59話 メンバー達の自己紹介
ダンジョンを出たらそこは樹海だった。
何か名言をパクッた気がするがそこはスルー
「以前はエドが飛ばしてくれていたから気付かなかったけど凄く深い森だな」
見渡す限り樹、樹、樹・・・見事な樹海だった。一応近くに誰かいないかは出る前に確認していたからこの辺りに人の気配は無い。
そして俺と同じように外に出たのが二回目のボーロックは前回の全力疾走を思い出したのか少し引きつった顔をしている。
そして俺達以外のメンバーは初めての為かなり興奮した様子で周りを見ていた。
「ゾア様ここがダンジョンの外なんですね」
「ほぇ~、カルラはんやエドワードはんから聞いていたけどこりゃ凄い」
特にゾアとワイトはかなりはしゃいでいる。
「こりゃ方向感覚狂わされそうだな・・・今までの挑戦者達よくここまで来れたな」
「コウキ様、アレを見てください」
デューオが指を指した先には焚火の跡がいくつもあった。おそらく今までの挑戦者たちがこの辺りで野営をしていたのだろう。
「んーダンジョンの周りの整備も少しはした方が良いかな?ただトラブルも起きそうだしそこはエイミィと相談かな」
挑む前に宿泊施設とかあれば結構儲かりそうだが。
そんなことを言いながら俺はモニターを操作して『マップ』という文字をタップした。
「お、エイミィの言うとおりだ。ダンジョンの外だとしっかりこの辺一帯の地図が出た」
モニターには現在地を中心に最大半径5キロまでの地図が表示されており、目的地を設定するとアイコンみたいなマークが表示されて方角を示してくれた。
「これなら、森を抜けられそうだな。・・・えーとジェコネソは・・・思ったよりも近いな」
俺はマップから一アイコンをタップすると行き先までの道のりを示してくれた。しかも、しっかり徒歩何分かも書いてある。
「G○ップかよ・・・便利だからいいけど。」
「〇マップ?って何ですか?」
純粋な瞳で質問してくるワイトだがここはスルーしてもらいたい。
魔法なら時代背景無視で許されるのか? 呆れながらも、人は便利さに抗えないと考え受け入れた
そして俺達一行は目的地へと向かう。
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「とりあえず一旦ここで休憩にするか」
ジェコネソまでまだしばらくかかりそうだし特に急いでいる訳じゃない。
子供のワイトもいるしなるべく細目に休憩を取るのと同時に交流タイムを始める。
「それじゃ改めて自己紹介をしてもらおうか」
「はーい、地下1階層出身、魔人族・夢魔種のマリーです。技術開発部門のインテリア開発を担当していまーす」
最初に元気よく自己紹介をしたのは蝙蝠の翼をつけた美女。夢魔はサキュバスとインキュバスを指す言葉だから彼女は地下1階層にいるサキュバスがヒト型になったという事だ。長袖セーターを着ていて露出は無いが、色気ムンムンな美貌をしている・・・もし彼女に誘惑されたら殆どの男達は堕ちるだろう。
「地下1階の夢魔と言ったら・・・もしかして夢魔5姉弟か!」
思い出した!ミーシャが担当するフロアは悪魔系、スピリット系のモンスターが出る仕様で、その中でユニークモンスター集団としてサキュバスとインキュバスの5人姉弟が出るんだった。
「はい、私が長女で、次女のミリー、長男のムーノ、三女のメリー、四女のモリ―がいます」
「皆技術開発部門なのか?」
「いえ私以外は別の仕事をしています・・・たしかミーシャ様の医療部門で整体の事を学んでいるはずです」
マリー以外はミーシャの所か・・・というか夢魔がマッサージ師って・・・なんかいかがわしい店にならないか?
「できればもう少し薄着で行きたかったんですけどワイト君がいますから」
「あの服はワイトじゃなくても刺激強すぎるんやから自重はしてくれ」
どうやら普段は少し過激な私服を着ているようだが、技術開発部門にはワイトやナギ達など子供もいたりするからゾアから注意されているようだ。
「意外だなゾアはそういう事言わないと思っていたが」
「流石にワイでもそこは注意させてももらいますって・・・初めて会った時なんかワイ以外顔真っ赤にして作業どころやなかったんですし」
いったいどんな服で出勤したんだ?
「私はダンジョン以外の国にある家具とかに興味があって今回同行させてもらいました」
「マリーのセンスはかなりのもんやで・・・生活必需品とか彼女のおかげでめっちゃオシャレになりましたで」
そうなのか・・・まあたしかに住民は増えたしオシャレな家具とか欲しいよな。
「次はアタイですね。10階層出身、魔人族・巨人種のテスラです。グラム様の下で建設の技術を学んでいます!テオプアではどんな建物があるか楽しみです」
次に自己紹介してきたのはかなりたっぱのある女性だ。今は座っているけど立った時は190くらいはありそうだった。10階層の巨人でユニークモンスターというとレディタイタンがいたな。
「建築物か・・・確かに45階層にあるのは大体木造かゾアの謎建物だからな」
「謎建物って・・・あれは【刻印魔法】がちゃんと発動しやすい素材で設計した立派な建築物です」
「研究所エリアにあるゾア様が建築された建物は素晴らしいです・・・ですが・・・」
「ですが?」
「便利さと効率を追求しすぎたせいか、少し見栄えが・・・」
テスラは言いにくそうに伝えてくれるがその意見には俺も同意だ。
「たしかに黒いドーム状の建物が並んでいるだけじゃね」
「え~シンプルな見た目やからこそ、より多くの建物を建てられるんですよ」
「でも全部見た目が同じじゃどこが何の建物か分かりにくいよ」
ゾアの不満そうな顔で意見を言うが実際俺は何度か入る建物を間違えている・・・ゾアにもう少し建物への個性を見出してくれればいいんだが。後居住エリアも現状ログハウス系ばかりだからな・・・もう少し街って感じにしたい気持ちはある。
「ダンジョンにはない建設技術などあれば積極的に勉強したいです!」
「衣食住足りて礼節を知るって言うし、良い家があれば良い暮らしになるはずだから頑張ってくれ」
そう言って俺はテスラを応援し彼女も気合を入れなおしていた。
「次は俺ですね。27階層出身、獣人族・ゴリラ種のジョージです。メリアス様の下で料理を学ばせてもらっています」
「屋台のおじさんだよね。僕おじさんの料理好きだよ」
ワイトはジョージの事を知っていたのか自己紹介するとすぐに反応した。
「おうボウズはよく俺の屋台に来るよな」
ジョージもワイトの事は知っているようでニヤリと笑い返す。
「今回の同行で自分の料理の幅を広げたいと思いまして参加しました」
「料理の幅か・・・確かテオプアは麦の生産が世界一なんだっけ」
エイミィ曰くテオプアは小麦の生産に力を入れているらしい。生産力も随一らしく、輸出で相当国益に貢献しているとか。まあ小麦とか結構便利だからな、パン、麺類、お菓子などもろもろ。ダンジョンでも生産はしているが他国の品質とかは気になるな。
「えーと次は僕ですね。技術開発部門で武器を作っているワイトです。色んな武器が見たくて同行しました」
少し恥ずかしそうに自己紹介をするワイト・・・まあ彼以外は全員大人だし色々と気にしている部分はありそうだ。
「ボウズが作った包丁はいつも使わせてもらっているぞ。あの包丁のおかげで色んな食材がサクサク切れる」
「アタイも木材の加工とかで使っているね。明らかに他の道具と違うせいで上手くなった気分になっちまうよ」
「あたしも彫刻刀とかでインテリアのデザインに使っているわよ・・・凄く便利。ありがとうね」
他の同行組はすでにワイトの作品を利用しているようでかなり重宝されているみたいだ。それを聞いたワイトは照れくさそうなしぐさをしている。
技術力のレベルで言えばワイトは大人顔負けだが精神はまだ子供だ。これからどう成長していくのか楽しみだ。
そして次にデューオとボーロックの自己紹介をし・・・
「そんじゃ今度はワイらの番やな。ワイは地下22階層のフロアボス!虚無の皇帝。ゾアや!よろしゅうな!」
『存じています』
ゾアの自己紹介に全員がハモり交流会はかなり盛り上がった。
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