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居候のポンコツ魔王がダメ過ぎる  作者: くりゅ~ぐ


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第39話 昔語り 静編① 静とは

19時にも投稿します


「そうだね、今年もお盆は帰られないと思う」


『去年は一回も帰って来て無いでしょ? おじいちゃんも会いたがってるし……。でも忙しいなら仕方ないわね。ねえ悠莉君、お正月は? 今度のお正月は帰って来られる? 悠莉君が良いお家を建ててくれたのに、まだ一回も帰って来ていないでしょ? 今度のお正月位はね。どうかな?』


「そうだけど……。帰れるかまだ分からないよ。だってまだ今はお盆も迎えていないんだよ」


『そうだけど……。お盆が駄目ならお正月は顔を見せて』


「考えておくよ。ねえばあちゃん、何か欲しい物はある? あるなら送るけど」


『大丈夫よ。私もおじいちゃんも特に無いわよ。それよりも悠莉君の顔が見たいかな。悠莉君には色々と贈って貰ってるし十分よ』


「そう? 何か欲しい物があったら遠慮無く言ってね、直ぐに送るけど」


『大丈夫大丈夫。それよりお正月は帰って来る事を考えておいてね。あっそうだ! (しずか)ちゃんがね、悠莉君に会いたいって何時も言ってるの。それと、携帯の番号とアドレスとパソコンのアドレスも教えて欲しいって言ってるんだけど』


「ダメだよばあちゃん! 絶対、絶対、絶~対に教えたらダメだよ。教えたら暫く帰らないからね」


『そ、そう? 分かった。でも静ちゃんも寂しがってるのよ。悠莉君に会いたいって。何時も言ってるの。兄ちゃんに会いたいって』


「それでもダメ。本当に静には教えたらダメ。 住所も教えないでね。前から言ってるけど、静には絶~~~対に! 教えないで」


『分かったわ……。それでね、静ちゃんが写真を撮ったの。自撮りしたやつを悠莉君に見せたいって言って、私に頼まれたから悠莉君のスマホかパソコンに送るね』


「まぁそれ位なら……。ばあちゃんも見たんだよねその写真。変な写真じゃ無いよね?」


『違うわよ。静ちゃん可愛いの。悠莉君に言われて髪を伸ばしてるから、女の子らしくなったし、更に可愛くなったわよ。前から可愛かったけど、可愛さが増してアイドルみたいな美少女になったの』


「・・・」


『でね、せめて今の姿を悠莉君に見せたいって言って、私に頼んで来たの。あの子ももう五年生になって、大人びて来てね、凄く可愛いの。静ちゃん今ね、そこらのアイドルとか芸能人なんて目じゃない程の美少女よ』


「・・・」


『悠莉君聞いてる?』


「聞いてるよ。静は確かに昔から顔だけは可愛かったね。大事な事だからもう一回言うけど顔だけはね。見た目だけはそうだね。で? 中身はどうなの? 昔のまま? それとも昔よりパワーアップしてる? 勿論悪い意味でだよ。アイツ性格とか、行動とか、発言は相変わらずじゃないの?」


『ねえ、本当にねえ……』


「・・・」


やっぱりか……。


『ゆ、悠莉君、とにかくお正月の事は考えておいてね。そ、それと写真も送るわね、じ、じゃあね』


「うん、分かった。じいちゃんにも宜しく言っといて。じゃまたね」


静の奴は相変わらずか。

名は体を表すって言葉があるが、アイツを見ているとそれは間違いだって、心から思ってしまう。


しかし正月か。もう一年半帰っていないんだな。

正月に帰らなければ二年以上になるか。

去年は年明けからほぼ一年がかりで、俺の実家たる祖父母の家を建てたが、それで帰っていないってのは言い訳だな。


家を建て替えしてたからってのは、帰らなかった理由にはならない。仮住まいに帰れば良かっただけの話だし、只の言い訳にしかならない。

新たに建てた家だって、去年の十二月の半ばには完成してた訳だからな。正月には帰れたし。

しかし帰郷か……。どうしようかね。


「悠莉どうした? ばあ様からの電話で何かあったのか?」


「うんまぁ……」


「何か言いにくい事か?」


「そうじゃ無いけど。正月、今度のお盆だけど、帰って来ないのかって。最近帰って無いからその話だよ。後は……。別に言えない話じゃ無いし。それでだな・・・・・・・・・・・・」


~~~


「ふーん。帰ったら良いではないか」


「そうだな、その間お前を一人残して行く訳だが、お前を一人残して行くのが凄い不安なんだけど」


「ご飯代をくれたら大丈夫じゃぞ」


「・・・」


だからそれが不安なんだよ。そんな事をしたらコイツは餓死しかねない。理由? そんなもんコイツは渡した食事代を使い込む可能性が非常~に大きいから。


一応家に食う物はある。カップ麺だとか冷凍食品だとかお菓子などだ。

当然それを残して行くが、それらをあてにして、このポンコツは食事代を使い込む可能性が大きい。

それはある意味仕方ないが、もうコイツに期待していないが、更に不安はある。

このポンコツ、俺が居ないと普通に素で人前で魔法を使うんじゃないかって不安だ。


その点がかなり不安なんだよなぁ……。だからと言ってコイツを連れて帰省するのも違う気がする。うん、実際は居候だが、同棲だとかその様な相手だと思われる可能性もある。

じいちゃんばあちゃんもそうだが、周りに誤解されたら面倒だ。うん、面倒だね。


その点をコイツに分かりやすく教えてあげた。


「餓死などするか。それに魔法も所構わず使わぬわ。わらわを何だと思っておる」


「何だと思ってる? ポンコツのダメ女。ついでに言うと、アンポンタンのうっかりダメ女。そして目を離したら、必ず何かやらかす危険なクソ金髪。後は……」


「おい! お前失礼じゃぞ。誰がポンコツじゃ? 誰がアンポンタンじゃ。それとクソ金髪言うな。何が目を離したら何かやらかすじゃ。失礼な奴じゃ。お前ここぞとばかりに悪口を言いおってからに」


やらかすだろ? しかも必ずやらかす。やってはいけない時にやらかすだろうが。俺は何も間違った事は言っていないぞ。悪口では無く、只の事実だろ? まぁ良いだろう、余り突っ込んでも話が進まない。


「で? その静と言うのはお前の幼なじみか? 別にアドレス位教えても良かろうに」


「嫌だよ。と言うか静はかなり年下だぞ。幼なじみってより近所の知ってる子? 昔遊んであげてた歳の離れた妹? いや、弟だな」


「何故女なのに妹では無く、弟と言い直したのか気になるが、アドレス位教えても別に良いではないか。何が問題なのじゃ? 会いたがっておって、話したがっておるんじゃろ? 少し位話してやっても(ばち)は当たるまい」


「教えてもどうせロクな事が無いからだよ。あー、お前はあのアホタレの事を知らないから、だからそんな事が言えるんだな。良いか、奴は生物上は女だが、中身は男子小学生の(ごう)を煮詰めて、いや……。男子小学生の業を三日三晩煮詰めて、更に蒸留した様な奴だぞ。絶対ろくでも無い事にしか使わない。仕方ない、静の事を語ってやろうじゃないか」




俺と静は家が近所で、具体的には一軒挟んだ右隣に住んでるんだ。

俺が小五になる十一歳の時にアイツが生まれて、それからの付き合いになる。

十一歳も年が離れてるが、近くに住んでたから遊んでやったりしてたんだ。


静は顔つきは昔から可愛らしかったけど、パッと見男の子みたいな奴でな。多様性の時代だとか、男らしさとか女らしさなんてって、そんなのは時代錯誤だと言われてるが、実際は男はこう、女はこうって、ある程度のテンプレみたいなのがあるだろ? 平均と言うか、そのテンプレから言うと静は男の子みたいな格好して、髪も短くって、良く男の子に間違われた奴だったんだよ。


それでって訳じゃ無いんだろうが、静はさっき言った通り、男子小学生の業を三日三晩煮詰めて、更に蒸留した様な性格の奴でな。その上でアイツは、良く言えば凄く活発。悪く言えば欠片も落ち着きの無い、只の野生児、そしてアホなんだよ。いや、バカかな?


しかも奴は凄く、凄~く、もの凄~く品が無いんだ。うん、とても下品な奴で、平気で下ネタを言って、息をする様に下品な発言と行動をする、そんな奴なんだよ。


多分アイツは、恥じらいって物を生まれつき持っていないんだと思う。母親のお腹に忘れてきたと言うか……、息をする様に下品な発言と行動をする、そんな奴なんだ。


静の口癖はう●ことちんことポコチンだからな。

それと良くやる仕草と言うか、ポーズがあって、それがお股たせってネタなんだけど、両膝を少し(かが)めて前に出し、上体を後ろに反らして、そんで股の辺りを前に突き出して、そんで手で、自分の股の大事な所辺りを手で叩いて『お股せ!』ってのがあるんだ。


もうな、普通に品が無い。今時男子小学生でもやらない、そんな事を平気でやる奴なんだよ。


一応言っておくが、今のは静の普段の行動の一例だからな。それだけでも奴のアホさが、おバカ具合が分かるだろ?

静はな、バカなんだ。但し勉強は出来る奴なんだよ。ん? 勉強が出来るのにバカとはって? あー、アイツは勉強は物凄く出来るんだ。所謂(いわゆる)勉強が出来るバカなんだよ。


学校のお勉強は出来るバカ、それが静だ。

それと運動も出来るし、普通に強い。

静は物心がついた時から古武術系の合気道を習ってて、三年生からはキックボクシングも習っててな。ガキのくせして物凄く強い奴で、ん? あー、昔の俺なら? あの世界に召喚される前ならどうだろ? 本気でやられたら負けてたかも知れないな。まぁその位アイツは強くって、でも正義の心も持ってるんだ。


色々やらかすし、問題児ではあるが、弱い者いじめとかは絶対やらない奴で。でもイタズラは大いにやる、そんな奴だよ。


だからかな? あんな性格で、あんなにも下品でバカなのに、嫌われてはいないな。

普通あんな性格で、あんな下品で、あんなにも色々とアレな奴だと、普通は女には嫌われるもんだが、静はむしろ好かれてるみたいでな。 一部女子からは王子様扱いされてるみたいなんだ。


なんと言うか……。話を聞く限り、ある意味一部女子の性癖を歪ませてるっポイんだよなぁ。

キマシの塔? 何それ? キマシタワー? あー、スラングか。いまいち分かりにくいなぁ。まぁ良い、とにかく奴は色々とアレな奴で、問題児だから、アドレスを教えたらろくでも無い事しかしない。


それこそ犬のフンの写真とか送って来かねない。

理由は立派なのがあったとか、珍しいフンだとかそんな理由でやりかねないからな。だから絶対教えない。あのおバカは平気でそんな事をする奴だ。しかも悪意では無く、善意からすると言うとんでもない奴だ。うん、教えたくは無いね。


ん? 着信か。あー、ばあちゃんからか。静の写真を送って来たんだな。えっ、見たいの? 別に良いぞ。隠す様な物でも無いし。


静は左足の左膝を立て、右足を胡座を組むようにし、左手の肘を立てた左膝に乗せ、左手で髪をかき上げていた。


髪は長くなり、大昔のワンレンっぽくなっている。

少し上目遣いで、挑発する様な、それでいて妖艶さを醸し出した雰囲気でカメラを意識している。


右手は右の太もも辺りに乗せ遊ばせている風にしてるが、何故か(さま)になっている。うん、見た目だけはまがう事なき美少女だよ。それに少し大人っぽくなったな。

だが俺は騙されない。髪も伸びて良く似合っているが、多分コイツは髪を伸ばし始めてから一回も切っていない。

恐らくこの二年、美容室どころか、近所の行きつけの床屋にも行っていないはずだ。


髪が長いと言うより、伸ばしっぱなしなのだろう。正に野生児。それか、TVから這い出てくる、あの有名な悪霊みたいになっているのだろうと思われる。


確かに顔は更に可愛くなったね。正に美少女だよ。見た目だけはな。そうだな、見た目だけなら絶世の美少女と言っても差し支えないだろう。見た目だけはな。


だが中身は、性格は、年を取り少々学年が上がろうが、そんな事程度で絶対に落ち着かない。落ち着くどころか更にパワーアップしていると思っていたが、ばあちゃんとの電話で確信した。

間違いなく奴は悪い意味でパワーアップしている。


恐らく静の奴は、男子小学生の業を一年程寝かせ、底に沈んだ業の沈殿物を一ヶ月程煮詰めて、更にそれを百回程蒸留した奴になってるに違いない。


嫌な未来予想図だが、この勘と言うか悪い予感は間違っていないだろう。

関わってはいけない奴、それが静だ。


アンタッチャブル静。それが静の新たな二つ名だ。意味は触れざる者。よってアドレス開示は断固拒否する。


何だって? コヤツ可愛らしいだと? お前が他人の容姿を褒めるとは珍しいな。ん? 褒める事位あるだって? そうか。


おいコラ、お前何が想われておるのぅだ。ふざけた事を抜かすな。おい! 兄ちゃん言うな。

お前……。悠莉兄ちゃん言うな。気持ち悪いぞ。

はぁ? 気持ち悪いから気持ち悪いって言ったんだ。お前ニヤつくな、ムカつく顔しやがって。


ハァ? 静との事を聞きたい? 別に良いけど。

いや、隠す様な事でも無いし。何で聞きたいの?

面白そう? と言うか本当~~~に。静の話と、静との話はおバカな話でしかないぞ。

後はそうだな。品の無い、お下品で、呆れる様なそんな話だけど? 分かったよ、静とのなぁ。


あー……。俺があの世界から帰還して、先ずはじいちゃんばあちゃん()に行って。

と言っても先ずは会社に出勤して、辞める事を伝えて、そんで次の休み迄は働いてて、そんで次の休みに帰ったけどその時は静とは会わなかったな。


なんでも何も、先ずはじいちゃんばあちゃんに会いたかったんだ。十年だぞ。帰りたくって、会いたくって、俺があの世界で生きる、生きて行く支えであり希望だったんだ。


あの時は二人を抱き締めて泣いたよ……。ん? うるさいなぁ……、ちょっと感傷に浸ってただけだろ。

分かってるよ。静との事は色々合ったが、帰って来てからの話でもするか。と言っても二年位前の夏と冬、お盆の時と正月の時だな。


その前の事? まぁ待て、話すから。

そうだな・・・・・・・・・・・・。

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