24話 テイムスキルIII
「これは思った以上に凄いな」
グンナルの対応が一段落した後、俺は自分の部屋に戻り昇格した【テイムスキル】の内容を確認していた。
【テイムスキルIII】
・モンスターの好みの食べ物が分かる
・テイムしたモンスターの言葉が翻訳される
・テイムしたモンスターを半径20m以内に召喚できる
・テイムしたモンスターのステータスが条件を満たした場合、上位種へ進化できる
と簡単に纏めるとこんな感じである
正直2番目の能力はありがたい。始めて会った時は「ぎゃあぎゃあ」や「うがうが」と何か伝えているのは分かるが理解できなかった。グンナル達は元ダンジョンモンスターだったこともあり、モンスター達の言葉は理解できていたみたいだから翻訳してもらおうかと思っていたがこれがあれば大丈夫そうだ。
1番の能力も今後差し入れする時に役立ちそうだ。まあぶっちゃけ肉が物凄く喜んでいたからアレが好みの食べ物で間違いないんだろうけど。
「あとはテイムモンスターの召喚と上位種への進化か・・・ふむ」
俺はモニターを出すと確かに以前は無かった『召喚』の文字が表示されていた。俺は召喚の文字をタップすると視界が少し薄暗くなり、代わりに魔法陣らしきものが見えた。なんというかARゲームみたいで視線を変えても目の前に魔法陣が出ている。おそらくあの場所にモンスターが召喚されるのだろう。
俺はすぐに1匹のスライムを選択するとすぐに視界は戻り、魔法陣が浮かんでいた場所にスライムが出現した。当のスライムは何が起きたのか理解できていない様子でクルクルと床を転がっていた。
「ハハハ、脅かしてごめんな。ちょっと新しいスキルを試させてもらった・・・ほらおやつをあげるから落ち着いて」
俺はスライムのおやつ用のリンゴを渡すとスライムは嬉しそうにリンゴを吸収して消化した。するとモニターに新たなメッセージが表示された。
『スライムは以下の上位種へ進化できます』
・ビッグスライム
・アロマスライム
・アルケミストスライム
もしかして、これが『上位種への進化』なのか?アロマスライムやアルケミストスライムとかあるけどこれって、食べさせていたのが果物系が多かったり、【調合スキル】を持っているのが原因なのかな?
「正直進化させたい気持ちはあるけどここは我慢だ。エイミィとかに聞けば色々と教えてくれそうだし」
とりあえずスライムの進化は一旦保留にしよう。そう考えていると丁度デューオが部屋にやって来た。
「コウキ様今よろしいでしょうか?」
「デューオか、どうした?」
「はいフロアボスの皆様に確認してもらったダンジョンモンスター達の情報を纏めましたのでその資料を持ってきました」
デューオの手にはやや分厚い紙束があり、フロアボスたちの仕事が早いなと感心した。
「ありがとう・・・って、マジかよ」
俺は早速資料に書かれているモンスター達の名前を確認すると深い溜息を吐きたくなった。
「どうかされましたか?」
「魂が宿ったかもしれないダンジョンモンスター達なんだがどれもユニークモンスターやレアモンスターばかりでな・・・しかもグンナルみたいにリーダー格になってダンジョンモンスター達を統率し始めている」
正直グンナルみたいな相手だったらいいんだけど必ずしもそうとは限らないからな。早めに対応するのがベストなんだけど。
「あの、そのダンジョンモンスター達についてなのですがすでにフロアボスの方々が対応していまして全員コウキ様の配下になりたいと申しているそうです」
ガクッ!
「え?・・・マジ?」
「マジです・・・それで是非ともコウキ様に謁見をしたいと申しています。中にはフロアボスに舐めてかかったのもいたそうですが全員フロアボス様たちが屈服させましたのでご安心ください」
デューオは淡々と説明してくれるが、俺のさっきまでの不安は何だったのだろう。というかやっぱりそういうやつらはいたのね。
しかし謁見か・・・場所は会議室だと謁見というよりも面接になるよな。部屋も十数人が入れるくらいしかないし。雰囲気的には44階層の玉座なんだけどあそこはあまり他人を入れる場所じゃないから止めておこう。
それに、ダンジョンの住民をどこに住まわすかも問題になってくる。それに謁見となるとかなり時間がかかる、数日に分けるのも手だがダンジョン運営の仕事もあるし・・・・
「はぁ、もういっそ全員纏めて謁見出来たらいいんだけどな」
「なら、その場所を作ればいいのでは?」
俺がそんな事を呟いているといつの間にか横にエイミィが立っていた。デューオがいるため女神モードでいるがこの女神っぷりもだいぶ慣れてきた。
「エイミィ、入ってくるなら先に連絡を入れてくれ」
「あら、では今度から気をつけるわね。デューオしばらく二人で話をさせてくれないかしら」
「かしこまりました、何かありましたら自分かユノに連絡をください」
デューオはそう言って部屋から出ると次の瞬間、仮面がポロっと取れたかのようにエイミィは悪戯っぽい顔をしていた。
この豹変っぷりにも慣れてきたな。
「それで作るって何をだ?」
「もちろん新しいフロアよ。セフィロト・・・じゃなくてアルラ曰く100近くの魂がダンジョンモンスターに宿ったそうじゃない。ならいっそのことまとめる場所を作っちゃうのよ!」
「ふむ、新しいフロアか・・・」
エイミィにしては良いアイディアだと思った。
「それとメリアスのフロアの畑がかなり増えてきて戦う場所としてどうなのって思っていたからそこに移すはのどうかな」
そういえば最近メリアスが色んな作物を作っては食卓に出していた。あれだけ作っているんだから農場もかなり拡張しているはずだ。
ダンジョンのラスボスのステージに畑があるのは正直おかしい。
「そうだないっそのことゾアやミーシャの研究所とかもここに移すか」
「いいわね、じゃあ川や山とか作って・・・」
俺とエイミィはそれぞれアイディアを出しながら地下45階層の構造を作っていき、それから数時間が経過したころ・・・
「なぁ・・・コレちょっとデカすぎないか?」
「そう?今ダンジョンにある魔力を考えて結構節約したつもりだけど。それに広いに越したことはないでしょ?」
完成した時には45階層の広さは半径20キロの円形型となっており、海に浮かぶ大きな島の設計になった。島の大きさもかなり大きく、中央にはシンボルとなる巨大な大樹が植えられている。これはメリアスのフロアにある大樹と同じものだ。
「今はこれでいいだろうダンジョンの運営がさらに軌道に乗ればもっと広げればいいし」
「まあ後は皆が気に入るかどうかだな」
俺はそう言ってダンジョンに新たな階層を作ったのだった。
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