67話 露天風呂と商品紹介
「まったく光輝には驚かされる・・・こんな人材を持っているとは」
設計図を見ていた才は呆れた様子でこちらを見る・・・才は分かったようだが俺はそういうのは専門外なのでよく分からない。全部コードで出してくれたら分かるけど。
「ゾア以外にも頼もしい仲間は沢山いるよ」
「みたいだな・・・女神エイミィはお前達が守るのであれば女神エイミィの心配する必要は無いな」
そう言って才は立ち上がる。
「少し話し込みすぎたな。風呂に行かないか?」
「お、噂の大浴場か・・・結構楽しみだったんだよな」
話は一旦区切り俺達は大浴場へ向かった。
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「うっほー!こりゃ凄い!」
「こんな大きな風呂初めてです!」
広い岩風呂を見てゾアとワイトは目を輝かせている。
「おーい、風呂に入る前にしっかり体を洗っておけよ」
俺がそう言って注意をするがご丁寧に風呂場にもしっかりと入る前の手順が書かれた看板が置かれていた。
「コウキ様、自分が洗いますね」
「ああ、ありがとう・・・というかお前は入って大丈夫なのか?」
機甲人族であるデューオを見て問いかけるが彼は『問題ありません』と笑顔で答える・・・大丈夫なのか。
「ん?光輝何を使っているんだ?」
才が興味深そうに俺達を見る・・・正確にはデューオが出したシャンプーとリンスにだ。
風呂場には石鹸しかなかったし、できれば使い慣れている方が良いと思って使っていた。ゾア達も普通に使っているがまずかったかな?
「シャンプーとリンスだが、テオプアには無いのか?」
「貴族の女性達は使っているが男が使うものではないという事でこっちにはおいていない。一応俺も持っているが嗅いでみるか?」
そう言って才がモニターを操作して一本の瓶を出現させる。
【収納】系の【スキル】は持っているようだ。
試しに瓶の蓋を開けて匂いを嗅いでみるがなんというか薬品臭い感じで硬化は期待できるが使いたいものではない。俺の反応を見て察したのかすぐに瓶を回収する。
「この世界の貴族たちはそれを使った後に洗って香水で誤魔化すらしい」
「へぇ、才だったらとっくに便利な物を発明していると思っていた」
メッチャ有能みたいだし、異世界人だったら色々と向こうの知識を活かして無双状態をイメージしていた。
「あのな、俺だって作れる物と作れない物はある。こういうものは知らない」
確かに都合よく作れないよな。
「ならこれ使ってみるか?うちで作ったシャンプーとリンス」
髪の健康という事もあり、ミーシャが担当する医療部門ではこういったものも開発していたりする。何かと女性陣からは人気があり技術開発部門に頼んで量産体制に入っている程だ。
「へぇ・・・いい香りだな、ミントにレモン、リンゴもあるのか」
一本ずつ匂いを確認した才は興味深そうに眺めながら鑑定していた。
「効果もテオプアの奴より良いな・・・これは貴族の婦人たちが知ったら大金は対手でも手に入れたがるぞ」
「グランドマスターのお墨付きを貰えたなら誇らしいよ」
「なぁ光輝・・・商人ギルドに登録する気は無いか?」
いきなりの提案に俺はキョトンとしたが才は結構真面目な顔をしている。
「正直、光輝はエイミィ側の人間だしあまり関わってよいか悩んでいるがこれはダンジョンにとっても良い話だと思っている」
「どういう事?」
「簡単に言えば交易をしたい・・・そちらが望む物をこちらで用意する」
「代わりに俺達はダンジョンで作った物をテオプアに売るってこと?」
「そういう事だ・・・無論いきなりの提案だしすぐに決断しなくていい」
才はそう言ってすぐに答えを求めようとはしなかった。
才が言っている事を疑っているつもりは無いし、エイミィも才の事は信用している。
だが流石に俺の一存で済ですぐに答えを出すわけにはいかない。
「少し考えさせてくれ。エイミィや仲間達にもこの事を伝えたい」
「分かった・・・とりあえずこの話はここまで。風呂に入ったら飯にしよう」
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風呂を堪能した後、才達と一緒に部屋で女子達を待っていると随分と満足そうな顔でやって来た。
「はぁ~すごく良い風呂でした」
「あの岩風呂やサウナ・・・ダンジョンで作ってみたいな」
マリーとテスラも浴衣姿だ。どうやらスイとマヤに着方を教えてもらったらしいが・・・
「っちょ!マリーはん、その恰好はアウト!」
ゾアはすぐさまワイトの目を手で隠しマリーを見せないようにする。
そう、今の彼女は浴衣姿・・・しかも胸元が随分と開いており色気がマジでヤバかった。
「あら?すみません、こっちの方が楽だったので」
マリーは悪気もなくそう言って浴衣を整える。
「・・・これはモーランの事責められないんじゃないか?」
「傾国の美とはこういうものなのでしょう」
才とヒスイも目を逸らしていたが男としては当然の反応をしていた。
そしてそんな二人を冷ややかな目でスイとマヤが見る。
これはマズイ・・・とりあえず何か話題を作らないと!
「マリー達は温泉どうだった?」
「とても良かったです・・・広い湯船に浸かるというのもいいですね。貴重な体験でした」
「床や大浴場を囲む雰囲気が一つの芸術でしたね・・・是非ともダンジョンであの空間を作り上げてみたいです」
マリーは素直に感想を述べるがテスラは何か職人スイッチが入ったのか風呂の装飾とかどうやって再現できるかとか語っている。
「あ、あの光輝殿、少しよろしいでしょうか?」
「ん?何でしょう?」
スイはおずおずとした様子で俺に話しかけてきた。
「マリーさん達からシャンプーとリンスを使わせていただきました。大変良い香りで非常に良い物でした」
「うんうん、マヤもたまにお城でメイドさん達にやってもらうけどこっちの方が凄き良かった!」
どうやらマリー達の方でもダンジョン産のシャンプーとリンスを使ったようででスイとマヤにも貸したみたいだ。よく見ると二人の髪の艶が入る前と少し違う。
「あのシャンプーは今後売る予定などありますか?あれを使ってしまったら王都にある香油とか使う気になれず」
「マヤもアレを使いたい!使ったら髪が凄く軽くなった!」
二人の強い要望に圧されそうになり才を見ると『ホレ見ろ』っと目で語って来た。
「えーと、取引とかは一度エイミィ達と相談しないといけないので今すぐ返事はちょっと」
「では可能性はあるのですね!」
二人は期待した眼差しで俺を見る・・・この期待の目はかなり効果的だな。
二人の圧力に圧される俺に助け舟が来たのか扉の方から女将のミキティの声が聞こえた。
「皆様、お食事をお持ちしました」
「ご飯だ!」
食欲の方に傾いたのかマヤはすぐに目の色を変えて扉の方へ向き、皆も食事モードに入っていた。
才や二人の期待の目・・・交易の件前向きに考えておいた方が良いかもな。
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