第6章-3 ケイの余命15時間!?
――今日は土曜日である。
1週間の仕事を乗り切った事で、ケイには尋常ではない解放感に包まれていた。
休日は愛するユカリと一緒に過ごす、快適の日でもある。
しかし突然、ケイの右足の甲に痛みが走った。
「痛っ!」
その痛みは、丸で電気が走ったような鋭い痛みである。
水虫がある方の右足である。
ケイを心配するユカリはこう声をかけた。
「ケイ、大丈夫!?」
「なんとか……水虫で死ぬ話なんて聞いた事ないし、そのままでもいいよね!」
「今は水虫の事は忘れて私と一緒に過ごしましょ!」
相変わらずポジティブなユカリはケイに笑顔を思い切り見せていた。
ケイも彼女の美貌により、足の痛みを忘れる程笑顔になりだした。
二人はお互いに手を繋ぎながら部屋を出て、大都会に歩みだした。
金銭感覚がもはや狂っているユカリはケイをつれてパチンコ店に入ってはすぐさまスロットを回し始めた。
そんな彼女に対してギャンブルに興味がないケイは何も思わずにただただユカリがギャンブルを楽しむ所を傍らから見ていた。
――それから1時間経たない内にユカリはなんと大当たりを出した。
1つ目と2つ目の列が”7”となり、3つ目の列が”7”になろうとしている。
それを見たケイを驚きを隠しきれずに思わず大きな声を上げた。
「おおー! 大当たりとはユカリって凄いなー!」
「私って働いてなくてもギャンブルで生きていけるもんねー!」
「僕なんて毎日3時間以上残業して、汗水流して働いているよ。ユカリってマジだわ」
今日は1日中スロット店にいるケイとユカリだった。
しかし、ケイの足の痛みこそ、恐るべき事態が待ち受けている事も知らずに――