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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました  作者: 緑葉
第3章 ルヌプ侵攻編
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50話 救助作戦成功の宴

邪神ザズムフが消滅した後、俺達は一度河原の拠点に戻った。


「コウキ様!ご無事ですか?!何やら空に巨大な渦が現れたと思ったら急に晴れて!」


拠点で待機していたランカが心配した様子で駆け寄ってきた。

どうやら河原からでもあの場所の様子が少し見えていたようだ。


「俺は大丈夫だけどグンナル達が・・・」


俺の後ろでエドに運ばれているグンナル達を見る・・・外傷などはエドが治してくれたが未だ目覚めていない。


「部屋は開けてありますのでそこを使ってください。それとこちらに来た亜人の方達ですが」

「そう言えばエドが集落にいた人全員こっちに連れてきたんだよな」

「はい、そうなのですが・・・」


ランカがそう言って亜人達がいるはずの宿泊施設に目を向けると何故か亜人達が興味深そうに観察していた。


「凄い・・・空間魔法にこのような使い方があったとは」

「空間魔法だけでなく、施設全体に【縮小】、【巨大化】をうまく利用してコンパクトにしている・・・これなら家を軽々と持ち運びができる」

「いや、発想が出来てもそれを可能にする技術が異常すぎるぞこれは!」

「中にある寝具も凄いぞ!【精神安定】に【疲労回復】が付与されている!」


などなど、亜人達の考察議論が交わされていた。


「もう、色々と聞かれて大変でしたよ!私、調理道具以外の魔法具の知識全然ないのに!」


亜人達の質問攻めにあったようでランカは随分と疲れている様子。

そんな様子を見ていたガウスは言うと!


「君達!恩人たちの前で何をしているのです!」


ガウスの一喝で亜人達は跳ね上がるように身体を動かし全員の視線がこちらに向く。

温厚な性格だと思っていたガウスの大きな声にこっちもビックリした。

意外と怒ると怖いタイプかも。


「長!無事だったのですか!」

「無事だが・・・お前達さっきまで自分達が置かれていた状況を理解しているのですか?」

「い、いや・・・こんな魔法具見たのが初めてで・・・つい」

「ついではありません!私達が大変な目にあっていたというのにあなた達は探求心に負けてなんと情けない!いいですか!そもそもあなた達は!」


っと、ガウスがクドクドと先に避難していた亜人達を説教し始めた。


「ああ、出ちゃった長の説教モード」

「長の説教は長いからね・・・あの怒りだと止めない限り半日は続きそう」

「エルフの血が入っているせいで時間の感覚がおかしいからね」


っと、俺達は助けた亜人組はそんな事を呟いていた。


「ランカ、そういえばナミは?」

「彼女でしたら弟のナギ君の看病しています。結構衰弱していたみたいで、こっちに着た瞬間、緊張の糸が切れたみたいで今部屋で寝ています」


そうか・・・ナギも無事だったのは良かった。


「いいですか!私達は精霊様のおかげで生きてこれたのです!だから・・・」


ガウスの説教はまだ続きそうだし俺達はこっそりグンナル達を施設へ連れて部屋で休ませる。


連れてきた亜人達も疲れている様子なので部屋を案内して休んでもらう。ガウスの説教を見たおかげか施設の中を見てハイテンションで捜索するような真似はせず言われるがままに部屋にあるベッドで休んでもらった。


「あ!コウキさん、エドワードさん!」


ロビーで一息ついていた時丁度部屋から出てきたナミがやって来た。


「ナミ・・・ナギの様子はどうだった?」

「随分と疲れていたみたいで今はぐっすり寝ています」

「そうか・・・良かったな」

「はい!皆さん、本当にありがとうございます!」


ナミは深々と頭を下げてお礼を述べた。

小さい子供なのにしっかりしている。


「あの・・・そろそろ止めた方が良いのではないでしょうか?」


流石にノバも少し気の毒に思えてきたのか外の様子をチラチラと見ている。


そして俺とエドでガウスの怒りを鎮め説教タイムが終了した後、ランカが数名の亜人を連れて厨房へ向かった。


「コウキ殿、エドワード殿・・・この度は我々亜人だけでなく精霊様も救っていただきありがとうございます」

「無事に救助出来て良かったですよ。だたルヌプがまたやって来る可能性は捨てきれません」

「そうですね。集落の場所や兵器の情報も伝わっているはずです」


軍事国家らしいし新しい兵器を簡単には諦めないだろうな。


「今後はどうする予定ですか?」


亜人について知られている以上また攻めてくる可能性はある。


「集落の皆と相談して新天地を探そうと思います」


ガウス曰く、彼はこれまでも色んな場所を旅しており、その途中で捨てられたり追い出された亜人達を引き取って集落に連れていたらしい。ナギとナミも亜人という理由で捨てられた子供だそうだ。


「ならダンジョンで暮らしますか?」

「いいのですか?」


俺の提案にガウスは救いの手を見たかのような表情をしていた。


「ダンジョンにはすでに仮住宅とか立てているし、人手が増えるのはこちらとしては助かる・・・特にうちの技術マニアが人材募集していますし。もちろんエイミィに何かしようと考えているなら問答無用で追い出しますが」

「エイミィ様に逆らうような事は絶対にありえません!」


ガウスは首が引きちぎれるのではないかと思うくらい勢いよく首を横に振った。


「エドもいいよな?」

「御心のままに」


エドはすました顔で言ったつまりだろうが口元が少し上がっているのが見えた。


「まあエイミィは俺から説得するよ・・・ガウス達は皆に伝えて引っ越しの準備が出来るようにしてくれないか?」

「はい!皆きっと喜びます!」


ガウスは今にも泣きそうな顔で頭を下げお礼を何度も述べた。


そしてしばらくしてランカ達が大量の料理を運び宴状態になった。

施設で寝ていたグンナル達や亜人達も匂いで目が覚めたのか大量の料理に釘付けだった。


「それじゃ!精霊と亜人の救助成功を祝して乾杯!」

『乾杯!』


亜人達は歓喜しながら料理を頬張り食事を楽しみ、俺やエド達に色々と料理を勧めてきた。殆どが集落の伝統料理らしくランカも勉強が出来て有意義な時間だったと満足げだった。


亜人達の料理は鍋物が多く色んな具材の出汁をとった料理がメインだった。ハーブを使って臭みを消した魚料理や豚肉をロールキャベツみたいに野菜で包んで焼いたものなどかなり美味しかった。


「ほら、ジョーあなたも食べてみてください」

「はぁ?ヒトの料理とかマジで言っているのか?」


すっかり料理の虜になったノバは様々な料理をジョーに勧めていた。

ジョーも食事というのが初めてらしくノバの勧めでも抵抗感があった。


が、その光景を見ていたナギが一皿の肉料理を持ってジョーに渡した。


「ジョー様、召し上がってください」

「っぐ!分かった!食えばいいんだろ食えば!まあノバも食っているし特におかしい事はないだろうが」


ナギの真直ぐな目にジョーがあっさり根負けし、ナギが渡す皿を手に取り大きな口で肉にかじりつく。


「っは?・・・なんだコレ?これが味?ってか味覚あったのか俺達?」


驚いたジョーはすぐさまさらに乗せられていた肉を平らげ近くに置かれている他の料理も食べ始める。


「やべぇ!なんだこの幸福感?魔力じゃないのにすげぇ満たされていく感じだ!」

「コレが食事です・・・私も最初は驚きましたよ」

「だな・・・チビ共!出てこい!」


ジョーが手をかざすと、手の平から次々と光の球が出現してそれぞれが生き物の形を作っていく。


「あれが捕まっていた下位精霊達?」


精霊達が元気よく空を移動する光景を見ていた亜人達は涙を流しながらその光景を見ており、中には謝罪している者もいた。


そして精霊達がジョーの下に集まるとジョーが差し出した料理を食べ始める。


「まさか精霊様が我々と同じく食事をするとは・・・精霊様は魔力だけしか好まないとばかり」

「おーい、急いで精霊様達の分も作ってくれ!」


その光景に亜人達も驚いており、彼らの常識が崩れていく音が聞こえた。


様々な驚きが起こりつつも宴はさらに盛り上がり気がついた頃には殆どの者が爆睡していた。


「まさかこんな気分を味わう日が来るとはな」

「世界は今大きく変わろうとしているのでしょう・・・今回の件で身をもって実感しました」

「そうだな、精霊界も色々と変わっていかないといけないな」


二人の上位精霊はその光景を見ながら未来を見ていた。

そんな二人の会話に水を差すようにエドワードが会話に割り込んできた。


「ノバちょっといいか?」

「エドワード殿・・・どうかされましたか?」

「救助作戦は成功した。お前と我の契約の解除の話をしたくてな」

「そう言えばそうでしたね・・・少々名残惜しいですが契約の解除を・・・っは!」

「おいおい、マジかよ!」

「なんだこの魔力は?」


ノバ、ジョー、エドは急にやって来た魔力の反応に一斉に空を見上げる。

そしてそれに続くようにグンナル達も警戒態勢で空を見上げた。


「エド、どうした?」

「コウキ様・・・とてつもない魔力を持った者がやって来ます・・・あの邪神とは比較にならない程の!」


ちょ!それマズくないか?

エドもかなり緊張した様子で警戒モード全開だった。


だがそんな緊張した空気を打ち砕くように女性の声が響く。


「見つけましたわ!勇者様!」


空からダイビングしてくる女性・・・夜なのに神々しく輝く身体のおかげではっきりと姿を捕らえることが出来た。


「「せ、精霊帝?!」」


ノバとジョーの一言に俺達は耳を疑った?


『はぁあああああ?!』

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