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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました  作者: 緑葉
第3章 ルヌプ侵攻編
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43話 上位精霊初の料理

「では、改めて紹介します。彼女はナミ、私と同じ集落で暮らしていた獣人と有鱗族の亜人です」


ガウスに紹介されるナミ。耳の位置は人間と同じであるが獣のようなふさふさな獣耳に首にうっすらと青緑色の鱗が見える。2種類のヒト族の特徴を持つのはこういう事なのかとよく分かる。ガウスの場合、外見が若く耳が異様に長いうさ耳男性って感じだから分かりづらい。イングリッシュロップの獣人と言っても信じそう。


「ナミです!助けていただきありがとうございます!」

「ナミは以前話した少年、ナギの双子の姉なのです・・・彼女もまた優秀で魔法具の知識を持っています」

「ナギと比較されたら全然・・・あたしはナギが作った魔法具の実験に付き合っているだけだし」


ナミは謙遜しているがまだ10才ぐらいの子供で魔法具の知識を持っているのか・・・もしかして集落ってかなり教育が進んでいる?子供にパソコンの扱い方を学ばせるみたいな。


「それでナミ・・・何故あなたがルヌプ兵に追われていたのですか?」

「食料調達のために駆り出されていたんだけど、ルヌプ兵の目を盗んで逃げられそうだと思って脱走したんだけどバレて・・・必死に走ったけど捕まりそうになって・・・そしたらノバ様に助けてもらったの」

「そうだったのですか・・・ナミが無事でよかったです。ところで集落の皆は無事ですか?」

「無事って訳じゃないけど皆まだ生きているよ」


ナミの報告に俺達は安堵した。とりあえず集落の人達は殺されていないようだ。だがナミの顔色は暗くなる・・・『まだ』という事はこれからは危ないという事か。


「ナギが言ってた。近いうちに上位精霊様を使った実験をするかもって」


その言葉に真っ先に反応したのはノバだった。


「上位精霊というのは火の上位精霊であるジョーの事ですか?」

「はい・・・ジョー様は今集落の洞窟の封印具に閉じ込められています。それに私達が契約していた精霊さん達もそこに集められて・・・」


それを聞いたノバは真直ぐ外に出ようとするがエドに止められる。


「どいてくださいエドワード殿!私は一刻も早く同胞を助けなければならないのです!」

「精霊は助ける、だがお前一人出たところで捕まった者達に危険が出る可能性がある・・・第一お前は今ここに来たばかりだろ、少しは休め」

「こうしている間にも同胞が苦しんでいるのかもしれないのですよ!」

「ならなおの事休むのだな・・・ルヌプ兵との戦闘で魔力を大きく消耗したはずだ」

「っぐ!」


エドワードの指摘にノバは何も言えずに固まってしまった。今すぐに行きたい気持ちは分かる・・・だが、まだ情報が足りないし作戦を練る必要がある。


「はいはい、なんか重い空気になっていますけどとりあえず飯にしようか!」


そしてタイミングよくやって来たのは手、肘、尻尾、頭に料理の皿を乗せたランカだった。そういえばずっと厨房で料理していたんだったよな。


「そうだなとりあえずまずは食事にしよう・・・腹が減っては戦は出来ぬだ」


俺がそう言うとノバ以外が頷き食事タイムとなった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「うまぁ!ランカこれ美味しいよ!」

「もぐもぐもぐ!」


ランカの料理は何というかインパクトのあるボリューム満点と表現したくなる料理だった。シュラスコのように焼いた肉の塊を串刺しにしたものや、濃厚なシチューとパン、魚を使ったグラタンに山盛りサラダ、あとフルーツ盛り合わせなど・・・どこかのゲームに出てきそうな料理だ。


まあそんなインパクトのある料理に真っ先に食いついたのはナミだった。子供にとってこういう料理は相当好奇心を掴むものだったらしい。料理を食べ始めると無言で料理をがっついていた。


他の皆も高評価みたいで美味しそうに食べていた。


「まさかこれほど豪華な料理を食べられるとは」

「メリアス様に色々と教えてもらいましたから。今回は『カルラスペシャルメニュー』で出させていただきました」

「ああ・・・確かにカルラの好きそうなメニューだ」


俺達は楽しそうに食事をしている中、全く手を付けていない人物が一人。


「・・・」

「ノバ、まだ集落にいる精霊達の事を考えているのか?」

「あ、すみません・・・ただ食事というものをこれまでした事が無かったのでどうしたらいいかと思って」


ノバの爆弾発言に俺達は一瞬思考がフリーズした。


「え?食事したことが無いの?今まで一度も?!」

「はい。精霊は魔力さえ吸収すれば生きていけますから」


意外な事実にビックリしたが、ふと俺はある事を思い出す。


「あれ?でも下級精霊達は終えがあげたクッキーを喜んで食べていたぞ」

「そんなはずありません・・・精霊にとって純粋な魔力こそ至高なごちそうです」


ああ、そう言えばノバも下級精霊達が世界樹の近くにいるべきみたいなこと言っていたな。


「それじゃ、試しに食べてみたら?このシチューとか凄く美味しいよ」


俺はノバの前に置かれているシチューに指を指して勧める。


「ですが私に食事の必要は『ずべこべ言わずに食いやがれ!』・・・むぐ!」


ああ、料理人であるランカの逆鱗に触れたのか、シチューをすくったスプーンを無理やり口に運んだ。


「な!何ですかコレは?!口の中から至福な感じが!それに魔力が回復している?」


そうとう衝撃だったのかノバはスープが入った器を手に取り身体を震わせていた。


「ああ、それは多分メリアスの畑で取れた野菜で作ったからじゃないかな?なんか色々と品種改良(魔改造)していたみたいだし」


メリアスに畑で栽培している野菜はもはやブラックボックス状態である・・・今の所判明しているのは現在栽培している野菜は体力回復効果など栄養価が非常に高い品種を栽培しているという事。その野菜で作った料理なので魔力が回復できたのだろう。


「美味しい!これが味覚というものですか!」


そんな感想を述べながらノバは俺以上の量の料理を平らげてしまった。


「はぁ、実に素晴らしい料理でした」


満足そうに椅子に寄り掛かるノバを見てランカは満足そうであった。


「しかし意外だね今まで食事をしたことがないなんて」

「先ほども言ったように精霊は魔力があれば生きられますから・・・姿はヒトと同じですが全く異なる生物ですからね。胃袋などの消化機能は持っていないのですから」


そう言えば精霊って意思を持つ魔力の塊なんだった。人の姿をしてるからすっかり忘れてた。エネルギーの補給という意味で言うと機甲人族に近いのかな?


「さて食事が終わった所で明日について話し合いをしたい」


食後のぼのぼのムードからエドワードの言葉に全員の緊張感が走る。


「明日我々は集落に向かうが、場合によってはルヌプとの戦闘になる可能性がある。可能な限り万全な状態で臨みたい」


エドワードの言葉に俺達は頷く。


「そこで提案なのだがノバ・・・我と契約しないか?」

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