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居候のポンコツ魔王がダメ過ぎる  作者: くりゅ~ぐ


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第27話 季節外れのイルミネーション


暗い、とても暗い。照明灯があるのに闇を感じる。

夜の高速は嫌いだ。運転がしにくい。


「悠莉、帰るのって夜中になるんじゃよな?」


「帰るのであれば夜中になるだろうな、この時間なら」


「途中で寝てしまうであろうな。あーあ、車の中で寝る事になるのか」


「・・・」


このちんちくりんめ、誰のせいでこうなってると思ってんだ? お前がダラダラと屋上で遊ぶからだろ。

帰る前にちょっとだけ。そう言って昼飯食ってからも遊びたがるからこんな時間になってんだぞ。


もう十分遊んだ。お前がそう言うから昨日の晩に帰ろうって話しになったのに、それなのにまた遊びたがりやがって。これならやっぱ今日も泊まれば良かったんだ。それなのに帰りたいとか言うから、こんな時間になってるんじゃないか。


「お前は人に運転させといて良い御身分だな? 俺はお前の専属運転手じゃ無いんだぞ」


「そんな事を言われてものう。わらわ運転出来ぬし、仕方ないではないか」


分かってるよそんな事は。俺が言ってるのはお前の普段の行いとか、考え方や行動に関する事だよ。


「悠莉、今日は帰るの、夜中の何時位になりそうじゃ?」


「一応言っておくが今日は家に帰らないからな。途中で泊まってから、一眠りしてから帰る」


「えっ? 何で? わらわそんな話聞いておらぬぞ」


「うん、だってさっきのサービスエリアで休憩した時に決めたから。なんだ、お前は途中で泊まって帰るのは嫌か?」


「別にエエけど……」


コイツは事前に相談が無かった事がご不満みたいだけど、俺は一声かけたんだけどなぁ。

お前がカラ返事しただけの事。俺はちゃんと声をかけたし、屋台が閉まりそうだからとお前がアイスをダッシュで買いに行くから、それで聞いて居なかっただけなんだが、これ俺が悪いの?

再度聞かれたら、ゴネたら一からきっちり説明はするけど、それでも俺が悪者になりそうな気がする。


「納得したなら良し。それとお前食い過ぎじゃないか? トイレに行きたいなら早めに言えよ」


「さっき言ったばかりじゃぞ、そんなにしょっちゅう行かぬわ」


「・・・」


それでも行くのがお前だろ? もうここまで来たらお約束みたいなもんだよ。

それにしてもこの辺りはホテルが多いな、さっきからギラギラ輝くネオンが目に入る。地方って何でラブホが多いんだろ?


しかもこれでもかって位に、光輝いて存在をアピールしてるし、高速からでもかなり目立ってるけど、結構な距離があるのにラブホだって分かるぞ。

都心部のとはレベルが違うよな。テーマパークでももっと控えめな輝きだぞ。それなのに何で地方のラブホってあんな派手に光らせるんだろ?


「なぁ悠莉、何かさっきからド派手にピカピカ光輝いておる建物があるが、あれは何なんじゃ?」


「・・・」


愛を育む宿屋さんです。一時休憩する事も出来ます。


「なーんかさっきから目につくんじゃが?」


そうだね俺もそう思うよ、同感です。


「遊園地にしては小さいし、アミューズメントパークにしても数が多い。ここを走ってるとチラチラ目につくんじゃが、何なんじゃあれは?」


だからラブホだよ。お前みたいなちんちくりんには縁の無い場所だよ。


「なぁ悠莉、聞いておる?」


「聞いてるよ」


「来る時にあんな建物あったかの?」


「あったよ、ネオンが光輝いていなかったから気付かなかっただけだよ」


「あー、そうか、それもそうじゃな」


真っ昼間にキラキラ光るラブホなんか見た事が無い。そして都心部に住んで居ると、外観もある程度は派手だけど、この辺りにあるド派手なラブホみたいなのは都市部では見ない。

ド派手だが外観も凝ってると言うか、本当独特だよ。

城タイプはもちろん、日本風の城のもあったりと、見てて飽きないな。建物内部も凝ってるのかな?


「で? あれは何なんじゃ?」


チッ……。だからラブホだよ。何で何でってお前は子供か? 言ったら恥ずかしがるんだろうなぁ。

コイツも中身はガキじゃ無いんだから、その程度で恥ずかしがるなよな。たまに思うがまさかコイツ、恥ずかしがるのは演技なんではないだろうかと思う時がある。カマトトぶってるだけなのかな? って。


だけど本気で照れて恥ずかしがる姿は、演技には見えない。もしアレが演技ならアカデミー賞の主演女優賞を受賞するか。


「アレはコンビニだよ」


「へぇ~ コンビニのう、田舎のコンビニは派手じゃなぁ……。とでも言うと思ったか?」


言うと思ってたよ。だってお前チョロいもん。

ポンコツでチョロいとかどんな属性だよ? お前はどの層を狙ってるんだ?


「で? 何ではぐらかす? アレは何なんじゃ?」


だからラブホだよ、何で分からないかなぁ?

まぁコイツは異世界人だし、同じ地球の人間でも外国人は、アレがそんな事をする施設だって分からないから仕方ないか。


「アレは二人で愛を育む宿屋だよ」


「二人で愛を育む? 愛を……。えっ?」


ホラ恥ずかしがる。分かったら恥ずかしがって照れる。お前純情過ぎるだろ。


「ナニをどうするかを具体的に言った方が良いか? お前もしかして聞きたいの?」


「アホかぁ! 具体的に言わんでもエエわい。えっ? 何であんなド派手なんじゃ? えっ? お前わらわをからかっておらぬか?」


「い~や、からかって無いぞ。アレはラブホだぞ。具体的に言うと……『言わんでもエエ!』……」


コイツ食い気味に……。

しかしキミ、恥ずかしがってる割には興味津々だよね? 恥ずかしがりつつガン見してるけど、あんまり身を乗り出すと危ないよ。


「ちょっと待て、街中で見た事があるけど、あんなにド派手なのを見た事無いぞ。お前やはりわらわをからかっておろう?」


「からかってねーよ。ここからだと少し遠いけど、お前もあの距離位なら見えるだろ? ホテルって書いてあるじゃないか」


「わらわは今、前程の力は無いんじゃが。あの距離の文字など見えぬぞ」


そう言えばそうだった、コイツは力を封印されてるんだった。ならあの文字は見えないか。

そっかそっか、そうだった。


「おいアレクシア、俺の言った事が嘘だと思うなら、お前が持ってる長方形の薄い板で調べたら?」


「長方形の薄い板?」


「スマホだよスマホ。調べたら分かるだろ?」


「あー スマホか、お前は遠回しに言いおって。一瞬分からなかったではないか」


お前が鈍いから分からなかったんだよ。

それとアレクシア君、キミ恥ずかしがってる割に調べるんだね? もしかしてむっつり属性も付与したいのかな?


「しかし多いのう。多過ぎではないか?」


「地方とか郊外なんてそんなものだよ。と言うか都心部でも集中してるじゃないか」


「し、知らんわそんな事」


そして恥ずかしがりながらも、ちゃんと調べるアレクシアちゃん。キミ、画面をマジマジと見てるけど、内部まで調べてるんだね。

中のお部屋とかも調べてるよね? 画像を見てらっしゃいますよね今?


「・・・」


興味津々、ガン見。お前はエロ検索をする小学生か? ただ、キミのスマホはサーチ機能に制限が無いから、色々調べられるね、良かったね。


何だろう、気のせいか目がキマっちゃてないか? バッキバキにキマってる気がするぞ。どんだけ真剣に見てるんだ? 凄い集中力だな。


「え~ 部屋にプールがあるのか? なーんで船型ベッド~? か、回転? 意味が分からぬ。何故ベッドが回るんじゃ?」


あー あるねそんな所も。たまーにテレビで紹介してたりするよな。確かメリーゴーランド(回転木馬)があるホテルとかもあるんだっけ? 行った事無いけど。


「な、何でこんな物が部屋にある? プール? 露天風呂? メリーゴーランド? 遊園地か?」


メリーゴーランドまで発見したか。奇遇だね俺も今、メリーゴーランドの事を考えてたよ。もしかして俺達気が合うのかも知れないね。


所でアレクシア君、キミは何時まで調べるのかな? もしかしてだけど、このボクが隣に居るのを忘れてないかい? それとも、ツッコミ待ちかな?


おい、もう今はラブホは見えない、いや、ラブホ自体が全く無いのに、車の窓から外をチラチラ見るんじゃありません。

お前はどんだけ興味津々なんだよ? まさかコイツ行ってみたいとか言い出さないよな? やめてくれよ、二人で行っても何も無いとは言えお前と一緒に行きたくない。


このムッツリ、まだチラチラと窓の外を見てやがる。と言うか照れて恥ずかしがってるくせ、何で探すんだろうなぁ。お前は今までネットで調べた事が無いのか?


「なぁなぁ悠莉、こんな遊具を何故置いておる? 皆あの遊具やプールで遊ぶ為に行くのか?」


何するってそりゃ、ナニをするんじゃないですかね? プールは泳いだり、メリーゴーランドは乗ってはしゃぐんじゃないかな? そんなのがある所には行った事が無いから分からないけど。

多分何度も行ってると飽きて、そんなのがある所に行くんじゃないかな? それでその遊具とかで遊ぶ。そんなとこか?


「そんな訳無ないだろ。それがメインって言うより、ついでじゃないかな? メインはまぁなんだ、うん。お前も分かるだろ?」


「・・・」


お前は照れるなら聞くなよ。俺も何だか気まずいじゃないか。何でお前とこんな話をしなきゃならないんだよ。

好奇心は猫をも殺すか。うん、この状況では意味が違うかな? それにしてもコイツ、顔をうつむかせてるし、顔が真っ赤じゃないか、こんなに暗いのにわかるぞ。

とは言えそれは、俺の身体能力が上がってるからだけど。


「「・・・」」


もう! このムッツリ魔王めが。車の中での沈黙はより孤独を感じてしまうんだぞ。ましてや夜の高速とか特にそう感じる。

微かに車から出る音位しかしないし、夜の闇も相まって単調だから気疲れする。

道路上の灯りすら単調で、より疲れるのに。


「なぁアレクシア、お前トイレは? もう直ぐ次のサービスエリアだけど?」


「いや、いい」


この金髪ロリめ、人が話題を提供してるのに、なに突然無口キャラになる? 面倒な奴だ。

おーい! お前照れて顔が真っ赤っかのくせ、まだチラチラと外を見るか? どんだけ知的好奇心を掻き立てられているんだ?


「おいアレクシア、外が気になるのか?」


「いや、別に……」


嘘つけ、気になって気になって仕方がないんだろ?

コイツは純情のくせそんな事も興味津々って、どんなキャラで行こうとしてるんだよ? キャラがブレブレじゃないか。

本当にお前はどんな層を狙ってるんだ? 出来の悪い無料小説のキャラみたいだぞ。


「なぁ悠莉、今日泊まる所ってどの辺りで泊まるんじゃ? ここから近いのか?」


「まだ先だな。意外と快適らしいからゆっくり眠れると思うぞ」


「そうか」


「何か温泉があるらしいし、その温泉が結構評判が良いみたいだ」


高速のサービスエリアやパーキングエリアにある宿で、元々その様な宿はあったが最近増えて来てるらしく、どうせ泊まるなら温泉もある宿なら泊まってみようと思ったけど、高速道路にある宿ってのは珍しい。


どうも昔からあったらしいが、数も今程は多く無く、昔は少なく知らない人も多かったって書いてあったけど、ネットでの評判は良いみたいだし、一回泊まってみたかったんだよな。


「・・・」


ん? コイツどうした? また(うつむ)き出したぞ。顔もさっきより更に真っ赤っかになってるじゃないか。何でだ?


「どうしたアレクシア? またラブホでも見つけたのか?」


「違うわい! おい悠莉、お前さっき泊まる宿に温泉があると言っておったな?」


「言ったけど、それがどうした? お前も温泉は好きだろ?」


コイツ風呂に入るのをゴネるくせ、風呂自体は好きなんだよなぁ。理由としては、入ったら気持ち良いから。だけど入るまではゴネる。

ゲームの最中だとか、自分がしたい事をしてる最中は必ずゴネるけど、入ったら気持ち良いから好きではあるし、温泉に連れて行った時もコイツは喜んでたし、珍しくまた来たいって言ってた位にはコイツは温泉が好きなはずだけど? それなのにどうして嫌がる雰囲気を漂わせてるんだろ?


「温泉は好きじゃが、温泉は好きじゃが……」


「なら問題は無いじゃないか、何が問題なんだ? 泊まるついでに温泉に入れるぞ」


おかしいな、温泉があるならコイツは喜ぶと思ったのに、何が嫌なんだろ? しかも何でコイツはさっきより更に顔が真っ赤っかになってるんだ?


「そ、そんな問題では無い! お前、お前…… わらわを、わらわを…… ラ、ラブホテルに連れ込むつもりか? なぁ、そうなんじゃろ? わらわを連れ込みいやらしい事をするつもりじゃろ!」


「お前はいきなり何を抜かしてるんだ? 何でお前をラブホに連れ込まなきゃならない? お前ふざけんなよ、何が悲しくってお前とラブホに行かなきゃならない? なぁ、お前みたいなちんちくりんと行く訳無いだろ。そんなセリフは元の姿に戻ってから言え、それなら少しは考えてやる。何が悲しくて今の姿のお前と行かなきゃならない? お前は何言ってくれちゃってんの?」


このアンポンタンめ、ビックリするわ。お前と行く訳無いだろ。しかも連れ込む? 寝言は寝てから言えと、声を大にして言いたい。

何を突然訳の分からない事を言い出すんだ?

えっ? この人まさかいけないお薬でも嗜んでいらっしゃるの? それかついに頭がイッちゃった?


「嘘じゃ、だってお前さっき温泉がある宿と言っておったではないか。それにあの宿……、ふ、二人で泊まって愛を育む宿屋に温泉があると…… 言っておった。悠莉、お前……。わらわの純潔を……」


「お前は想像力が豊かだな。と言うかお前の頭の中は、それしかないのか? ふざけんな、お前と行く訳無いだろ。己を知れ、己を。このムッツリ魔王が!」


「だ、だ、だ、誰がムッツリ魔王じゃ! 想像力が豊か? 話の流れ的に考えて、そう考えるのは普通じゃろ? お前…… そうやって有耶無耶(うやむや)にしてわらわを連れ込むつもりじゃな。そしてわらわの……」


「もう! お前は本当に面倒臭いな。なぁ、アレクシア、お前はその発想から離れろよ。そんなんだから俺にムッツリって言われるんだよ」


このアホタレは、想像力が豊かと言うか何と言うか、たまーに想像を越えたぶっ飛んだ発言するよな。

大体だ、このアンポンタンは俺と一年以上一緒に住んでて、俺の女の好みとかも分かってるはずなのに、何でお前みたいなクソロリを好むと思ってるんだ? コイツはどれだけ自分に自信を持ってるんだろう? いや、どんだけ自意識過剰なんだ? ふざけんな、そんなセリフはおっぱいが元に戻ってから言え。


お前みたいなクソ貧乳、もとい。クソぺったんこな胸に欲情するかよ。

貴様がそんなセリフをほざくなど百年早いわ、出直してまいれ。この未熟者めが。


「お前…… お前……」


「フッ……。アレクシア、お前の人生は毎日楽しそうだな。それと一つお前に教えてやろう。人を笑わせるのと、人に笑われるのは同じ笑いでも全く別物だからな」


とある喜劇俳優さんが言ってたから間違いない。

さて、今のコイツは人を笑わせてるのかな? それとも人に笑われてるのか? どっちだろうなぁ。


絶対やらないが、もしこのアホタレを押し倒したり、連れ込むのならとっくにやってる。

一年以上一緒に住んでて、やろうと思えば今まで何時でも出来たし、やらなかったんだから今更やる訳が無いだろ。


と言うか、ベッドは当然別だけど、今回の旅行でも一緒の部屋に泊まってたんだぞ。

それに今まで一緒に旅行に行って、同じ部屋で一緒に寝てて何も無かった時点で普通は分かるだろ。


分からないんだろうなぁコイツ。分からないからこんなアホ丸出しの発言が出来るんだな。


「悠莉、お前鼻で笑ったな?」


「そら笑うわ。と言うかそんなアホな発言は、せめてブラを付けられる様になってから言って貰えますか、アレクシアさん。何でお前みたいな胸部装甲がペラっペラのクソロリとラブホに行かなきゃならない? お前今の自分の姿分かってる? デカイ鏡を買ってやるから、これから毎日その鏡で己の姿を確認しろ、このアホタレが」


アレクシア君、キミは何故そんなに唖然としたお顔をしてるのかな? あーそうか、正論を言われて返す言葉がないのか。

そうだね、正論や真実は時にもっとも人を傷付けるって言葉もあるもんね、だが今言った言葉は紛れもない事実なのだよ。


「くっ……。わらわとて、わらわとて元の姿に戻れるなら戻りたいわ。じゃが悠莉よ、お前がわらわをあのネオン輝く場に連れ込み、わらわを手込めにしようとしてるのは事実じゃろ。例えわらわの身体を好きにしようとわらわの心や魂までは好きにさせぬからな!」


「だからお前はその発想からいい加減に抜け出せよ。本当に面倒臭い奴だなぁ、俺は無理矢理なんて今まで只の一度もした事無いし、しようともしたいとも思っていないし、する訳が無いだろ。今まで何回も言ったはずだけど? これだから想像力豊かなムッツリスケベは……。おいアレクシア。あの世界でお前と戦った時もお前をひん剥いた事なんて一度も無いだろ? これでも一応は気を遣ってたんだぞ。お前一応は女だし」


このアホタレは、サキュバスの方が慎み深い格好なんじゃないですかって格好しておいて、そのくせちょっとでも服が切れると人を好色扱いしやがったからな。

なら最初からあんな格好はやめろと言いたい。

いやまぁあの格好は、魔王としての正装だってこっちで聞いたけど、もっと何かあるだろ?

鎧を装着するとか、厚手の物を身に纏うとかあったんじゃないか?


歴代の魔王は何を考えていたんだろ?

と言うか男の魔王は確か、鎧とかローブを纏ってたはずだ。うん、文献で見たから間違いない。


もしかしてコイツ配下に騙されていなかったか?

コイツはアホタレだが反面素直でもあるから、騙されてあの格好だった疑惑があるんだが?

うーん……。女の魔王って極端に少ないからデータも少な過ぎていまいち分からん。


「嘘つけ! わらわお前の糸で服を切られた事があるぞ! お前は何なんじゃ? あの服は伝説と言われておる素材で作られた神器とも言われる物だったんじゃぞ、それを切るなぞお前はおかしい、何で切れるのか意味が分からぬ、切れるはずが無いのに。それとじゃな、アレお直しするのが大変だったんじゃからな」


「なーんだ、それならもっと切り刻んでやれば良かった。そしたらお前はあんなにしょっちゅう、性懲りも無く現れ無かったのにな」


どうせ負けるくせ何回も何回も勝負を挑んで来やがって、お前はストーカーか? そう思ったもんだよ。

そう言えば服を切った時、コイツ無言で逃げやがったっけ? 何時もなら捨て台詞を吐いてから逃げるのに、あの時は何でだって思ったけど、切られてビックリしたんだな。まぁ後で好色扱いされた訳だが。

あの時ってギョッとした顔して逃げてったけど、顔も真っ赤っかになってたな? 切られてビックリしたってのもあるが、恥ずかしかったんだな、今にして思えばだけど。


「このエロ勇者が……。そう言えばお前はわらわと戦っておる時、わらわの身体をいやらしく、舐め回す様に見ておったな。やはりか! 正体を現しよったな!」


「戦ってる最中に相手の事を見るのは当たり前だろうが! それともあれか? お前はよそ見しながら戦うのか? 余裕ですよねアレクシアさん。一度も俺に勝った事が無いくせ舐めプですか? 凄いですねアレクシアさん。いや~ 舐めプなんてそんな事してるから勝てなかったんじゃ無いですか? どう思われますアレクシアさん?」


「・・・」


何を悔しそうな顔をしている? 身体を見ていただって? 相手を見ずにどうやって戦う? 心の目で見ろとでも言うつもりかな。心眼? そんなもん全てを使って見るが、目でも見るだろうが。


身体を見た? 見たに決まってるだろ。

あんないやらしい格好しておいて、目に入らない訳が無い。だけどエロい視線でお前を見る余裕は無かったよ。精々チラ見ぐらいしかしていない。


このアホタレめ、生意気なけしからん身体をしやがって。もっと身体を隠せよな、本当にけしからん身体だったよこのエロ魔王が! 口には出せないけどな。


「一応言っておくが、今日泊まるのは高速のサービスエリアに併設してる宿泊施設だから。お前が思ってる様な、エロい事をする宿泊施設じゃないからな、分かったかこの…… やっぱ言うのやめとこ」


「おい、何で途中で言うのをやめる?」


「言ったらお前がギャーギャーうるさそうだからだよ。とにかく只の宿泊施設だから、心配なら名前を言うから調べろよ。ハァ……。何か疲れたよ、早く到着しないかなぁ」


「おい、わらわと居ると疲れると聞こえるぞ」


その通りだよ、お前と一緒に居ると疲れる事が多いよ。言ったらうるさいから言わないけど。

それにしても、旅行ももう終わりか。何やかんやで楽しめはしたな。


「おっ! このサービスエリアの食堂、二十四時間営業か。ん? 別でハンバーガーショップもあるんじゃなぁ。おい悠莉、ハンバーガーショップの営業時間が終わりそうじゃ、急ぐのじゃ」


スピード違反で捕まるよ。あーあ、間に合わなかったらコイツはゴネて俺のせいにするんだろうなぁ。

間に合うかは際どいな。


「何を食べようかの」


しかしまだ食うのか? 本当に欲望に忠実な女だよ。そしてその欲望に忠実なコイツは食ったら直ぐに寝るんだろうなぁ。


「おい悠莉、飛ばすのじゃ、営業時間に間に合わぬ」


知らん。この悪逆無道の魔王めが、お前の欲望に際限は無いのか? 無いんだろうなぁ……。ハァ……。

明日も投稿します。

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