23話 テイム再び
「おら!お前ら自分たちの寝床なんだからしっかりと働けよな!」
「「「ぐぎゃ!」」」
ダンジョン5階層にできた広い空間にゴブリン、オーク、コボルトなど様々なダンジョンモンスター達がせっせと木材や石材を運んだりしていた。
「リム、寝床の方はどうだ?」
「おう、バルト!体力はある奴らだからな道具さえあれば今日中には全員分の確保は出来そうだ」
ダンジョンモンスター達に指示を出している赤髪ツインテールの少女は青髪の渋めの男に元気よく返事をした。
元レッドオーガのリムと元ブルーオーガのバルト、二人は光輝に名前を与えられ女神エイミィの加護によって人化したのだ。現在は妖人族・鬼種としてダンジョンモンスター達の生活スペース作成の指揮を執っていた。
なお、名前の由来は『クリムゾンレッド』と『コバルトブルー』から取ったものである。
「食料はメリアス様の畑から貰っているから問題ないし、道具とかはゾア様が用意してくれた・・・いや~食料はダンジョンに生えているキノコ生活かと思っていたが、予想以上の好条件で生活できそうだな」
「ああ、正直好条件すぎて怖いくらいだが」
「そこはまあ、アニキが上手くやってくれるさ」
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会議室
「空間はこれくらいあれば問題ないかな」
「はい、今後増える可能性を考えてもこれくらいあれば十分です。メリアス様から食料をいただきましたが、今後作物はここで育てていこうと思います」
俺は5階層の全体マップを表示させ、グンナルに見せながら打ち合わせをしていた。
エイミィの加護を得たことで現在は妖人族・鬼種へとなりオーガ侍だったころと比べて姿がさらに人っぽくなった気がする。
エイミィ曰く人化したことで容姿が生前に近い姿になっているそうだ。
「それで今後ダンジョンモンスター達についてだが、今後も挑戦者たちに戦いはしてもらうつもりだ」
「ええ、ダンジョンがエイミィ様を守るための物と知ったからにはやってくる者は敵ですし、あいつらも戦う理由があれば戦いやすいでしょう。今後戦利品はコウキ様に献上する形でいいですね?」
「ああ、武具とか色々と調べてみたいからね」
ゴブリンたちが集めた武具とかは今ゾア達が集めて検品している。武具の性能とかで相手の国の実力を測るためだ。主にワイトはかなり目を輝かせて武器を見ていたな。あれは色々と真似して作りそうだ。
「殆どの5階層のダンジョンモンスターは集まったみたいですが、他の階層のダンジョンモンスターは集めるのですか?」
「そのことについてはまだ保留中かな。聞いた限りだとグンナル達以外にもあと90人以上はいるみたいだし」
「俺のように記憶が無いダンジョンモンスターがそんなにいるのですか?」
アルラ曰く100体近くのダンジョンモンスターが魂を宿したみたいだし、できればグンナルみたいに味方になってくれればいいんだが。それにこの世界には前世の記憶を持ったまま生まれる転生者も存在している。ダンジョンモンスターにも前世の記憶を持ったまま誕生している可能性はある。
『転生したら〇〇だった件』みたいな展開になっているだろうが。
「そういえば、グンナル達は5階層で生活する予定なのか?」
「ええ、あいつらの近くでいた方が都合がいいですし」
「なら、5階層に行ってみるか。実際どうなっているか気になるし」
そう言って俺たちは5階層へ移動した
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ダンジョンモンスター達が生活するスペースは俺が構造を弄って迷路には繋がっていない場所に作ってある。広さはざっとビッグサイト2ホール分で、現在約100体のダンジョンモンスター達がここに集まっている。
「あ、アニキ!コウキ様!いらっしゃい!」
俺たちに気付いたリムは元気よく手を振りながらこっちにやって来た。始めは女性だと気づかないくらい筋肉質な赤肌オーガだったのに今では間違いなく美女と言える女性へと変貌した。口調はやや男勝りなところはあるが。
「お前ら!我らの主が来たぞ整列!」
リムの掛け声と共に生活スペースにいたダンジョンモンスター達はすぐさま俺たちの前で跪いた。
「コウキ様、我々に居場所を与えていただき誠に感謝します」
そしてお礼を述べたのは壮年の青髪の男性であるバルトだ。こっちは厳つさと渋さが増して人形映画とかに出てきそうな感じだ。
「構わないさ、これからもよろしく頼む」
「ぐぎゃぐぎゃ!」
「うがうが!」
ゴブリンたちも「よろしく」と言っている様子で元気よく騒いでいた。バルトやリムたちの対応を見て俺が一番偉いと認識しているようだ。そう思っていると突然モニターが出現してメッセージが表示された。
『ゴブリン40体のテイムに成功しました、コボルト15体のテイムに成功しました、オーク20体のテイムに成功しました、ケイブバット10体のテイムに成功しました、ケイブリザード8体のテイムに成功しました、オーガ5体のテイムに成功しました、【テイムスキルII】が【テイムスキルIII】に昇格しました』
なんじゃこりゃ、もしかして今のでテイム成功したのか?
「コウキ様、どうかされましたか?」
「いや何でもない、そうだこれは俺からの餞別だ。皆で食べてくれ」
俺はそう言って、モニターを操作してビッグボアの肉塊を10個ほど出した。それを見たダンジョンモンスター達は当然喜び騒ぐのであった。
今後は細目にダンジョンモンスター達の様子を見ないといけないな。
俺はそんな風に考えていたがあることに失念していた・・・ここにいるのがダンジョンに住むモンスターのほんの一部であることに。
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