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第17話 糸使いは最強だけど


「ああ…… 良いよ良いよ。何て素敵なんだ…… このフォルム、反り、輝き。良い、とっても良い」


「・・・」


「無骨さの中にある美しさ。戦場刀の持つ魔性の美。戦場(いくさば)の中で最も輝き、そして頼りになるこの存在感。究極とも言える美と存在感と貫禄。正に究極至高の刀だ」


「・・・」


「ああ…… かっちょええなぁ、同田貫は最高だよ」


「・・・」


ん?


「なぁ魔王、お前俺に何か言いたい事でもあんの?」


「別に……」


「いや、目付きで分かるんだよ、お前言いたい事があるなら言えよ」


魔王の奴め、人を胡散臭げに見やがって。俺の事をまるで不審者を見る様な目付きで見ておいて、別にって、絶対何か言いたい事があるだろ? こう言うのって目付きで分かるんだよ。

目は口ほどに物を言う。うん、今の魔王の目を見てたら正にそれだ。


「なぁ、なら言うがの、勇者、お前気持ち悪いぞ。今のその姿を見てみい、鏡で先程のお前の姿を見たら分かる。だらしない顔をして、刀を見て……、今にも頬擦りしそうな程じゃったぞ」


「あのなぁ、刀に頬擦りなんてする訳が無いだろ? そんな事をしたら顔が切れるわ。それにだな刀が汚れるだろ? やる訳が無い。俺の大事な同田貫が汚れちゃうじゃないか」


刀に万が一血が付いたら大変な事になる。

手入れが大変だし、手間暇掛かるんだからな。


クリーンを使えば一瞬で綺麗になるが、やはり自らの手で手入れしないといけない。

懐紙を口に咥えず見て居た俺が言っても、いまいち説得力が無いが、手入れをする時はちゃんと懐紙を口に咥えてる。

だが今は、懐紙を口に咥えず抜き身を見てたから、宜しく無かったな。反省せねばならない。


「なぁ、お前は何でそんなに刀とか剣が好きなのじゃ? お前糸使いじゃよな? それなのに剣とか使いたがるけど何でなんじゃ?」


「・・・」


そうですが何か? 確かに俺は糸使いだね、俺の能力は色々あるが、戦う時は糸を使うね。だから?


「お前普通に糸を使う方が強いよな? それなのに向こうでは剣を。こっちでは刀を使いたがるよな? こっちでは戦っておらぬが、もし戦いになったら刀を使うじゃろ? 何でじゃ?」


「別に良いだろ? 何だよ、糸使いが刀使ったらダメって法律あんのかよ? 糸使いは糸だけ使わなきゃいけないって決まりも無いだろ? 良いじゃないか別に。糸使いだって刀とか剣を使っても」


「いや、お前劣勢になったら直ぐ糸を使うよな? それなら最初から糸を使えば良いではないか? お前魔法も全属性使えるのに、何故か剣で戦いたがってたよな? お前の能力は基本糸じゃろ? それに糸を使わせたら正に最強ではないか。なーんで最初から糸を使わぬのかなぁ……。お陰でわらわ助かったから、確かに別に良いのじゃがな」


「・・・」


ま 魔法は使ったりしてただろ? ただ、剣を使う事が多かっただけで、魔法も使ってたし。

劣勢になったら糸を使ってたんじゃ無く、死なない為に糸を始め色々と創意工夫してただけだし。


「お前のあの見えない糸には散々な目に合ったわい。不可視の糸? それにお前、能力で糸を具現化した物と、魔力で作り出した糸。それらをわざわざ見える物、糸と、不可視の糸を組み合わせてデタラメな強さじゃったじゃろ? 最初からアレを使われたら、わらわ間違いなく死んでおったぞ? お前が剣を使ったから、わらわあの時死なず、今生きておる訳じゃが……」


「アレは…… お前がバカっぽかったから、だから命を獲らなかっただけだし。剣を使っても倒せてたし。勘違いするなよな、俺の情けだからな。本当は剣だけでも倒せてたし。糸無しでも勝ててたし」


「まぁそう言う事にしといてやろう。実際わらわ、そのお陰で死なずに助かったからのう。だがお前魔法もあの時使わなかった…… いや、何でもない。そうじゃな、魔法も使っておった気がする。そうじゃな」


「・・・」


くっ…… コイツの優しさが辛い。何時もの様に悪態()かれてた方がマシだ……。


だけどあの時って魔法も使ってた。全く使わなかったって事は無いな。うん、ただ剣をメインに使ってただけで、魔法も使ってたし、糸も使ってた。

それに魔王がバカっポイと言うか、天然入ってて、気が削がれたってのも事実だし。コイツがポンコツ臭かったから、殺伐とした戦いにならなかったってのも事実だもんな。


そう考えれば、コイツってかなり精神的に成長したよな? 今にして思えばだけど。


「ところで勇者、その刀、同田貫じゃったっけ? 幾らしたのじゃ?」


「・・・」


「確か只でさえその刀シリーズは高いのに、かなりの高額であったな? 幾らした?」


「・・・」


「別にお前の金じゃ、わらわが何か言う資格と言うか、権利は無いんじゃがな、只単に興味本位で聞いておるだけじゃ」


ほんの、そう、ほんの千二百万円程しただけだ。これで、千二百万ならかなりお買い得だと思う。

確かに同田貫としても高かったが、コレは物が違う。輝き、艶、美しさ。存在その物が至高にして究極の美であるコレは、それだけの値打ち、いや、価値がある。


中には二千万とか、下手したら三千万位するやつも中にはあるからな。うん、そう考えれば安い。


「しかしその刀シリーズは高いよなぁ。刀が、日本刀自体が高いが、日本では美術品扱いというのもある意味納得出来る。しかしその同田貫よりも、美しい刀は他にもあるじゃろ? 値段も信じられぬ位にバカ高じゃが……、一本で家が買えるとは、最初に聞いた時は何の冗談かと思ったぞ」


「刀は一振とか、一口と書いて一口(ひとふり)とも言うんだ。他にも呼び方は色々あるけど、一本って呼び方は間違いでは無いけど、何か雑な感じがするから一振と言うんだ。俺の同田貫ちゃん達はそんな軽い女じゃ無いぞ」


「お前面倒臭いなぁ……。別にエエじゃろうに。言い方は悪いが所詮は武具じゃぞ、使ってナンボであろう。お前ソレ、実戦で使えるのか? それだけ大事にしておって、使えるか? 勇者よ、お前それでゴブリンを斬れるか?」


「俺の同田貫ちゃんでゴブリン何ぞ斬るか! 俺の、俺の大事な同田貫ちゃんが汚れちゃうじゃないか! いや、(けが)れる、(けが)されちゃうじゃないか~!」


「お前もうそれって武器とは言わんぞ。一振? へえ~ 刀って一腰(ひとこし)って言ったりしてるんだな。腰に差すからか、なるほどじゃな」


「一腰? お前その話、何度もしただろ? 何を今更そんな事言ってんだ? お前やっぱ俺の話を聞いてなかったな? それと武器じゃ無い? お前は同田貫ちゃんを侮辱してんのか?」


この野郎め…… なーんか気の無い返事だったり、カラ返事だと毎回思ってたけど、やっぱ聞いて無かったんだな? 俺がせっかく、同田貫ちゃんの魅力を話してやってたと言うのに、コイツは……。


それにゴブリンを俺の同田貫ちゃん達で斬る? ふざけんな、同田貫ちゃん達が(よご)されるし、ゴブリンの汚い血で(けが)れるだろ。

言うなれば純潔を(けが)される様なもんだ。


「お前本当に、本当に、面倒臭さ際まれりだな。大体だな、お前は刀の話をしてる時、話が長いんだよ。特に同田貫の話をしてる時は、長いし面倒臭いし、正直ちょっと気持ち悪い。大体だな、ネットで調べられるんじゃから、いちいち聞かんでも分かるわい。今もスマホで簡単に調べられたしのう」


「失礼な奴だな……。誰が気持ち悪いだよ? 魔王、お前そんな事を抜かしてやがると、三日三晩、同田貫ちゃんの魅力を教育するぞ? 三日三晩語ってやるよ」


「止めい。それ冗談になっておらんからな、お前ならやりかねぬ。いや、目が本気じゃな…… 勘弁してくれ、わらわが悪かった」


「チッ……。仕方ない、勘弁してやる。魔王お前、そんな事を抜かしてたら同田貫ちゃん買ってやらないぞ。同田貫ちゃんの刀に、脇差し…… 買ってやらないからな」


「いや、要らない、本当に要らない。おい、理由を聞け、まずわらわの理由を聞け。お前目が怖い」


「言い訳か? それとも辞世の句か? とりあえず聞いてやる」


「お前辞世の句って……。それと言い訳では無い。あのな、お前同田貫が大好きじゃろ? 愛してると言う程好きじゃろ? とても大事にしておるではないか。もしじゃぞ、もし万が一じゃな、貰った刀が欠けたり、折れでもしてみろ、お前がどうなるか……。そう考えれば怖くて使えぬわ。それにゴブリンなぞ斬ってみい? お前が悲しそうな顔して、いや、そうなった時のお前の反応が怖いわ」


「・・・」


どうしよう、反論出来ない……。


刀身が欠ける? 泣いちゃうね。ましてや折れる? ふざけんな! 俺は何をするか分からない、自分でも分からないが、多分酷い事になるのは間違いないだろう。それにだ、例え魔王にやった物だとしても、ゴブリンの様な汚れ生物を斬ったりしたら、すごーく嫌な気持ちになると思う。


何だろう? まるで我が子を、我が娘を汚された様な気持ちになりそうだ。

ゴブリン? そんなモン魔法で完全に消してしまうか、聖剣で叩き斬ってやる。


「なぁ勇者、目が怖い、目が軽くイッちゃっておるぞ。これは例え話じゃからな」


「お前、家の子達がそんな目に合って平気な訳無いだろ。例え、例え話であろうと、家の子達をそんな目に合わせるなんて…… お前には人の心が無いのか? この悪魔! 魔王! 魔族! ちんちくりん」


「じゃから例え話と言ったではないか……。なぁ、悪魔はともかく、わらわ一応は魔王なんじゃが? それに魔族って…… わらわ魔族じゃし。それとお前、最後にしれーっとちんちくりんって言ったな? 最後についでみたいに言いおって……」


「うるさい、この人でなし。俺の同田貫ちゃん達をそんな酷い目に合わせられて堪るか! 家の子達はドアマットヒロインじゃ無いんだぞ」


「家の子ってお前……。なぁ、自分で気が付いておるか? 同田貫の話をしてる時、目が軽くイッておるのを自覚しておるか? そして今のお前はアニメで例えると、目がぐるぐるぐるぐると(うず)を巻いてる様な状態じゃぞ。刀が絡むとお前は本当に人が変わるのう……」


大事な大事な家の子達である同田貫ちゃん達を、そんな辛い思いをさせるって、させるって、そんな妄想させるなよな。


魔王の言ってる事は分かる。武器は使ってナンボってのもな。そして同田貫はいわゆる戦場刀だ、蛮用にも耐える為にあると言っても過言ではない。

だけどだからと言って、敢えて辛い目に遭わせるのも違うだろ。

せっかく俺の手元に来て、家の子になったんだから、なら、ならそんな辛い目になん遭わなくても、しなくても良いだろ。


「勇者よ、お前今絶対ややこしい事を考えておろう? わらわもう何も言わんぞ、ややこしくなるのはゴメンじゃ」


「何だと~! 魔王、お前は家の子達がどうなっても良いと思ってんのか? この人でなしめ!」


「も~う。お前本当に、刀が関わると面倒臭いなぁ。わらわ何も言っておらんではないか…… 勘弁してくれ」


「同田貫ちゃん達は俺が守る!」


「分かったから。な。とりあえず落ち着け」


落ち着けだ? そんなもん同田貫ちゃん達の事で落ち着いて居られるか。だが、今俺の手には新たに我が家に来た同田貫ちゃんが居る。そうだな、この子に何か合ったら大変だ、落ち着こう。


「なぁ、自分で言っておいて何じゃが、いきなり落ち着くと言うか、素に戻られるとちょっと怖いんじゃが」


「お前、自分で落ち着けって言っといて、落ち着いたら落ち着いたでそのセリフはどうなんだ? 別に良いけど。まぁ何だ、同田貫ちゃんを持ったまま興奮するのは宜しくないからな、万が一の事があったら困るから気を鎮めたんだよ」


「そ、そうか。なぁ、お前それだけ大事なら刀は使わず、最初から糸を使った方がエエと思うぞ? その方が絶対にエエと思う。それにお前糸で色々出来るんじゃし、ホレ? 立体●動装置的にも使えるし、使っておったじゃろ? それとクモのアレ的にも使えるしの。わらわ日本に来てアレを見て、これをヒントにしたのかと感心したもんじゃ。魔法もそうじゃがイメージって大事なんじゃと、改めて思ったモンじゃぞ」


コイツ話を誤魔化しやがったな? しかし立体機●装置って……。俺のはアレ程機動力は無い。

糸をアンカー状に出来るが、俺の糸はアレ程飛ばないし、そこまで機動力がある訳じゃ無い。精々近距離の移動に使えるだけだ。


魔王の言う魔法はイメージ力ってのは同意出来る。確かに柔軟な発想、イメージはとても大事で、それにより威力も格段に上がる。

多分日本からの召還ってのは、物語の中だけで無く、リアルであってもとても効果的なやり方だと思う。何故なら日本人程その様な力、妄想力は他国の人間に比べ抜きん出て居る人種は居ないと思う。それに加え、それ系の創作物は世界一だ。


漫画にアニメにライトノベル。そう考えれば確かに効果的であるし、生まれた時から身近であり、常に慣れ親しんで居る。そんな日本人は魔法とか無い世界にも関わらず、何故か土台となるものがあり、潜在的な物があるからか即戦力になりやすいからな。


と言ってもある程度の訓練と言うか、修得? 修行? は必要だし、努力も必要だ。


異世界召還は人によっては夢の世界、憧れかもしれない。例え向こうで過酷な生活や暮らしであっても、それでも憧れを持った人間は多いと思う。

だけど、召還って言っても所詮は誘拐、強制拉致でしかないし、召還された側から見たらたまった物では無い訳だが。


所詮は憧れや夢は、空想や妄想の中が一番輝くんだろうな。現実はクソだし、生活と言うか、生きて行くと言う意味では向こうもこっちも一緒だ。


人が人である以上、人の本質は変わらない。本当に現実はクソだよ、いや、クソ以下だな。


「しかしお前の糸よ。アレ反則じゃぞ。不可視の糸を使えるくせ、わざわざ見える糸を出されたら対応出来ぬぞ」


おっと、思考の海に沈んで居たか? 嫌な現実を直視してたとも言えるな。まぁもう良い、終わった事だ、魔王アレクシアさんの質問に答えるか。


「ある意味初見殺しだからな。それに見える糸があったら人はそれに気を取られ注意をする。そう思って編み出した技だぞ、それなのにお前見抜いたよな?」


「そりゃな。じゃが最初は分からんかったぞ。お前が言う様に、見える糸に気を取られたからの。本当に危なかった、さっきも言ったが最初から糸を使われたらわらわ今ココに()らんかったわ」


「良く言うよ、お前それでも最悪逃げてただろ? 勝てずとも、負ける事は無かったはずだ。逃げに徹せられたら、多分逃げおおせられたと思うぞ。実際お前、アレ以降も勝てないと踏んだら即逃げてたよな?」


「どうだかな? じゃが初見では本当にギリギリじゃったぞ。わらわ本当に本当に死ぬかと思ったし、あの時程、死を身近に感じた事は無いな。それにアレからも結局勝てず、毎回逃げたが屈辱だったんじゃからな」


「だけどお前負けても無いだろ? 勝てなかったが負けてもいない、それがお前に対する俺の評価なんだけど。俺的にもお前には勝てなかったってのが正直な感想かな? 大体だなお前、毎回毎回性懲りもなく挑んで来るからだろ? 軍をぶつければ良かったんだよ」


懲りないと言うか、往生際が悪いと言うか、学習能力ゼロか? って位に挑んで逃げて、同じ事の繰り返しだったんだよなぁ……。


「わらわは負けっぱなしじゃと思ってたからの。悔しいではないか、どうしても勝ちたかったんじゃ。だから軍をぶつける事をしなかったし、それ以前の問題で、どうせぶつけても殲滅されるだけじゃし、意味が無い。それならわらわがやるしかなかろう」


「お前の負けず嫌いは本当に厄介だよな。もっと早く話し合えば、さっさと決着がついたのにな。個人の戦いで済むならそれが一番犠牲が少なかったのかも知れないが、種族間の争いを、その争い自体を根本的に終わらす方が手っ取り早いんだ。そう思ってたら()()()お互いの強硬派が戦場で同時に討ち死にしたから、あの戦争は終わったけど」


「悪いやっちゃな」


コイツめ、ニヤニヤと……。それを言うならお前だって十分、悪いやっちゃな奴だぞ。

俺もお前も五十歩百歩、お互い様だよ、ドングリの背比べ、どっちもどっちだ。


「全て終わった事だ。終わりよければ全て良し。世は全て事もなし。それで良いじゃないか」


「それもそうじゃな。良し、ならわらわ達の戦いは配管工カートで決着をつけるとしようではないか」


「何が良しだよ? どうせ又負けて半泣きになって、泣きのもう一回って事になるだけだぞ」


「何だとぉ、わらわ今日は負けぬ、何か今日は勝てる気がする。必ず勝つ!」


「お前本当、負けず嫌いだな。ぶよぶよにしたら俺には勝てるぞ、お前アレだけは無茶苦茶強いんだから、どうせならぶよぶよにしておけば良いのに」


「フッ…… わらわ勝てる戦い等興味は無い。配管工カートでお前に、勇者に勝つのじゃ!」


「ほう…… 言ったな? どうせ配管工カートで俺にボロ負けして、じゃあぶよぶよでってなるクセしやがって。叩き潰してやるよ魔王」


「今日は逆に泣きを入れさせてやるわい。覚悟しろよ」


「返り討ちにしてやるよ魔王」


「よーし、わらわ達に言葉は要らぬ、やろうではないか。ちょっとセットするから待っておれ」


ゲームのセットをする魔王を見て思った。


平和になったもんだ。だがそれで良い、うん、コレが良い。無駄に争い、血を流すより遥かに良い。


「良し、セット完了。さぁやるぞ勇者」


「完膚なきまで叩き潰してやる。覚悟しろ魔王」


「勇者よ、わらわを返り討ちにすると言ったが、泣きを見るのはどっちかの? 完膚なきまで叩き潰してやる? わらわのセリフじゃ」


「面白い冗談だな、やってやるよ。泣かせてやるよ」


魔王の奴、ムッキーとか言って熱くなってやがる。バカめ! 戦いはもう始まっているんだ、冷静さを無くしたお前は絶対勝てない。勝負は決まったな。


「あっ! いきなり弾き飛ばされた、何でなんじゃ~ おかしいじゃろ~?」


今日も変わらず平和だ。


20時と22時にも投稿します。

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