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三者面談。

 アカネを部屋に送り届け、そのまま自分の暮らす部屋へと帰ってきた。この部屋には彼女であるユキと、ズルズルとなし崩し的に一緒に住んでいる、居候のルイが居る。


 既にユキは仕事を終わらせて、帰宅しているはずだ。

ルイも仕事である、デリヘルの受け付け時間を過ぎている事から部屋に帰ってきていると思う。


 俺は、マンションの裏手にある、居住者専用の俺の部屋に割り振られた駐車場に車を停めると、裏口からカギを使いオートロックのドアを開け、建物の中に入る。そのままエレベーターに乗り部屋のある階数まで登り、部屋のカギを開けて、中へと入って行く。


 玄関から続く部屋の廊下の向こうには電灯が灯っている事から、ユキかルイもしくは、2人ともが起きている事を判断して。


 「ただいま~」


 そう声を掛けながらリビングへと入っていった。


 『『おかえりなさい』』


 リビングには、ユキとルイの2人が居た。


 俺は、壁に掛けてあるハンガーを取り着ていたジャケットを掛け、ネクタイを外して、シャツのボタンを上から2つ程外した後に、2人の座るソファーの対面、いつも俺が座る指定席に腰を降ろした。


 『太郎ちゃん、お疲れ様、忙しかった?』


 ユキにそう声を掛けられた俺は。


 『う~ん、そうでも無いな、マネージャー達も3つに分けての付け回しで店回せるようになったし』


 その後、3人でいつものように、何て事の無い話を10分程した。

俺は、話に一区切り付いたのを見計らい、風呂に入ると2人に告げ、ソファーを立った。そして、そのまま風呂場へと行こうとした俺に。


 『太郎ちゃん、お風呂から出てからでいいから、ちょっといい? ルイちゃんから大事な話があるから』


 そう言われた俺は、黙ったまま頷き、風呂場に向かった。


 風呂場で体を洗い湯船に体を沈めて、1日の疲れを湯船のお湯に溶け出させながら、俺はさっきユキに言われた事を考えていた。


 ルイの事か……いつか何処かで、ちゃんと話をしなきゃいけなかったんだよな……きっと、もっと前に。


 風呂から上がり、ラフな部屋着を着て、バスタオルで髪の毛を拭きながら、風呂場からリビングへと向かう。

 

 リビングに入ると、そのまま2人の元には行かずに、キッチンに行き、冷蔵庫の中から、愛飲しているアルミ缶のコーラを1本取り、その後、ソファーへと座る。


 「ごめん、待たせたか?」


 2人は、静かに首を左右に振るだけだった。


 そして……誰も喋らずに少しの時間が流れた後に、ルイがポツポツと話を始めた……










ールイの告白ー


 私の名前は【ルイ】もちろん本名じゃない。

この名前は、私が働く上で必要になった為に私が考えて付けた名前。


 私の仕事は【キャバ嬢】キャバクラで、華やかなドレスを着て、男性が喜びそうな短い丈のスカートを履き、胸元が大きく開いた服を着て、お客さんの横に座り、お酒の相手をする。それが私の仕事。 


 最初は高額な時給に釣られただけで、このキャバクラで働き始めた。普通にファミレスでバイトするよりも何倍も高い時給が貰えるから。だから、特に何も考えずに、決められた時間から時間まで、お店に居て接客をして、時給がちゃんと貰えればそれで良かった。


 そんな風にキャバクラでバイトを始めた私は、バイトを始めて1週間程経った時に、初めてお客さんから指名をして貰った。


 その後も指名してくれるお客さんは、増えて行きそれに比例して、私のバイト代はどんどん増えていった。

ドリンクを1つ頼むごとに、オツマミを1つ頼むごとに、指名を1本増やすごとに。そして、私はいつしか、この頑張れば頑張っただけ【お金】と言う形で返ってくるキャバクラで働く、キャバ嬢と言う仕事が好きになっていった。


 そんな私は何時の間にか、働くお店でもキャバ嬢達に付けられる順位と言うランクでNo.2と言うランクにまで、登り詰めていた。


 そして、私はTOP3に名前を連ねるのが常識になって行く。

そんな頃に、私はあの人と出会った……


 私が働くキャバクラは、何か大きな沢山のこういうお店を経営している会社の中の1つのお店だと言う。そんな事情からなのか、たまに新しく入ってきた男性の社員さんが、お店に研修と言う名目で、働きに来る。彼も、そんな社員さんの1人だと店長が、彼が来る前の日に教えてくれた。


 第1印象は【背が高くて体格の良い人。だけど顔が少し怖い人】

だった。この業界、顔が怖いコワモテの人には意外と向いてる場合が多い。お客さん達はお酒を飲みに来ている、お酒を飲めば気の大きくなるお客さんだって中には居るんだ。

そんなお客さんを相手にするときに、怖い顔が有利になる事だって、沢山ある。


 そんな事も思ったけどまた他の社員さん達と同じように【少し経ったら違うお店に行くんだろうな】そのぐらいしか思わなかった。


 そんな彼の名前は【木村 太郎】さん。

お店に来たばかりとは言え。彼は将来は会社の経営するどこかのお店で【店長】なんて役職に着く事になる、幹部候補生。

そんな人を、他のアルバイトで来ている男性スタッフと同じように扱いはしちゃダメだ。私もみんなに習って彼の事を。


 『木村マネージャー』


 そう呼ぶ事にした。


 私が最初に、彼の事で驚かされたのは……店長から彼に【付け回し】を習い始めて直ぐの事。


 ほんの少しだけ店長に基礎を習っただけで、付け回しを完璧に覚えてしまったの。私は、ものすごくビックリした。だってずっとお店で働いてる、大村マネージャーが物凄く苦労して覚えてたのを知ってたから。


 それからは、彼。木村マネージャーも普通に付け回しをするようになったの。だけど最初の頃に、木村マネージャーはミスをしてしまったの。隣のテーブルに私を本指名してくれるお客さんが座っているのに、直ぐ横のテーブルにまた私の事を本指名するお客さんを座らせちゃった。


 私は、その2人のお客さんが帰るまで、アッチ行ってご機嫌を取り、コッチに来てご機嫌を取り。ってやるハメになっちゃった。

初めてだから仕方ないのかも知れないけど、その事で私は少しだけ、彼の事を嫌いになっちゃった。


 だけど、彼は自分の失敗を店長達に指摘された後は、2度と同じミスをしなくなったの。それに、私にも【あの日はごめんね】って謝って来たから。私はビックリした、だってそんな事で謝って来る幹部候補生の人初めて会ったんだから。


 その後も、彼は色々とやらかしてた。開店から閉店までのお店の1日の営業内容と自分がキャバ嬢達を、どう動かしたのか、キャバ嬢達が1日にどれだけの指名を貰ったのか、完璧に覚えていたり。


 私は素直に【天才って本当に居るんだ】って思った。


 その後の彼は、天才っぷりを発揮して、メキメキと実力を付けて、同時にキャバ嬢達からの信頼も勝ち取って行った。

私も、周りの子達と同じように、彼の事を信頼して行くようになった。


 きっと今思うともう、この頃から彼に恋をしてたんだと思う……


 そんな彼。木村太郎マネージャーは、ある日からお店で働くキャバ嬢の何人かに、接客術を教えるようになったてた。最近売り上げを大きく伸ばしてたアカネちゃんと、アカネちゃんの仲間が、木村マネージャーに頼んだみたい。


 そして、また彼は結果を出しちゃったの。

アカネちゃんは勿論、他のキャバ嬢達もどんどん指名の数を増やして売り上げも伸び出したの。


 私は、木村マネージャーって、ひょっとして、キャバクラ業界が長い、そう言う事にとっても詳しい人なの? って思ったから、思いきって店長に聞いてみる事にしたの。


 「店長、木村マネージャーって前はどこかのキャバクラに居たんですか?」


 『うん? あ~そう思うよね、違うよ、彼は元はどっかの工場で金属加工していたんだって』


 店長が言ってる事が最初は信じられなかった。だってキャバクラ業界全くの未経験の人が、何人ものキャバ嬢の売り上げを伸ばすなんて……


 信じられない顔をきっとしてたんだと思う私に店長は、聞いてきた。


 『ルイ、ルイってキャバクラはどんな場所だと思う?』

すみません。

長くなりそうなので、分割します。

続きは現在、執筆中です。書きあがり次第投稿しますので、少しお待ち下さい。

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【風俗嬢と呼ばれて……】堕ちたJDの末路
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