第2話 ポンコツ魔王は最弱探検家に苦しむ①
「ホ~レ ホレ、どうした? 上が大分詰まって来ておるぞ、灰色のぶよぶよが落ちて来るのではないか? アレ~? どうした勇者? このままでは又々わらわに負けるぞ」
うっぜー! このポンコツヒキニート魔王めが。コイツはぶよぶよだけは上手いんだよなぁ。
とは言えマジでヤバイ、このままでは又負けてしまう。と言うかコイツ手加減して遊んでやがるな…… 舐めプか…… くっ! 何時も俺に負けるからってここぞとばかりに優越感に浸りやがって……
「あー 不味いなぁ、不味いなぁ勇者よ、ここからの逆転等、不 可 能 じゃのう~」
こんのポンコツロリ魔王め、その顔付きがムカつく、ここぞとばかりに煽りやがって……
あっ! いらん事を考えてたら操作ミスした。
あー! ヤベ…… つ 詰まった……
「あー 又、そう、又わらわの勝ちじゃなぁ、これで何連勝したかのう、勝ち過ぎて分からん様になってしもうたわ」
「・・・」
「どうした勇者よ? 悔しいのか? もしかして悔しいのか? 悔しいのう勇者よ、まぁ修行が足らんからこうなる。修行して出直して参れ」
「・・・」
こっちはお前と違って一日中ゲームしてる訳じゃ無いんだぞ、それなのにコイツは……
うっぜー そのドヤ顔ムカつく、どうしてくれようか…… うん、今のこの状況で配管工カートやろうって言っても拒否しやがるだろうな、理由は優越感に浸りたいから。自分に不利なゲームをやって今の良い気分を台無しにしたくない。そんなトコだろう。
「あ~ 勝ち過ぎて飽きてしもうたわ、テレビでも見ようかな、おっ! アニメの再放送があるではないか、コレ観よう」
「・・・」
本当良いご身分だなコイツ、毎日飽きもせずゲームしてアニメ観てテレビ観て、食っちゃ寝か。
ヒキニート魔王めが…… しかしさっきのドヤ顔ムカつくなぁ…… このまま済ませたらコイツは絶対に又調子に乗るだろうな。
「あ~ ポテチうま~い ハッハッハ」
「・・・」
マジでどうしてくれようか……
待てよ? そんなにゲームが好きなら思う存分やらせてやろうじゃないか。くっくっく…… 我ながら良い事を思い付いたな。明日早速買って来ようじゃないか、先ずはネットで検索して、無かったら買いに行こう。それとあのハードを販売していた大元が確か懐かしゲームが千種類ハード内に入った新しいハードを出してたな? いや待てよ? カセット差し込み式の初代の新古品ハードを買っても良いな。
うん、そうだな、ハードとカセットを買おう。かなりの値段だが金の心配は無いんだ。そうだな、そうしよう、でないと他のゲームに目移りしやがるだろうからな。
ついでにゲームが千種類入ったアレも買おう。俺もやってみたいし、魔王も喜ぶだろう…… て! 何を俺はコイツを喜ばそうとして居るんだ。
いかん いかん、先ずはあのクリア出来ない地獄を味わせないといけない。くっくっく、ゲーム界最弱四天王の一人と言われて居るあの主人公に苦しむと良い。
ネットで見て無かったら、明日買いに行こう。
「うーん、ポテチにはコーラ、これぞ最強の組み合わせよ! わらわ満足満足」
「・・・」
このポンコツヒキニート魔王めが、そんなにお菓子食ったら夕飯を食えなくなるだろうが。言わなきゃ延々食いやがってからに……
まぁ良いだろう。フッフッフ、明日からの事を思えば広い心を持って許せると言う物よ、あっ! もう一袋開けやがった。てかどんだけ食うんだよコイツは……
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「ただいま」
「おかえり、ん? 何じゃ勇者、何を買って来たのじゃ?」
「ん、ゲーム。昔懐かしゲームのハードとソフト」
結局買いに行ってしまった。ネットだと届くまで少し時間が掛かってしまうから。それにネットを見てたら別のゲームも欲しくなり、ネットでも別のゲームを買ってしまった。
そしてネットだけで済まず直接買いに行き、何やかんやで買い物がてらあの街を歩いたが、良い気分転換になったし、気分が乗って色々買ってしまった訳だが……
「ゲーム? 又珍しい…… 何時もならゲームのし過ぎじゃ何じゃだと、小姑みたいにやいのやいの言うくせ」
「たまには良いだろ。飯買って来たから先に食おう、ステーキ弁当買って来た、お前好きだろ」
「・・・」
「どうした?」
「わらわ今、お腹減っておらん」
「ん? 昼飯そんな食ったのか? そこまで量は無かっただろ」
「・・・」
怪しいな…… コイツ小遣いはもう使い果たして居るから、買い食いは出来ないはすだ。と言うか家から出る事も無いはずだしな。
うん、だってコイツはヒキニート魔王だから。お家大好き、お外大嫌い魔王だもんな。
「おい魔王、正直に答えろ、お前何で腹減って無いんだ?」
「・・・」
コイツだんまりか? それってバレたら俺に怒られる様な事をしたって自白してる様なもんだぞ、分かってんのか? しかしコイツ何で腹空かしてないんだ?
この時間なら普段だったら腹減ったってうるさいのに。寧ろもう少し早い時間に腹減ったってうるさいんだが……
ん? コタツのテーブルの上に粉らしき物が微妙に散らばってるんだけど? 一応掃除したけどしきれて無い、そんな状態だな。
コイツ…… あっ! 微妙にコタツの掛け布団側にも粉的なのが落ちてるじゃないか。うん、それも魔王の奴が何時も座ってる所に落ちてるんだけど。
「・・・」
このポンコツ魔王め俺から目を反らし、決して視線を合わそうとしやがらない。うん、多分だが俺の予想は間違ってはいないだろう。
「おい魔王、お前又お菓子食いまくったな? それもお菓子だけじゃ無く、コーラも一緒に飲みまくったな?」
「・・・」
「おい、答えろ魔王。お前俺が居ないからって又際限なく食いまくっただろ? しかもジュースも飲みまくったな?」
「の 飲みまくって無いもん、食いまくって無いもん。勇者の気のせいじゃろ」
「正直に答えないとお菓子とジュースを暫く禁止にするぞ。良いのか?」
「なっ! 無体な…… その様な横暴が許されるのか? 勇者、お菓子とジュースを禁止とはわらわに死ねと申すか!」
「お前なぁ…… 普通に飯は食わすわい。ただお菓子とジュースを暫くの間、禁止するだけだろ」
コイツは分かって無いのか? 俺はお菓子を一切食うなとも、ジュースを飲むなとも今まで一回も言った事無いんだけど。
飯が食えなくなるほど食うなって言ってるだけだ。それも常識の話だと思うんだけど?
えっ? 何? コレって俺が悪いの? 俺は極々当たり前の事しか言ってないよな?
と言うか飯が食えなくなるまでお菓子やジュースを飲み食いするって、コイツは子供か? 小学校低学年の子供か?
何処の家庭でも言ってる事だよな? まぁ…… 主にお母さんが子供に言ってる事な訳だが……
えっ、何? 俺はお母さんなの? 魔王の母親なの? いやいや、母親だけじゃ無く、父親も言ってるし。
ん? ちょっと待て。えっ? どの道俺って親になるんだけど? 魔王の親? 違うだろ! 何で俺が魔王相手に、子供に注意する様な事を言わなくちゃならない。
コイツ前も思ったが、まさか精神が肉体に引っ張られて居ないか?
神の悪戯により、ロリにさせられてしまい、肉体が幼くなってしまい、精神も幼くなったとかじゃ無いよな?
えっ、止めて欲しいんだけど。うん、薄々だが何となくそんな気はして居たが、まさかそうなの?
確かにコイツは昔から微妙に幼稚だったぞ。あの大人なナイスバデイのお姉さん魔王の時から微妙に幼稚な部分はあった。
だけど肉体が若返ったからって、精神も若返るか? いやいや、そんな事は無いだろ。
となるとだ…… コイツは元々幼稚だったって事だ。うん、そうなんだろう、そう思おう。
「何を笑っておる? ん? 何故わらわを生温い目で見るのだ?」
「気にすんな。で? 正直に答えろ魔王よ」
「・・・」
「沈黙は肯定と同じだぞ魔王。なぁ、お菓子やジュースだけじゃ無く、ゲームを暫く禁止にしても良いんだけど」
うーん…… この世の全ての不幸が降り掛かったかの顔。絶望、正に絶望。うん、魔王よお前はパンドラの箱でも開けてしまったのか?
「ゆ ゆ 勇者…… わ わ わ」
「どうした魔王、ゆ? わ?」
「わら…… わらわに、わらわに本当に死ねと、そう言うか~~~~~~!」
「あのな魔王。俺はご飯が食べられない理由を正直に言えと言ってるだけだぞ、別に死ねとは一言も言ってはいないんだけど」
「一緒じゃ~! ゲーム禁止等、わらわに死ねと言っておるのと一緒じゃ」
もうヤダこの魔王…… 何でこんな風になっちゃったんだろ…… 昔はもっとまともだったのになぁ。
何でこんなポンコツになったんだ? このポンコツヒキニート魔王めが。
「わらわちょっと、そう! ちょっとお菓子とジュースを飲み食いしただけじゃぞ。普段より少し、そう、少~~~しだけお菓子を食い、ジュースを飲んだだけなのに、何故じゃ~ わらわそんな、そんな、悪徳をしたか? なぁ? 勇者よ! わらわそんな悪徳を行ったか?」
「十分悪徳だよ! 俺はな魔王、お菓子を食うなとも、ジュースを飲むなとも言って無いだろ? ただ、考えて飲み食いしろって普段から言ってるだけだろうが。本当お前は…… ご飯が食べられなくなるまでお菓子やジュースを飲み食いするなって言ってるだけなのに…… お前は子供か? 考えて飲み食いしろよ」
「だってだって美味しいんだもん。この世界のお菓子も、ジュースも美味しいんだもん」
もんじゃねーよ、お前は子供か? このポンコツ魔王が。
しかしやっぱりか…… 少なくなってたからお菓子もジュースも補充したが、まさかコイツめ全部食ったんじゃないだろうな? 流石にそれはやり過ぎだと思うぞ?
かなり少なくなってたから、大分補充したから結構な量だったはずだ。うん、後では無く今調べよう。
「・・・」
えっマジで? 補充した分が半分になってるんだけど…… そらこんだけ飲み食いしたら夕飯食えなくなるわ、ある意味凄いな…… 全く尊敬出来ないけどな。
「魔王、お前……」
「控えるから、控えるから! お菓子もジュースもゲームも禁止は止めてくれ勇者~! なぁ良い子になるから~ 勇者~ 許して~ ごめんなさい……」
もう! あーもう、本当もう。はぁ…… 俺も大概甘いわ。とは言え釘を刺しておかないとコイツは又必ず、うん、絶対やるわ。
「お前なぁ、本当! 今回だけだぞ、次は泣こうが叫ぼうが喚こうが禁止にするからな、分かったな」
「うん…… ごめん勇者…… 控えるから、だから禁止は嫌じゃ……」
「約束だそ魔王」
「うん、約束……」
「なぁ魔王、お菓子とかジュースを食うなとも、飲むなとも俺は言わないけどな、朝飯、昼飯、夕飯が食える程度に抑えろ。程々にする分には別に良いから、控えろ」
「分かった、わらわ控える」
「ん、とりあえずゲームをセットしてから飯食うかな」
「なぁ勇者、買って来たゲームってどんなゲーム何だ?」
おっと! 当初の目的を忘れて居た。うん、これはこれ、それはそれだからな。
さて…… ゲーム界最弱キャラとも名高い、探検家と言う名の最弱主人公のスペラ●カーの御披露目をしようじゃないか。
19時にも投稿します。