第6章-4 ケイの余命15時間!?
――土曜の夜、ユカリはなんとも言えない達成感に包まれていた。
それは、彼女がスロットで大当たりを連発した事により、所持金は1億を超えていた。
楽しい会話を交わしながら食事を済ませ、ケイは寝ようと思ったら自分の右足を見て驚きを隠せないでいた。
なんと、ケイの右足は赤く腫れ上がっていた。
それは、見るからに赤く腫れている範囲がこれでもかという程広い。
ユカリが部屋に入ってきた時、ケイは自分の右足を隠すように反射的に布団の中に隠した。
そして、自分の水虫をすぐに忘れた後、笑顔でこう話しかけた。
「さあユカリ、今夜は一緒に寝て、いい夢みようぜ!」
水虫持ちのケイは、ユカリに対して水虫の足を見せる訳には行かなかった。
気を紛らわす為スマホを手にとってはゲームをやり始めた。
しかし身体は疲れているのか、数十分経たない内にゲームをやめ、枕元にスマホを置いた状態で横になった。
そんな中、ユカリは笑顔が絶えないままケイと同じ布団の中に入った。
そして、なんと数秒も経たない内に深い眠りについた。
二人とも中々の仲良しなのか、二人で一緒にいる事ですぐに熟睡できる。
しかし今、ケイには取り返しのつかない病魔が近づいてきている。
ただの水虫から始まったのだが、彼は甘く見ていた事が仇となったのかも知れない――