第弐章 十三話『相容れない想い同士がぶつかるのなら。』
(ガッシャーン!!)
??「なんだ!?窓から!?」
何とか着地は成功!
『《黒》!後は任せたよ!』
無言で頷く後ろ姿を確認した後、直ぐに一つしかない扉を出た後勢いよく閉めた。
私は此の場から動かない。
私の役目は敵をこの扉の先に行かせない事。
下の階で慌てる声がする。
山賊1「おい!上だ!
上の階で物音がしたぞ!」
山賊2「お頭の部屋か!」
山賊3「急げ!!」
荒々しい足音。
周囲を見渡す。
思ったより通路が広いなー…。
囲まれちゃうかも…。
山賊4「居たぞ!!」
山賊5「待て!!」
山賊6「何だよ!早くお頭の部屋に!」
山賊5「アイツ、自分からは襲ってこない所を見ると恐らく【壁】だ。」
山賊4「壁か…。
という事は…かなりの手練れ。」
山賊5「ああ。
少人数じゃ突破できないだろう。
全員集まるまで待とう。」
あー…。
最悪だー…。
少人数での波状攻撃なら護り易かったのに…。
山賊3「なんだ?なぜ突入しない?」
山賊5「ああ、それは…。」
1人2人と増えていき、通路の先が見えない位の集団が出来上がる。
50人位かな…。
通路も広いし、一度に大人数。
でもね。
此処から先は行かせない!
私の体が白く光る
きっと、1秒もなかったその光りの瞬間に、私は白い騎士を纏う。
白い剣
白い盾
白い鎧に白いヘルム
これが私の私の蒼武
【白舞】
護りの想いの具現の形
山賊5「揃ったな。
よし!!突撃ー!!」
きっとね。
貴方達にも私に向かってくる理由があって
この扉を通りたい想いがあるんだよね。
それが正しい事かどうかは置いといて…。
私もね。
護りたいものがあるよ。
助けたい人が居るよ。
帰りたい場所があるよ。
貴方達の想いと私の想い
相容れない想い同士がぶつかるのなら。
私はそっと剣に手を掛ける。
『さあ、決着をつけよう。』