピック】クラスの装備か。そういえばフロアボス達が使う武器は階級的にどれくらいなんだろう?
「凄い・・・僕こんな武器始めて見た!」
今までにないくらいワイトは目の前の武具に目を輝かせている。
「ホワイトリー君の気持ち僕も分かりますよ。初めて師匠がこれを見せてくれた時僕が目指す物はコレなんだって思ったからね」
ワイトに同感するようにエルクも頷く。職人だからこそ分かる部分があるのだろう。
「言っとくが俺でも簡単には作れんぞ・・・貴重な素材とかかなり使ってやっとできたんだからな」
職人ならではのこだわりの素材ってヤツかな?
「さて儂の作品は見せた。今度はホワイトリー、君の腕を見せてもらえるかな?」
「腕ですか?」
そう言ってワイトは袖をまくる・・・って腕を見せるってそういう意味じゃない!
ワイトのボケに才は笑いを堪えながらフォローした。
「ホワイトリーそうではなく、トーマスはお前の実力を知りたいんだ」
「そうだ・・・工房は自由に使っていい。素材はそうだな・・・あそこの鉄鉱石の山があるだろ?アレを使って良い」
トーマスが指を指した先には大量の意思が積まれている・・・あれ全部鉄鉱石なのか?
「どうだ?やってみるか?」
「分かりました!やってみます!」
テオプア一の鍛冶師のお眼鏡にかなうか。
ワイトは今すぐにでも武器を作りたい気持ちを抑えながら答えたのだった。
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