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監視

 わずかに生き残った蜂たちは、夜になると移動を始めた。

「ホーホー。」

 その動きは、死角のない目を持つ、夜の王フクロウによって常に監視されていた。


 個体数が減るにつれ、数箇所に分かれていた蜂たちは、しだいに集まり始めた。蜂たちにとってはリスキーだと思われるこの行為も、生存のためにはやむをえない行動だった。この蜂は、単独では生きていけない。捕食する働き蜂がいなければ、女王は卵を産みつけることができないのだから。


 鹿は昼夜を問わず、人や猿が近づかないように警戒していた。ただ、カムリの霊に守られたハナたちだけは自由に山の中を移動できた。


 村には見かけない登山者が時折やってくる。集落への出入りが規制されていることは広く知られているので、役人なのか記者なのか、あるいは面白半分のユーチューバーなのか、つずれにしても一般人とはいいがたい連中には違いない。強引に村の公民館に泊まるものもいた。


 街に住むリアとクフトも、ハナの住む集落には表立っては入れない。しかし、地元民のかれらはいくつもの抜け道を知っている。彼等は主にハナの家を拠点に行動した。リアがストーカー避けに結婚指輪をつけていることもあって、周囲の人たちも二人をハナのいとこ夫婦として黙認していた。


 グリブは塾講師のかたわら、集落へ生活用品を運ぶ仕事をすることで、いつでも出入りができた。


 彼等は、蜂たちの移動先をこくめいに記録していった。

「最近は毎日移動しているので、土中ではなく木で休んでいることが多いな。ブナ、カシ、スギ、クルミ。色々な木に集まっている。」

 しかし、よく見ると川の近くのある区域には近づいてなかった。

「ここは?」

 ハナには覚えがあった。

「ニヒトが多いところだ。」

 食用には適さないクルミの木。

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