62話 テンプレ貴族
「とりあえず俺達のギルド登録は済ませたが・・・ワイト達はどうする?このまま職人ギルドの登録をするか?」
料金は発生するが俺は事前にエイミィから大金を渡されているのでワイト達の分を払っても問題は無い。
「でも登録するのにニセンエーヌ?っていうのが必要なんですよね?」
「コウキ様はニセンエーヌというのをご存じですか?」
「え?もしかしてエーヌが何か知らないで聞いていた?」
俺が質問するとデューオ以外全員頷いた。
しまった!俺は料金の事だと分かっていたから受付では話を進めてもらっていたがワイト達は通貨とういう概念を持っていなかったんだった。
デューオは俺と一緒にエイミィから通貨の事を知っていたから話を理解していたけど、失念していた!
「エーヌって言うのはこの国のお金だ」
「お金?」
俺はとりあえず人通りが少ない場所に集めて簡単な通貨の講習をした。
「なるほど、ではそのエーヌで物を買ったり登録するために使うのですね」
「そういう事だ」
おおぉ・・・っと全員が理解したのか俺に拍手してくれるが当たり前すぎて少し恥ずかしい。
「これは早めにダンジョンの住民にもお金の流通知識を身に着けてもらう必要があるな・・・ガウスなら知っていそうだし学校でも建ててみるか」
とりあえずお金の事は問題ないことを伝えた後再度ワイト達に登録するか聞く。
「僕は職人ギルドに登録したいです。そうすればもっと色んな武器とか見れそうですし」
「自分も料理人の資格があれば仕事先の選択が増えますから」
「アタイも受けます」
「あたしは遠慮します」
ワイト、ジョージ、テスラは登録を希望し、マリーは登録しないようだ。
「マリーは受けないのか?」
「あたしは仕事するよりも出来るだけ色んな家具とか見て回ろうと思います」
そう言えばマリーはアイディア探しが目的だから仕事をする必要は無いか。ジョージとテスラは技術向上目指すために受けるがワイトも受けるのか?
「ワイトも武器屋とか見るのでも良いんじゃないのか?」
「仕事やってみたいです」
子供故の好奇心か背伸びしたい感じか・・・でもワイトの年齢でも職人の依頼受けられるのか?メンバー登録は出来たし多分子供でも出来る仕事とかあるんだろうけど。
「それじゃ三人の登録を済ませるか」
「コウキ様・・・三人は自分が同行しますからコウキ様は買取をしてきてはどうでしょう?」
デューオは自分にお任せくださいと言った様子で俺に提案する。商人ギルドの登録がどんなものかは分からないけど、デューオがいれば対処は出来るかな?ゾアだったら不安で仕方ないけど。
「コウキさんなんか失礼な事思っていまへんか?」
「いーやそんなことないよ・・・じゃあ、デューオお願いしていいかな?」
「お任せください」
本当デューオは有能だよな・・・
「それじゃ俺とゾアとボーロックは売って来るよ」
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「申し訳ございませんこちらの品は現在買い取りが出来ないのです」
「ええええ!」
買取コーナーがある商人ギルドの部屋へ向かい、ダンジョンのアイテムを一部取り出したら受付のお姉さんに買取できないと言われてしまった。
「なんでですか?!」
「実はダンジョン関連の買取は全てギルドマスターが担当されているのですが、現在そのギルドマスターが別件で対応中でして・・・」
申し訳なさそうな顔で対応が出来る人がいない事を告げられガックシと肩を下げる俺・・・まあいないなら仕方ないか。
「ちなみにいつなら買取が出来ますか?」
「明後日なら対応できるかと思います」
明後日か・・・異世界人と会うのが明日だし。その次の日でも大丈夫かな?
「分かりましたじゃあ二日後にまた来ます」
仕方なく今日売るのは諦めて職人ギルドへ向かうとワイトが息を切らして俺達の所へ走ってきた。
「コウキ様!大変なんです!」
「ワイト何があった?」
「急いできてください!デューオさんが職人ギルドの部屋で暴れて!」
何?!
俺達が急いで部屋に入るとすでに一悶着起きた後なのかデューオの周りには三人の兵士っぽいが倒されており、彼を警戒するように取り囲む兵士達の姿があった。
「デューオ何があったんだ?」
「あ、コウキ様・・・申し訳ございません。穏便に済ませたかったのですが」
とても穏便に済ませようとした状態ではないな。倒れている兵士達の顔面グーパンの後が残っているが。
「キサマか!この男の主は!」
っと俺とデューオが喋っていると割り込むように騒ぐ一人の小太りの男性。服装はかなり豪華だから結構身分の高い人なんだろうか?
「そうですが、あなたは?」
「私はモーラン・ドーバ男爵!ドーバ商会の会長である!」
随分と偉そうな態度のオッサンだな。
「それでなぜこのような事に?少なくともデューオは理由もなく暴れるような男ではありませんが」
「理由も何も私は新しい愛人を引き取ろうとしたらその男に邪魔されたのだ!」
愛人?
何のことだ?と思うとマリーが答える。
「コウキ様、そのモーランという男がいきなり私を買うとか言い出して。当然ん拒否して断ったのですがそしたら他の男たちが無理やり連れて行こうとして・・・それでデューオさんが」
「だからいくらでも出すと言っただろ!こんな所で仕事を探すより私の愛人になれば素晴らしい生活を送らせてやると言っているんだ!」
なるほど・・・うんデューオは悪くない。俺は視線でデューオに『よくやった』と伝えておく。
というか貴族が権力振りかざすとかどこのテンプレ異世界物語だよ・・・テオプア王国じゃなくてテンプレ王国って呼んだ方が良いんじゃないか?
「だからお断りします!」
「ええい!貴族に逆らうとはこの不届き者が!」
不届き者か・・・なんかこの男はあのルヌプの兵士達と似ているな。人を人と思わない言動とか特に。
「まてよ・・・君、その女性とはどういう関係かね?」
「関係?・・・マリーは俺の部下ですよ」
組織図的に言えば合っているだろう・・・でもここは仲間って呼んだ方が良かったかな?
モーランが俺の言葉を聞くと何か思いついたかのように笑う。
「つまりお前が一番偉いんだな・・・なら取引だ。私が出す条件を飲んでくれれば今回のことは不問にしよう」
不問にしようって本当に何様だよ・・・あ、貴族様か。
「・・・条件とは何ですか?」
俺が聞くと、モーランは俺にしか聞こえないようにささやいた
「マリーを私の正式な奴隷として売ってくれ、言い値で買ってやる」
それを聴いた瞬間、俺の中でリミッターみたいなものが解除される『プツン』という音が聞こえた。目の前は真っ白、考えられたのは俺の中にある戦闘系スキルを全てオンにしたこと。
そして、俺はモーランの顔面を思いっきり殴り飛ばす
何のひねりも無く、モーランという豚野郎は壁を突き抜け、外の壁に見事にめり込んだ状態で気絶した。
俺の腕は真っ青に腫れており、多分骨折している。そういえば、グラムの【肉体強化】もオンにしていたな、アルラにフロアボスのスキルは危険だって言われていたけどこういうことか。
「その腐った口で二度と俺の仲間の名前を口に出すな!この豚が!」
ジェコネソに入って早々、俺はトラブルを引き起こしました。
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