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蒼綺月之想詩  作者: 蒼月夜
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第弐章 十五話『命の行方』






こいつが……このダンジョンのボスか!




ミゲル「くっ!空からだと…。


俺の城をメチャクチャにしやがって…。」




《黒》さんはもう居ないか…。


一瞬、割れた窓から飛び出して行くのが見えたから、きっと人質の場所が分かったんだろう。


ミゲル「あの黒いのは逃げたか…。

まあいい。

どうせ、地下に行っても牢屋は破壊できん。」


スキンヘッドに大きな湾曲刀。


いかにも山賊の頭領って感じだな。


ミゲル「まあいい。

城を壊した落し前はきっちりつけてもらうぞ!!」


来る!


一先ず受け止めて…


ダメだ!

あの豪腕と湾曲刀の太さ、そして、長身から振りかぶった高さ!


このまま受け止めたら、手入れの出来てない状態の俺の剣では破壊される!?



(ザシュッ!)



『くっ!』


流石に受け止める態勢から回避では避けきれなかったか…。


肩口を浅くだが切られてる。



ミゲル「ふーむ、いい判断するじゃねぇか…。

あの黒いのといい、お前といい、楽しませてくれる…。

クククッ。」


受け止められない以上、攻めるしかない!


『はぁっ!』



金属と金属が打ち合う音


相手に攻撃の隙を与えない様に攻撃を繰り返すが、

頭領も大きな体の割りには反応が良く、

小さな傷は与えられるものの、決め手に欠けていた。


そして、勝敗を決めかねる原因が

もう一つ。


俺は《白》さんに、空中に運ばれる時に、一つお願いをされていた。



(《白》「もし、ラエルさんが誰かと対峙する事があった時は、

どうかその人の命を奪わないで下さい…。


蒼月の民であればそのまま死んでしまいますので…。


ですが、異界者の場合、蒼月で命を失うという事は、


元の世界に送り帰される


という事になりますので、

罪を犯した異界者であれば状況に応じて元の世界に強制的に帰って頂いていますが…。」)




問題は、こいつが蒼月の民なのか異界者なのかが俺には分からない。


《蒼》さん達は見分けがつくみたいだけど…。


分からない以上、トドメを刺す事は出来ない


何とか武器を破壊したい所だけど、

あの太い湾曲刀を破壊出来るだろうか…。




ミゲル「おのれ!!ちょこまかとー!!」




(キィィン!)




しまった!!


迷いよって俺の一太刀が軽くなってしまい、そこを頭領に剣を弾かれてしまった。



ミゲル「はぁ、はぁ。

思ったより手こずらせてくれたが、これで勝負あり……だなっ!!」



豪腕から振り下ろされる湾曲刀



命を奪う事に一寸の迷いのない凶刃



そして、その凶刃は俺の体に触れる。


























(ガシッ!!)




ミゲル「な……どうなって…?」




凶刃は俺の左手の手甲に止められている。



勿論、通常なら左手ごと切り落とされていただろう。







【精霊の鎧】







シュリオン大陸で精霊から授かった全ての衝撃を短い時間だが全てカット出来るオーラの鎧。


屋上を突き破った時にも使っていたものだ。


但し、消費魔力が大きいので連発は出来ないし、効果は既に消えている。




だから、呆気に取られている頭領の顎を右から渾身の力で殴った。



ミゲル「ぐほぉあ!?」



頭領は大きく吹っ飛び、壁にぶつかり動かなくなった。


右手にも手甲を装備しているため、無防備な顎に相当な衝撃を与えられた筈


頭領に近付くと思った通り気絶している。



何とか、《白》さんの願いを叶えられたと思った瞬間、俺は尻餅を付いていた。


『やっぱり、精霊の鎧を二回続けてはキツいな…。


元々ナイトマスターはソーサラーみたいに魔力の容量多くないからな…。』



少し回復するまで休ませてもらおう…。














それにしても…。




















『今回は倒した訳じゃないから経験値は無しか…。』







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