42話 亜人の少女
合流してきたノバの腕には亜人の少女が抱きかかえられた。
「もしもしポリスメン?少女誘拐犯がやってきましたが」
「っちょ!何か誤解しているようですが違いますから!ポリスメンが誰か知りませんが!」
思わず地球ネタをかました俺に対しノバは慌てて弁解してきた。
「冗談だって・・・その子はどうしたの?」
「はぁ・・・要件を終えた後、エドワード殿の魔力を感知しながらここへ来る途中、ルヌプ兵に追われているこの子を見つけまして助けました・・・何か情報を得られるかと思いまして」
ノバはそう言って説明する。亜人の少女は今は疲れ切っているのか熟睡していた。
「まあ事情は理解したが・・・」
俺が少女を見ると見覚えのある首輪をしていた。ダンジョンでガウス達が身に付けられていた爆弾首輪だった。
「エド・・・解除できるか?」
「はい【強奪】」
エドが手を伸ばすと彼女が付けていた首輪はすぐにエドの手元に移り回収した。
「とりあえずこれで安心かな?・・中に入ってその子をベッドに寝かせよう」
「ベッド?」
そう言ってノバを中へ案内すると、案の定中の広さに驚き何度も首だけ外にだしたりして確認していた。
「えー、なんかウチのとんでも開発部門が開発した物らしく・・・まあ馴れてくれ」
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その後少女を空いている一室で寝かせた後、俺、エド、ノバはロビー(?)で情報共有をした。
「それじゃダンジョンから帰還途中のルヌプ兵は全滅させたんだな」
「はい、その後こちらへ向かう途中あの少女がルヌプ兵に追われているのを発見し救助しました」
「ルヌプに追われていたって事は集落の住民かもしれないな。ガウスさんに後で確認しようか」
「そうですね、あとボーロックが回復したら辺りの調査をさせます」
それからしばらくし、真っ先に部屋から出てきたのはランカだった。比較的体力に余裕があったため他のメンバーより回復は早かった。
「ランカ休めたか?」
「はい予想以上に快適に休めました」
「【疲労回復】、【精神安定】の効果が付与されている寝具だ・・・回復は早いだろう」
「すぐに料理を準備しますね」
ランカはそう言って外に出て料理の支度をしようとするが・・・
「待てランカ、厨房なら奥の部屋にあるぞ」
「「はい?」」
エドの言葉にランカと俺がポカンとしたが、言われと通りに奥の部屋へ行くと立派な厨房が用意されていた・・・小さなレストランの厨房くらいのスペースはあるぞ。しかもコンロ、オーブン、ミキサーに料理に関わる調理道具一式は揃っている。
「メリアスから料理に必要な道具を聞いたら一式用意してもらった」
「ははは、コウキ様野営とは何でしょう?」
「ランカ、コレは野営とは呼ばない」
乾いた笑いをしながらもランカはすぐに料理に集中し、事前に用意していた食材で料理を開始する。
邪魔にならないよう俺達はすぐ厨房から出ていくとグンナル達も部屋から出てきていた。
「体力は十分か?」
「はい、問題ありません。すぐにでも警備に入れます」
「今ランカが食事を作っている。警備は食事をとってからで問題ない」
「ですがそれだとエドワード様が結界をかけ続ける事になりますが?」
「気にするな・・・この程度の結界。我にとっては呼吸するようなもの」
エドはそう言ってグンナル達をロビーで待機させ、ノバと話していた内藤を伝えた。
「なるほど、では今その亜人の少女が休まれている訳ですね」
「そうだ・・・彼女もこの首輪を身に着けていたのだが少し気になる事がある」
エドはそう言って少女から回収した首輪を全員に見せる。
「この首輪なのだがよく確認すると起爆しない仕組みになっている」
「つまり偽物ってこと?」
「厳密には爆破の【刻印魔法】が《《解除》》されている状態です」
どういうことだ?解除済みの首輪をわざわざ身に着けていたって事?
「まあその亜人の少女に聞けば分かる事・・・なので聞いてもよいかな?」
エドがそう言って振り向くとそこには先ほどまで話題になっていた亜人の少女が立っていた。
「エドお前の後頭部には目が付いているのか?」
「我の心眼にかかればどこにいようと見透かせる」
つまり魔力感知って事な。お前にそんなスキルが無いのは知っている。
というかカッコつけようとするな、俺が恥ずかしくなる。
「あ、あの!あなた達は誰ですか?!ここはどこですか?あたしルヌプの兵士に追われてそしたら空から男の人が助けてくれてそのまま寝ちゃって・・・気が付いたら凄くふかふかなお布団にいて!」
混乱する少女にたいしてエドワードはゆっくりと頭を撫でた。
「落ち着くのだ。お前を助けたのは水の上位精霊のノバだ」
エドがそう言って視線をノバに向けると彼は軽く手を振った。
「それとここは河川に作られた野営地だ」
「嘘だ!ここは野営地なわけがない!」
少女の反論にエド以外の皆が頷いた。
「そして我々だが『ナミなのか?』・・・どうやら我よりも話が聞きやすい人物が目覚めたようだな」
少女が声がする方へ目を向けるとそこには起きたばかりのガウスがやってきていた。
「長なの?・・・でもダンジョンに連れていかれたはずじゃ?」
「助けてくれたのだこのエドワード殿に」
少女は今にも泣きそうな顔を堪えつつガウスに抱き着いた。
「生きてて良かった!あたしもナギも心配していたんだから!」
「心配をかけてすまないな・・・しかし何故ナミがここに?」
あ、これはガウスにもまた一から説明しないといけないパターンだな。
その後ナミという少女を落ち着かせつつ俺達は再び話し合いを再開するのであった。
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