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蒼綺月之想詩  作者: 蒼月夜
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第弐章 四話『幸福の代価』






ラエル「此処が


【落とし物屋】ですか…。」



紗希さんの化粧品を探す為に落とし物屋さんに来たんですけど、

そういえばラエルさんにも案内してなかったので、一緒に来てもらいました!


道中に


落とし物屋というのは、異空穴(いくうけつ)から転移してきた物を品物として売るお店で、店主さんが各地を回って集めてきているんです☆

ただ、異世界の物なので、使い方が分からないものばっかりで、その世界の人しか価値が分からないのが難点ですね…。


って説明したので、きっとお店については理解してくれた筈!


紗希「名前の割りにお洒落なお店だね…。

ショーケースに入ってるなんて宝石店みたい。」


紗希さんはちょっと嬉しそうで、私が案内するより先にお店を回り始めた。


こういう雰囲気のお店が好きなのかなー?


対してラエルさんはちょっと緊張気味!


ラエル「行儀よくしてないとダメですよね、多分…。」


『普通にしてれば大丈夫ですよ☆』


ラエル「そ、そうですか……。


ってこれは!?」


早速ラエルさんが何かを発見したみたい!


『何かありました!?』


ラエルさんが指を指したのは、ショーケースに入ってる水瓶。


『何ですこれ??』


ラエル「これ、エリクレースですよ!」


『えりくれーす??』


ラエル「霊薬ですよ!

どれだけ傷付いてても疲れてても一瞬で完全回復するんです!

凄い貴重品ですよ!」


『そうなんですか!

というか、これ、ラエルさんの世界のものだったんですね!☆』


ラエルさんは目を輝かせている。

そんなに貴重品なんだー。


ラエル「でも、こんな貴重品、高いんだろうな…。」


私は対価札を見る。


『んー、そうでもないみたいですよ??


ラエルさんなら☆』




ラエル「え?」



対価札にはこう書いてあった。





月界(げっかい)の森で蒼月熊2体の討伐]




ラエル「え、対価って貨幣じゃないんですか?」


『ここは少し特殊で、依頼を達成する事で商品を受け取れるんです☆』


ラエルさんの顔が明るくなる。


ラエル「そうなんですか!

そういうの俺得意です!」


私はにっこり笑って店主さんを呼んだ。


『すみませーん!

この商品の依頼受けますー!』


??「ありがとうございます…。」


店の奥から出て来たのは、口元を隠した紫色の装束を纏った妖艶な女性。


クノイチの紫蜂(むらさきばち)さん!


でも、クノイチってなんだろー!


自己紹介してもらった時にクノイチの紫蜂って言われたけど、本当は、あんまり分かってないんだよね…。



紫蜂「おや?《白》ちゃんかい?珍しいね。」


『お久しぶりです☆


でも、依頼を受けるのは私ではないですよ☆』


紫蜂「おや…。」


紫蜂さんはそういうと私の隣で目を輝かせているラエルさんを見る。


紫蜂「この子かい?」


『最近、転移してきたラエルさんです!☆』


それを聞くと紫蜂さんは少し目を細くした。


紫蜂「おや…転移の…。」


ラエル「宜しくお願いします。」


紫蜂「こちらこそ…。

私も転移者だからね…。

何か困った事があったら聞くといいよ。」


ラエル「貴女もですか?」


紫蜂「そうさ…。」


紫蜂さんは妖艶な笑みを浮かべた。


気がした!


口元は覆面で覆われていて見えないから予想だけど!


紫蜂「さて、依頼の件だったね…。

その水瓶なら月界(げっかい)の森に居る蒼月熊を2体討伐してくれれば大丈夫…。

とはいっても、殺しては駄目…。

追い払うのが目的だからね…。」


ラエル「追い払う、ですか。」


紫蜂「蒼月熊が出没する近くに農園があってね…。

其処の主からの依頼って訳なのさ。」


紫蜂さんはそういうと懐から地図を出して、ラエルさんに渡した。


紫蜂「先ずはそこの農園の主に話を聞いてきて。


死線を越えた目を持つアンタなら大丈夫。」


ラエル「分かりました。」


『着いて行きましょうか??』


「いや、地図あるんで大丈夫です!

紗希さんの事頼みます!」


『分かりました。

気を付けて下さいね!』


ラエルさんは嬉しそうに駆けていった。


元の世界にもこういう依頼があったのかも!




紫蜂「ところで《白》ちゃん。」


『はい??』


紫蜂「あそこで衣服類を大量に抱えてる女子(おなご)も、《白》ちゃんの関係者かい?」


『え??』


紫蜂さんの視線の先を追うと、言われた通り大量の衣服を抱えた紗希さんが!


私は慌てて紗希さんに駆け寄る



『わー!

ちょっと紗希さん!

こんな大量にどうするんです!

というか、化粧品じゃないじゃないですか!』


私が衣服の山に隠れた紗希さんの顔を見ると…。




満面の笑み!


凄い幸せそう!




紗希「……《白》っち……。


買い物って、楽しいね♪」




うわあ。


どうしよう。


テンション上がり過ぎて私の呼び方変わっちゃってるし…。


こんなに買えませんって言い辛いし…。


これ、どれだけ依頼こなせばいいんだろう……。


紫蜂「《白》ちゃん。」


『は、はい…。』


紫蜂「あれだけの商品を一度に購入となると、中々の数の依頼をこなさないといけないねぇ…。」


『そ、そうですよね…。

あはは…。』


紗希「あ、これもいいかもー♪」


『え!

ちょっと!紗希さん!

つ、追加しないで下さい!』


やめてー!


紗希さん、やめてー!


紫蜂「そこで相談なんだけどさ…。」



『え??』






























紫蜂「アンタの所の、《蒼》と《黒》。


貸してくれないかい?」









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