乙女心
「リアは、なんで、サヨリ様に会わないの?」
ハナは不思議に思った。
「サヨリ様にあわせっていってるんだけど、あわせてくれないの。」
リアは悲しそうな目をしてクフトを睨んだ。
「俺じゃない。サヨリ様が今はその時じゃないって。」
「わたしは会いたいのに。助けてくれたお礼だって直接言いたいし。」
クフトはふてされたように、横の壁のほうを向いた。換気はしているが、刺激を避けてか、フクロウ喫茶には大きな窓がない。フクロウは可愛いが、少々てもちぶさたになる。
リモートの客が入り、リアはカメラを移動するため、席を離れた。
「彼女いたんだ。」
ハナは飽きてきたこともあり少し意地悪をしたくなった。それは、リアが自分に比べて大人っぽかったからかもしれない。
「違うったら。なんで皆そうなるかな。俺は胸のある子は苦手なの。」
リアは見た目はBカップぐらいだろうか。
「大丈夫。彼女小さいよ。」
ハナは自分の体系にコンプレックスがあるせいか、他人の体系には鋭い。
「ブラで大きく見せてるだけだから。」
本当の胸なら、それなりの重さがある。それは必ず動作や筋肉に現れる。
後でこっそりおばさんが教えてくれたが、リアはクフトの好みを知ってわざと避けているらしい。高校では校則もあって、元々ポニーテールだったが大学に入ってからはロングにしている。足も細く、アニメスタイルだ。化粧もしてないし、目も大きい。背は少し大きいが、本来の姿なら、どはまりに違いない。
「あの子もクフトのことは気になってるはず。でなきゃ、わざわざ同じ学校にいかないでしょ。でも、耳のこともあるし、なにより見た目で判断されたくないのね。いじらしいじゃない。」
クフトの本心はわからない。ハナは一人っ子なのでわからないが、きっと妹のような感覚なのだろう。
「リアの耳は治らないの?」
現代医学の進歩は目覚しい。ハナはクフトにこっそり尋ねた。
「それが、原因不明。サヨリ様は聞こえないのは聞きたくないことがあるからだって。」