表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/50

第10話 魔王死す やったか?


晴れ渡った良い天気の日である。


暑くも無く、寒くも無く、心地良い? 心地好い? そんな陽気だ。

だがそんな爽やかな、気持ちの良い今日この日を邪魔する奴が居る。


「おい魔王、俺の太ももに(あし)を乗っけるな」


「エエじゃろ別に。わらわこの方が楽なんじゃ」


「俺が楽じゃないんだよ。暑苦しいし、凄い邪魔。おい、足をブラブラさせるな」


「あー 楽チン楽チン」


「お前なぁ、ソファーの肘掛けの所に頭を乗っければ良いだろ。首を肘掛けに乗せたら良い。首の裏がマッサージされてるみたいで気持ち良いし、楽だと思うぞ」


「ふふーん。勇者よ、アレは肘掛けでは無く、アームと言うんじゃぞ」


「・・・」


魔王の奴、どうせそれネット知識だろ? ソファーのアームの部分、何て普通は言わないわ。ほとんどの奴は肘掛けって言うわい。ムダな知識を…… それにしても魔王の奴、俺よりネットを使いこなしてないか?


「おい、だから足先をブラブラさせるなって」


「足先では無い! 膝の裏を起点に、膝から先をブラブラさせておるのじゃ。言葉は正しく使え、勇者よ」


「やかましいわ、どっちでも良いわそんなの! お前マジで邪魔。暑苦しいし、鬱陶しい。離れろ」


「い や じゃ♪」


こ、コイツ、俺が嫌がってるのを楽しんで居やがる。何てしょーもない嫌がらせを……


「あー 楽、楽~」


「お前マジで()めろ、離れろ。お前のきったない、臭い足を俺の脚に乗せるな」


「はぁ~? 誰が汚いじゃ、わらわの足は汚くもないし、臭くも無いわ。わらわ毎日風呂に入っておるし、クリーンも掛けておるのじゃぞ。わらわの足ほど綺麗な奴はおらぬわ」


「お前凄い自信だな? どうでも良いから本当にどけろ、マジで邪魔」


「丁度良い脚乗せがあるのだから仕方ない。大人しくしておれ」


コイツは何を抜かしてるんだ? このソファーは無駄にデカイし、横幅だって広いんだぞ。幾らでも空きスペースはあるだろうが。それなのにわざわざ俺にくっ付いて脚乗せにするなよな。


「なぁ、仰向けになってゲームするのやり難く無いのか?」


「いや、別に。頭にクッション敷いてるから意外とやりやすいぞ。それに携帯型の小型ゲームじゃからな、据付け型のゲームみたいに、テレビを画面にしてやる訳では無いし、この体勢でも首も痛く無いな」


で、俺の太ももに脚を乗っけて更に楽と、そう言いたいのか? 何でコイツはこんなみみっちい嫌がらせをやるんだ? あー そうか、ガキなんだな。あっ、コイツ又、足をブラブラさせるスピード上げやがった。


振動が鬱陶しい。えーい、暑苦しい。魔王の体温が生暖かい。この生暖かさと言うか、生温(なまぬる)さが気持ち悪い。ガキの身体は体温が高いから、本当に暑苦しくなって来たぞ。


「ん? 勇者よ、何故わらわの足を持つ」


「足じゃありません、足首です。魔王君、言葉は正しく使いたまえ」


「おい何をしている? 足を持ち上げるな」


「・・・」


「おい、(なに)か言えよ。無言で持ち上げるな」


「何か」


「おい! 何か言えと言ったが、何かってだけ言うな。そうじゃ無いじゃろ」


「うるさいなぁ。邪魔だからお前の足をどけるだけだろ。両足首を持たなきゃどかせないから持ってるんだよ」


バカめ! 抵抗しても無駄だ。力で俺に勝てるとでも思っているのか? このまま両足首をかっちり掴んで放す訳無いだろ。


「おいおいおい、ひっくり返る、後ろにゴロンとひっくり返ってしまうではないか。わらわをひっくり返すな、わらわ後ろに一回転してしまうではないか」


「後方に一回転させようとしてんだよ。ホレ、ひっくり返れ、そりゃ!」


「くっ…… 何たる屈辱。引っくり返されるのがこんなに屈辱とは…… 何たる屈辱感じゃ」


「悪は滅びた。魔王討伐完了!」


「やかましいわ、魔王討伐言うな。あの様な恥ずかしい格好をさせおって…… わらわのこの羞恥心と屈辱感、わらわを辱しめおって」


「何が羞恥心だよ、辱しめとか言うな。ただ無様(ぶざま)なだけだろ? ん~? 無様よなぁ、魔王よ」


「くっ…… なんと言う屈辱」


後方でんぐり返しされた位の事で、コイツは何をそんなに屈辱感を感じてるんだ? 魔王の羞恥心を感じるポイントが分からん。


大体、羞恥心と言うなら、コイツは初めて我が家に来た時の事を、忘れてるのかな? 神にすっぽんぽんにされて、俺に裸を見られてる訳だが? うーん、流石にその事を言ったら魔王の奴が又、怒るから言わないがな。


あの時も大変だったんだ。裸を見たとかどうとか、ギャー ギャーうるさかった。宥めるのが大変だったよ。俺がひん剥いた訳でも無いのに、酷い話だよ全く。ん?


「て、おい! お前なに又しれーっと脚を乗っけてんだよ。邪魔だよ、乗せるな、どかせ」


「うるさい、わらわ傷付いた。よってわらわの足乗せの刑とする」


「何が足乗せの刑だよ、あっ! 足をブラブラさせるな、だから何で俺の太ももに乗っけてブラブラさせんだよ?」


「おい勇者、お前わらわの話しを聞いておらんかったのか? 楽チンじゃからブラブラさせておると言うておるではないか!」


「何で俺は逆ギレされてんだ?」


えっ? これって俺が悪いの? 何で?


「わらわの楽チンを邪魔するとは、とんでもない奴じゃのぅ。それに今は足乗せの刑の執行中じゃぞ」


お前は理不尽ガキ大将か? 大体俺は、足を乗っけられて喜ぶ特殊性癖の持ち主じゃ無いぞ。

彼女にやられるなら可愛らしい行為だと思うが、魔王にやられても邪魔なだけだ。大体だ……


「おいこら魔王。元の姿のお前にやられるなら、ちょっとは嬉しいが、今の姿のお前にやられても全く嬉しく無いんだが。むしろ邪魔と言う感情しかないんだけど?」


「なんだとぉ、わらわのどこが不満なのじゃ。ん? もしかして照れておるのか勇者?」


「んーな訳ないだろ、ガキにやられても嬉しく無いって言ってんだ。こう言う事は、元の姿に戻ってからやれ、そしたらちょっとだけ嬉しいから」


「はぁ~? 何なんじゃ、ちょっとって? 無茶苦茶嬉しがれ」


「お前本当、面倒臭いな。とにかくもう止めろ、本当に暑苦しいんだよ。それに振動が何か嫌、気が散る」


「今は別に何もしておらんじゃろ」


「今俺はテレビ観てるだろ、テレビに集中出来ないんだよ。足をブラブラさせるなら、肘掛けかアームか知らんけど、あそこに乗っけてやれ」


コイツは人の太もも使ってやりやがってからに、邪魔で邪魔でしょうがない。やるなら肘を乗せる所でやって欲しいものだ。


「あそこでやったら、行儀悪いって言うではないか」


「今までやった事無いだろ? だから俺もそんな事を言った事は無いんだが? まぁ良い、今日は特別だ、あそこでやって良いぞ」


確かに行儀が悪いが、今日は許そう。じゃないと魔王の奴の、足ブラブラ攻撃にさらされてしまう。


うん、今日だけは許そう。俺の精神の平穏の為にもだ。そう、俺の安らかな一時(ひととき)の為にも仕方がない。

お行儀悪いが今日は、目を(つぶ)ろう。とは言え…… 明日やったら注意はするがな。


「えー、イヤじゃ」


「はぁ? 何でだ?」


「あそこは位置が高過ぎて、微妙に落ち着かん。今日はあそこの気分では無いんじゃ」


意味が分からん。位置が高過ぎてってのは分からんでもない。だけど気分ってなんだ? どんな気分だよ?


「あっ、コラ魔王、ブラブラさせんな。本当止めろ、いやマジで」


あー もう。暑苦しいって言ってんのにコイツだけは…… 仕方ないな、実力行使しかないか


「お前止めないと又、後ろにひっくり返すぞ」


「止めんか、わらわ天地無用じゃぞ。止めい」


「お前なんで天地無用って知ってんだ? ネットか? なぁ、ネットで得た知識か?」


コイツ、日本人でも知らない奴が結構居る、天地無用を知ってるって、どんだけ日本に慣れたんだよ? ネットで得た知識だとしたら、ネットってやっぱ役に立つ物なんだなぁ。


「わらわの叡智を(あなど)るで無いわ。あっ、コラ、足を持つで無い。止めい勇者」


「バカめ、止めろと言われて止める奴が居るかよ! お前が何を言おうと俺は止めない。又ひっくり返してやるわ」


「キャー 勇者さんのエッチ」


「お前は未来から来た、青タヌキの物語に出てくる、風呂好きのあの子か?」


「きゃー 勇者さんのエッチ」


「だからお前は……」


何がエッチだよ、両足首持ってるだけだろ? 魔王の奴、どんだけアニメが好きなんだよ? 俺も未来から来た青タヌキの物語は好きだぞ。しかしコイツ、勇者さんのエッチって……


「おい勇者、本当に止めろ。わらわは天地無用だとさっき言ったではないか、ひっくり返すでない。足を放せ、おい止めろと言うておるに」


「魔王討伐第二弾! ほりゃ、後方強制でんぐり返りさせてやる。良し、討伐完了!」


「コヤツ又やりおった。まさか、わらわを辱しめて楽しんでおるのか?」


「正直ちょっと楽しいな。何だろうこの軽い優越感? 無様にひっくり返される魔王の姿は笑えるな」


「わらわはちっとも笑えんのだが。だが甘いな勇者よ。わらわ流石に慣れたから次は効かぬ」


あっ! コイツ、また俺の太ももに足を置きやがったぞ。何て素早い動きだ。


「お前止めろって言ってるのに、懲りない奴だな。もう一度引っくり返されたいらしいな?」


「バカめ! さっきも言ったが流石に慣れたわ! もうあまり効かぬわ」


「いや、それって少しは効くって事だろ? えっ、何? それって前フリか? なぁ、前フリなの?」


「ちがうわ、何で前フリなんじゃ。そんなお約束はいらぬ」


じゃあ何で再びやる? これってそう言う事じゃ無いのか? やるなよ、やるなよって前フリ以外の何があるんだ?


「おい勇者、わらわを辱しめて喜ぶ変態勇者よ」


「お前誰が変態だ。失礼な奴だなお前。大体だな、やるときは両方の足首をきっちりくっつけて、足が開かない様に気を遣ってやってるだろ? アレ、足を開いてやったら本当に恥ずかしい後方でんぐり返しになるから、きっちり閉じてやってるのにお前ときたら……」


もし足を開いてやったら、恥ずかし固めみたいな格好で一回転する訳だが、わざわざ足が開かない様に気を遣ってしてるのに、それなのにコイツめ。


「何を言う。足を開いてやったらソファーの背もたれに当たって出来ぬわ」


「いや、やろうと思えば背もたれに当たらず出来ると思うぞ、魔王よ。あっコラ、何気に足をブラブラさせんな」


コイツ、楽しそうに笑いやがって。本当に大股開きでやってやろうか?


「あー 楽チン楽チン、わらわ楽チンじゃ~」


「・・・」


魔王の奴め、今まで片足だけでブラブラさせてたのに、今は両足でブラブラし始めたぞ。心底楽しそうにしやがって…… どうしよう、又ひっくり返しても芸が無いな。何か良い手はないのか? ん? まてよ……


「魔王、今すぐ止めないと、俺は対魔王用最終奥義を発動させるぞ。良いのか?」


「なんじゃ? 聖剣でも出すのか? それともやはり、わらわをひっくり返すのか? 慣れたからあまり効かぬと言っておろう」


いや、だからそれって、まだ効果はあるって事だろ? やっぱ前フリか? うん、前フリにしか思えない。だがやるにしても今からやるのは全く違う攻撃方法だ。ふっふっふ、魔王よ、お前に耐えれるかな?


「最終警告だ魔王よ。この攻撃は防ぐ事の出来ない、究極奥義だぞ。悪い事は言わん、今すぐ足をブラブラさせるのを止めるんだ。そして俺の太ももから足をどけろ。俺はお前の為に言ってやってるんだぞ」


「ふっ…… 大層な。どうせわらわを二回転させてひっくり返すとかであろう」


その手もあったな。魔王め、中々考えてるじゃないか、だがそれより更に効果的な技だ。


「魔王、止めないお前が悪いんだからな。俺は警告したぞ、そしてこれは最後通牒だ。悪い事は言わん、もう止めとけ」


ほう…… それがお前の答えか、魔王よ。

リズミカルに両足をブラブラさせる、それがお前の答えなんだな?


「対魔王用最終奥義発動!」


「おい何をする勇者、や、止めんかぁ~」


「俺は警告したはずだ、そしてこの技は一旦発動したら自分の意思では止まらん。俺の意思とは関係無く動き続ける」


「な、何なにをアホな事を言っとるんじゃ! おい、止めろ勇者、く、くすぐったいではないか、止めろ~! ぼひょ…… いひゃひゃひゃひゃ。おひょひょひょひょ。あひゃ、ぎひゃぐひゃ。や、止めい、おひょひょひょぶふっ」


「くっ…… 俺の、俺の意志? 意思? どっちでも別にどうでも良いが、手が止まらない。手、手がぁ~~~! 俺の手が勝手に……」


「ぶひょひょひょ、止めろ~ 勇者。な、な、何が手が~じゃ。わ、脇腹をくすぐるのを…… ぼほお。止めろ~ わら、笑い死ぬ、ひゃひゃ、アホな事を言っとらんと止めんか。ぶひゅひゅ」


この技だけは使いたくなかった。くっ…… まるで世界の意思が、アレ? 意志だっけ? まぁ別にどっちでも良いか。とにかく、世界が俺にそうさせてるかの様だ。


うーん、もう少し強めにくすぐっても大丈夫そうだな? もっと強く、そしてリズミカルにかつ、不規則にくすぐろう。あばら骨辺りも効果的だな。


「魔王、早く俺から離れるんだ。このままでは、このままでは……」


「はな、はな、はな、離れられんわ~! ヤメ…… ぐひょ、ぐぷぷぷぷ。ゆうじゃ~ ヤメ…… ぶひゅ、ぐひゃひょ」


「くっ…… これが世界の答えなのか? 世界はそう望んでいるのか?」


「あっ、アホな事は、ぼほほほほ、ぐほほ。アホ、アホな事はヤメ…… ほへへごひょ」


魔王の奴、大分効いてるな。もう少しやってみよう。あっ、ヨダレが…… きちゃないなぁ、うわっ、鼻水も出てきそうだぞ。


「これが、これが世界の選択なのか?」

「くっ…… 鎮まれ、俺の手よ……」

「抗えない、俺の力はまだ及ばないのか? フフッ」

「俺は、俺は何て無力なんだ! んふっ」


「・・・」


「くっ、止まらない、発動してしまったらもう止まらないんだ!」


「・・・」


「世界を、世界を救う為には仕方なかった、仕方なかったんだ……」


「・・・」


アレ? 魔王の奴なんか静かだな? 笑い声どころか、言葉を発して無い様な気が? ん~? 魔王の奴、気のせいか軽く白目剥いてないか? そう言えば、二~三分前から静かだった様な気が……


魔王の奴、息してるよな? 息してない様な気がするのは気のせいだよな? もしかして魔王死んじゃったとかでは無いよな?


「えっ、俺もしかして魔王を…… やったか?」


殺っちゃった? 魔王を笑い殺しちゃった?


いやいや、待て待て待て。回復魔法か、エルフの秘薬を使えばギリ、イケるか?


「おい、魔王、死ぬな、生き返れ。ん?」


あっ、微かに、微かにだけど胸辺りが上下してるぞ。脈は…… あるな。 息も…… してるか。

あっぶねー 死んだかと思ったわ。生きてる生きてる。但しヨダレが出てるし、微妙に鼻水らしきモノが出てる気がしないでもないが、生きてる。


うーん…… 魔王の奴、軽く白目剥いてるし、コレ死んだって俺が勘違いするのも仕方ない。だけど生きてる。なら大丈夫か。


「おい、魔王、起きろ」


「・・・」


「魔王? 生きてるんだろ? 起きろ、戻って来い。おい、魔王」


身体を揺すってもダメか、軽く頬を叩いてみよう。


「んぁ……」


「魔王、大丈夫か?」


「はっ! えっ、わらわ、アレ?」


「良かった良かった、戻って来た」


「あー! おい勇者、何をする。わらわ笑い死にするかと思ったぞ、わらわをくすぐり殺すつもりか?」


どうしよう…… めっちゃ怒ってはるわ…… 無かった事に出来ないかな?


「お前聞いておるのか?」


「生きてて良かったな魔王」


「誰のせいじゃ。死ぬかと思ったわ」


「対魔王用究極奥義だからな」


「笑えぬわ! 本当に対わらわ用の究極奥義ではないか。もぅ、本当に死ぬかと思ったぞ。笑い死になど笑えんわ」


笑い死には笑えないか。なんだろう、とんちみたいだな。まぁなんだ、何とか誤魔化せそうな感じだな、ヨシ!


「おい、まさかこのままで済ますのでは無かろうな? 流石に笑って誤魔化すのは無理じゃぞ」


「・・・」


コイツ普段は抜けてるのに、たま~に頭が回る時があるな。それが今日じゃ無くても良いのに…… どうしよう、事の発端は魔王なんだが、俺自身も少し、そう、少~しやり過ぎた感があるから強く言えない。


「聞いておるか、勇者?」


「聞いてるよ。分かった、ホラ、これで機嫌直せ」


「ん? これは……」


流石にコレでは無理があるかな? まぁ良い、これは撒き餌だ。ここから増額すれば良いだろう。


「おー 百円か。仕方ないのぅ…… 許してやろう。次から気を付けるのじゃぞ、だが! 対わらわ用究極奥義は禁止じゃからな」


えっ? 百円で許すのかコイツ? 嘘だろ、たった百円で? 次は千円、そして更に増額して三千円位は渡そうと思ってたのに。マジか? おいおいおいコイツ…… 何て、何て安い女なんだ! チョロ! チョロ過ぎだろ、何てチョロいんだよ。


うーん、結果的に上手い事行ったが、それで良いのか魔王よ? 一応は対魔王用究極奥義と言う名のくすぐりを封じられたが、こちょこちょと名を変えればイケそうな気がしないでもない。


うん、流石にそれは無理があるな。と言うか笑い死にされたら、流石にシャレにならんからな、今後は控えよう。


しかし…… 白目を剥いて、ちょびっとだがヨダレ垂らしてた魔王の姿、思い出したら笑ってしまいそうだ。さっき密かにスマホで写真を撮ったが、見せない様にしよう。うん、バレたら怒りそうだ。


それもこれも、生きてたから笑い話で済むんだな。笑い死んでたら笑い話にならないとこだった。


これからは自重しよう。少しだけな。


「臨時収入じゃな。駄菓子屋で十円ゲームしようかの? いや、駄菓子を買うのも捨てがたい。どうしようか迷うな」


結果オーライ、魔王が楽しそうで何よりだ。


明日も投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ