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第6章-6 ケイの余命15時間!?

――ケイが再び眠りに突いてから5時間後の事。


外は明るくなろうとしている時間帯である。

しかし、ケイには40度を超える高熱があった。

隣で寝ていたユカリはケイの苦しむ声に目を覚まし、心配そうに気にかける。




「ケイ、苦しいの?」


「足、足が……!」




今、ケイは相当苦しいのか、顔からは大量の汗が流れ出ていた。

ユカリは布団を退かすと、なんとケイの右足がどす黒く変色していた。

それは焦げたように右足が真っ黒である。

今にもケイは死にそうな程苦しんでいる時、ユカリは急いでスマホを取り出しては救急車を呼んだ。




「もしもし、今すぐ救助に来てください! 旦那さんが死にそうなんです!」



ユカリは願いをかみ締めながら救急車を呼んだ。

その後、愛するケイについて行こうと、ユカリも車に乗っては救急車の後についていく。


――そして、病院に辿り着いた頃には、ケイは意識を失っていた。

3時間後、懸命の治療の甲斐もなく、ケイは帰らぬ人となった。

死亡が分かった時、ユカリの両目から大量の涙が流れ出た。




「ケイー! 私一人にして死んじゃうなんて嫌よー!」


「ご臨終ですね……ケイさんはもう生き返られないです」




ケイの命を奪ったのは、病名”壊死性筋膜炎”。

筋肉を覆っている筋膜という部分に細菌が侵入し、細胞を壊死させてしまう病気。

彼がこの病気になってしまったきっかけが、水虫である。


なんと、ケイが覚えた右足の痛みからわずか15時間後で病死した。

つまり、余命15時間である。

壊死性筋膜炎の致死率は50%と高く、数日以内で死に至る恐ろしい病である。




あまりにも悲しいユカリはケイの身体に手を当てたままなんと1時間以上も泣き続けた。

水虫を気にかけていれば良かったと後悔するが、今はもう取り返しがつかない。

それに、水虫を甘く見ていたケイがもっと早く病院に行けば助かったかも知れない。




「ケイ……私は世界中であなたを愛しているのに……」


「お気の毒ですが、ケイはもう生き返りませんよ……」


「そんなの嫌……魔法でもいいからケイ生き返ってー!」




病院の中であるにも関わらず、ユカリはこれでもかという程大声を出した――

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