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−日本転移− 防衛魔術学校の英雄譚  作者: 空条承太郎
序章
1/33

幕開け

それが起こったのは今から約50年程前の事。

それは日本を襲った未曾有の天変地異、日本の国土全体が異世界へと転移してしまったのである。


その突然の出来事に社会は大混乱に陥ってインフラは壊滅状態、それに加えて政府が状況把握すらままならない状態の中で転移先の隣国であった強大な帝国グアテマラが突如として一方的な宣戦布告を日本に対して告げ、その圧倒的な軍事まほうの力を背景に日本の領土へと侵略を開始した。


グアテマラ帝国による四国侵攻から始まった数年に及ぶその一連の戦いは、後に'日本独立戦争'と総称される事になる。



そしてグアテマラ帝国による突如の侵略に対して日本は陸海空の自衛隊の総戦力を動員して防衛出動を行ったものの異世界の魔法と呼ばれる未知の力の前に通常兵器では為す術なく、多くの者達が戦死や虐殺されて戦線は押し込まれていく。

だが、ある一人の自衛官の青年がふとした事からエルフ族の国へと赴き、その命を賭した願いに心を動かされたエルフ族が日本独立戦争に日本側の協力国として参戦する事となった。


エルフ族の協力を得る事が出来た日本、しかしそれでも帝国との戦力差は絶望的なまでに歴然としていた。――そんな中、ある科学者が魔法の源である魔力に着目して異世界の知識と地球の技術力を取り入れた未知の技術である魔力応用技術、通称【魔術マギステル】と名付けられる基礎理論を生み出した。

それは魔法を扱う事が出来ない地球生まれの者達を人工的に魔力を扱える様にして魔法使いに対抗出来る存在を生み出すもの、それを用いた魔法使いに対抗出来る存在の魔術士なる者達が誕生した。


それによって着々と反撃の戦力を整えた日本はやがて最期の砦であった北海道に造られていた臨時政府の国会にて、反撃の時を告げる首相の日本独立宣言と呼ばれる名高き演説が行われる。

それは国や愛する者を守る為に戦い続けている日本全土の者達の心を一つへと纏め上げた。



――そして遂に全ての者達が一丸となった日本による帝国への反撃が始まる。

更には本国と連絡の取れずに最初は戦争に加わるかどうかで躊躇していた在日米軍も、最早元の世界に戻る事は出来ないと覚悟を決めて総戦力を動員して自衛隊と共に反撃に加わった。


それは国の存亡と日本に住まう者としての誇りを賭けた決死の戦い。

帝国は予想だにしてなかった日本の猛反撃、そして警戒されぬように反撃までその存在を徹底的に秘匿されていた魔術士達の力の前に徐々に戦線を押し返されていく。


その戦いに徹底的な戦局の転機が訪れたのは在日米軍、自衛隊、エルフ族、魔術士達の混合部隊による首都東京奪還戦に勝利した事だった。


帝国の日本占領の要となっていた東京を奪還した事によって更に勢い付いた日本は各地で次々に勝利を収め、そして日本独立戦争最後にして最大の戦いとなった四国攻防戦に多大な犠牲を払ったものの帝国軍を再起不能の壊滅状態へと追い込む事に成功し、帝国は日本から完全に撤退していったのだった。


しかしそれは辛うじての勝利、日本も異世界転移から始まった数年に及ぶ戦いで国としては瀕死の状態に陥っていた。



そんな日本は先ず様々な国に強い影響力を持つエルフ族の仲介によって、帝国と絶対遵守の魔法契約による停戦協定を結ぶ。

その後はすぐさま他の周辺諸国と和平交渉に乗り出して国外との情勢を落ち着かせ、ようやく国内の復興へと本腰を入れれるようになった日本。


けれども帝国と結んだのはあくまで停戦協定であり、契約は帝国側が破った場合は帝国のトップである現皇帝が死ぬと云うものである為、逆を言えば皇帝が変わればその契約は意味を成さずに協定は書面上のものだけとなってしまう。

皇帝も命ある者としていずれ必ず死ぬのは明白である。そして皇帝が変われば日本に敗れたとはいえ、戦力や国力にはまだ十二分な蓄えがある帝国がいつ雪辱を果たそうと再び牙を向けるか分からない。


その為政府は国内の復興と共に防衛戦力の新たなる要となる魔術士の養成を国の重要政策に掲げ、魔術士達を養成する為の機関を防衛省の管轄下に置き、魔術士養成機関は国立魔術学校として毎年多くの若者達を迎え入れていた。


―――時は経ち、そんな魔術学校に今年も多くの若者達が来ていた中に一人の何処にでも居るような冴えない少年が来た時から物語は動き出す。

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