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第14話 勇者(元)ロリコンになる


何だ? 何で魔王の奴、こんなに可愛いんだ?

アレ? 可愛い過ぎるぞ。


「おい勇者。何故わらわを見つめておる?」


「いや…… 別に……」


うーん…… 本当、可愛いなぁ……。ん? 何で俺はそんな事を思ってる? 何かおかしいぞ?


「おい、さっきからわらわの事を見ておるよな? なぁ、わらわの事をチラチラ見ておるよな? チラ見しておるよな」


「・・・」


何で俺は魔王を見てしまうんだ? チラチラ見てしまってるし、チラ見もしてしまってる。

何故俺は魔王から目を離せない? 何かおかしいぞ。変だぞ俺。


しかし…… 魔王のちっこい身体。可愛らしい唇。サラサラの金色の髪。綺麗なグリーンアイ。

その瞳はまるでエメラルドの様だ……。引き寄せられるほど美しい……。


細い手足も良い、凄く良い。その小さな身体と細い手足…… 堪らんな……。


「おい勇者、お前本当どうした? わらわをチラ見どころか、ガン見しておるではないか。それに何故わらわを見つめる目が妖しいのじゃ? 気のせいか熱を帯びておる気がするんじゃが……」


嗚呼…… その困惑する顔も又良い、凄く()い、とてもイイ……。


「おい、お前わらわの話を聞いておるのか?」


魔王の奴…… コイツこんな可愛かったんだな…… ヤバい…… こんな可愛い生き物がこの世に居るなんて……。アレ? なーんか俺おかしいぞ、いや、おかし過ぎる。


「なぁ大丈夫か? お前本当に変じゃぞ」


「あっ、ああ…… 本当変だよな、お前が凄く、物凄く可愛く見える……」


「はぁ? お前何を言っておる? えっ、ドッキリか何かか?」


いや、本気でそう思ってる。そう思ってしまってる。なんだ? 魔王の奴、可愛い過ぎだし、凄く魅力的に見える。何で? えっ? 魔王は俺の女の好みと全然違うんだが、何故こんなにも心ときめく?


「・・・」


「おい、何か言えよ、黙られると不安になるではないか。何時もなら色々言うじゃろ?」


「・・・」


やべえな…… 焦ってる姿も凄く良い。ずっと見て居られる。やはりおかしい、俺はどうした? どうなってしまったんだ?


「だからお前、わらわを見る目がおかしいぞ。どうした? あの声がしてから何かおかしいぞ」


「魔王、ちょっとこっちに来てくれ」


ちょっと待て、俺は何をしようとしている?

ダメだ魔王来るな、来ちゃダメだ。


「なんじゃ? 行ったら良いのか?」


ダメだ我慢出来ない。口に出したらダメなのに。口に出したら…… でも言いたい、何でだ?


「魔王、俺の膝の所に後ろ向きに座ってくれ」


「後ろ向きに? エエけど……」


「くっ…… もっと後ろに来て座ってくれ。俺に背を預ける様に座ってくれ」


バカな、何を口走ってるんだ俺は? 止めろ。だがどうしてもこうしたい。


「おいどうした? 苦しいのか? 身体が震えておるぞ。ホレ、座って背をお前に預けたぞ。もたれ掛かったけど……」


「ダメだ魔王、離れろ。いや、このままもたれ掛かってくれ……」


「えっ? お前言ってる事が無茶苦茶じゃぞ。わらわどうしたら良いんじゃ?」


「このまま居てくれ…… ダメだ離れ…… いやいや、このままで居て欲しい……」


「勇者、お前大丈夫か? さっきから…… うにゃあ」


「お前は本当に可愛いよな…… 魔王、いや、アレクシア……」


「お、お、お、お前…… 何故わらわを抱きしめておる? 後ろから抱きしめるな! おい! 聞いておるのか?」


「アレクシアごめん、ダメだ、お前が可愛すぎて、このまま抱きしめて居たい」


「おい、お前どうした? わらわのお腹のとこを抱きしめるなよ。えっ? 壮大なドッキリか? えっ、何コレ? どうなってんの?」


「アレクシア…… 可愛い……」


「おい、ギュッとするな。家の中でわらわの名前を呼ぶってお前、えっ、どう言う事? 何なんじゃコレ?」


俺は何してんだよ? くっ…… 何でこんなちんちくりんを抱きしめている? だが…… ちんちくりんが良い、ロリ魔王が、ロリのコイツが可愛い。クソっ! 何で魔王なんかを…… でも離したくない。


「アレクシア…… 可愛い……」


「お前さっきからわらわを、か、可愛いって…… それにアレクシアって言っておるが、何? 何なんじゃこれ? おい、ギュッとするで無い、お~い!」


クソ! 何が可愛いだ。可愛い? このちんちくりんのロリ魔王が? おかしい、おかしい。確かにコイツは整った顔をしている。確かに可愛いんだろう、顔自体は可愛い、それは認める。だが普段の(おこな)いがあるから、俺はコイツを可愛いって思っていない。


だがどうだ? 今俺は、コイツが可愛くって仕方がない。本当に、心から可愛いって思ってる。いや、思ってしまってる。なんでだ? これじゃあ俺はロリコンになったかの様ではないか。


「お、おい勇者、お前、お前さっきから何を言っておる? 自分で言っておる事が分かっておるか?」


「クソ! アレク…… 魔王、俺から、俺から離れろ。早く離れるんだ……」


「いやいや、離れられんわ。お前わらわをギュッとしておるのじゃぞ。どうやって離れると言うんじゃ。ひやぃ! お、お前、おい!」


「アレクシア。柔らかな身体してるよな、小さな身体でロリで、本当に可愛い。クンクンクン、良い匂いだ……」


「おーい! おま、おま、わらわの匂いを嗅ぐでない! ちょっと~ 止めろよ~ いや本当に! かっ、嗅ぐなよ。勇者~! 嗅ぐでないと言っておろう」


「嗅いで無い。お前は何を言ってんだ? スーッ。ハァ~。クンクン」


「いやいや、お前嗅いでるよな? 絶対わらわの匂いを嗅いでおるよな? ちょっ…… 本当に止めい」


くっ…… 何でコイツの匂いなんか…… 匂いを嗅がなければならない? だけど…… 良い匂いだ……。

いやいや待て。流石にコレはおかしい。俺は魔王を後ろから抱きしめたいって言う、欲求に逆らえない。魔王の匂いを嗅ぎたいって言う欲求に抗えない。何でだよ、クソ!


「アレクシア……」


「お~い! お前わらわをギュッとするのは止めろよ。に、匂いも嗅ぐでない。いや、本当に」


「お前が可愛いのがいけないんだ。それにお前とっても良い匂いだぞ」


「可愛い言うな! 良い匂いとか関係無いから。なぁ、本当に止めれ、いや本当に」


「アレクシア、抱きしめられて痛いか?」


「痛くは無いけど。絶妙に優しくギュッとされてるけど。そう言う問題では無いんじゃ、それと名前を呼ぶのも…… だからギュッとするでない」


ダメだ。コイツが、魔王が、アレクシアが可愛くて仕方ない。もっと抱きしめたい。もっと……。


いやいや、何を言ってんの俺? クソが! 何が抱きしめたいだよ? 何が可愛いだよ? このポンコツのアレクシアを? ふざけるな、コイツの身体の柔らかさ? クソ! 抗え! 抗うんだ! この想いに抗うんだ!


「アレクシ…… ア…… ま、ま、魔王、俺から離れろ、早く離れろ、い、今の内に…… は 早く……」


「だからギュッとするのを止めろ。わらわ今、お前に後ろから抱きしめられておるのじゃぞ。どうやって離れろと言うんじゃ?」


「クッ…… す、隙間が出来ただろ? その隙間から早く…… 早く脱出しろ……」


「いやお前、確かに少し隙間が出来たけど、これ無理じゃぞ。あっ! お前又わらわの匂いを嗅いだな!」


「クソっ! こっ、これでどうだ? 早く俺から脱出しろ。してくれ……」


「さっきより隙間は大きくなったけど、まだ無理じゃぞ。お前汗が凄いけど、大丈夫か? と言うか何でこんな事になっておる? わらわお前の手のわっかに囚われておるんじゃが?」


「早くしろよこのポンコツのアレクシア。身体を斜め横下にずらして…… 手、手のわっかの下から出たらイケるだろ? 早くしてくれ…… この…… ぜっ、絶世の美少女めが! お前本当、早くしてくれ」


「ばっ! バカな事を言うでない。だ、誰か絶世の美少女じゃ。は、恥ずかしいではないか……」


このポンコツ! 早くしないと又抱きしめる事になるだろうが! クッ…… ダメだ、抗いきれない、このポンコツ魔王めが! 折角のチャンスを。


「くっ、ダメだ、力が…… 力が入らない、又かよ? この状態を終わらす折角のチャンスを……」


「勇者、お前は何なんじゃ? 離れろとか、脱出しろであるとか言っておきながら、又わらわを抱きしめておるではないか? お前何をしたいんじゃ?」


「・・・」


コ コイツ…… お前が変に、いや、無駄に照れるからだろ。今のはチャンスだったのに。それなのにコイツときたら……。


「なぁお前、本当に何がし…… うぉーい! コラ、わらわのお腹を揉むでない、や、止めんか勇者。バッ、バカぁ、本当に止めろ」


「お前のせいだろ? アレクシアが無駄に照れるから、脱出のチャンスを逃したんだろうが! お前なんかこうだ! 腹を揉んでやる! クソっ、柔らかいなぁ、最高の揉み心地だ。アレクシア…… ハァハァ……」


「おまっ! おいお前、息遣いがおかしいぞ! 止めい。ちょっ……」


「これはクリ●ンの分だ! お前なぁ、出るスペースが出来たんだからさっさと脱出しろよな。もう! そのお陰でアレクシアを抱きしめる事が、抱きしめ続ける事が出来るだろ!」


「お前言ってる事が無茶苦茶じゃぞ。おい、お腹揉むの止めろ」


「俺だってもう揉みたくねーよ。最初はお仕置きのつもりだったけど、何か止まらなくなってんだよ。クソが……」


何が悲しくってコイツの腹を揉まなきゃいけない? しかも俺の膝に後ろ向きに座らせ、俺の身体に背を預けた状態だぞ。それに抱き締める事が止められないし、何なのコレ?

いかん、少し話し合おう、そうしないとこの状態は終わらない。間違いなく続く事になる。うん、現状を、そして何故こうなったかを話し合う必要があるな。


「おい、絶世のポンコツ美少女」


「お前なぁ、わらわを褒めておるのか(けな)しておるのかどっちじゃ?」


「知らん。それより何でこんな事になったかを話し合うぞ。情報の()り合わせをしよう」


「話し合いとか、擦り合わせ以前の問題で、お前がわらわに膝に座れ、そして背を預ける様に座れと言うから座ったんじゃろうが? それで座ったら、わらわを、だ、抱き締めるからこうなっておるのだろうが?」


「お前まさか俺に抱き締められて、照れてんのか? 可愛いなぁ、クソ! 照れてるお前は本当に可愛い。なぁ、何で俺がそんな事してるか、言ってるか、違和感無かったのか? 普段の俺と違うと思わなかったか? 不思議に思わなかったか? お前不用意に座んなよ、お陰でお前みたいな可愛い女を、美少女を抱きしめられたじゃないか」


「お前自分が言っておる事が、無茶苦茶だと分かっておるか? まぁ今はそれは良かろう。そりゃ違和感はあったし、不思議ではあったが、何か苦しそうであったし、懇願する様な目で見て来られたからなぁ…… だからつい? 座った訳じゃが」


コイツ一応は俺の事を心配したからか。だが俺が、明らかに何時もと違う事にもう少し、そう、もう少し注意してくれてたら、そしたら今のこの状態は回避された訳だが…… そこまでコイツに求めるのは酷だな。

だってコイツは基本的にポンコツだもの。うん、そこまで求めるのは酷以外の何物でもない。


「クソ…… 離したいのに…… 離したいのに、お前を離したくないって気持ちが強い。しかもお前が可愛くって仕方ない。コレ多分あの神の仕業だな、あの光と声、アレからだ、アレからこんなになってる。しかもアレクシアが言ってた、光が神聖さを帯びてたって事は、間違いなくあの神の仕業だな。どう思う?」


「えっ? うん、そう…… じゃな」


「アレクシア、俺の話聞いてる? もしかして抱きしめられて痛いの?」


「いや、ギュッとされておるが、優しく抱きしめられておるから大丈夫じゃ。だ、大丈夫じゃ……」


「?? そうか? なぁ何かお前顔赤くない?」


「き、気のせいではないか? それか見間違いじゃろ? わらわ大丈夫じゃぞ」


「なぁ…… アレクシア、まさか俺に抱きしめられて、照れてんの? 恥ずかしいの? お前、可愛すぎだろ」


「て 照れておらんわ。お前わらわの事を可愛いとか言うなよ…… それと家の中で名前を言うのはどうなんじゃ?」


あっ…… コイツ照れてるわ。顔を真っ赤にしておいて、照れて無いって言っても説得力は無いと思うぞ。

その原因を作ってる俺が言うのもどうなんだって思うが…… お前が言うなって言われれば、言い返す言葉は無いんだがな。


「仕方ないだろ、アレクシアが可愛いんだから。それとさっきの話だけど、コレって普段の俺と全く違う行動、発言だよな? あの神が、言ってただろ? 『その願い叶えて進ぜよう』って。アレクシア、お前俺に何か言ってたよな? 確かロリコンになってしまえって」


「又名前で言う…… まぁもうエエわい、今はな。で? 神の声の前にわらわが言っておった事か? 確かにロリコンになってしまえと言っておったな、何度か言った」


「なぁ、それが原因じゃないのか? 俺もしかしてロリコンになって…… 違うな。ロリコンにされてしまったんじゃないか? あの神に?」


そうとしか思えん。あの光の直前にアレクシアが言ってた事。そして神聖な光であった事。で、今俺はアレクシアが可愛くて可愛くて仕方ない。

このロリのアレクシアが? うん、可愛いね。

あの光と声の前は何とも思って無かったのに、アレから可愛くて仕方ない。


俺は大人な女が好きなんだ。それなのに今は、ロリのアレクシアが可愛くて仕方ない。

逆に今は、大人な女は只のババアにしか思えない。大人な女? ババア? 興味を持てない。


おっぱいおっきな女? ムダな脂肪をブラブラさせて見苦しいとしか思えない。

背の高いスラッとした女? 気持ち悪いとすら思ってしまってる。


おかしい、明らかにおかしい。俺は背の小さい、おっぱい…… ちっぱいが、ペタんとした胸が良い。

大人な女より、幼さと儚さのあるアレクシアの方が良い。

年齢は大人だが、合法ロリのアレクシアが至高だと思ってしまっている。


うん、ヤバいね。コレ、完璧にロリコンになっちゃってるね。大人な女よりロリが良いと、心から思ってるし、思ってしまってる。


俺の膝に座り、俺に抱きしめられているアレクシアの横顔をチラッと見る。やっぱ可愛い。アレクシアの幼い身体から発せられる体温が心地好い。


あっ、ダメだこりゃ、コレ結構ややこしいかも。

どうしたら良いのコレ?


「う~、だ、抱きしめるの止めろよ悠莉……」


早く何とかしないと、取り返しのつかない事になるぞコレ……



20時と22時にも投稿します。

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