閑話。作者の思い
完結後に、こう言う物は書いた方が良いのでしょうが、どうにも止まらない気持ちが溢れてしまったので、この時点で投稿する事に決めました。
風俗店と言うと、あまり良いイメージを持たれる事は無い。
エッチな事をするお店。自分の体をお金に変える仕事。女性を食い物にしている人達。
まぁ世間が持つ風俗のイメージとは、概ねこんな感じだろう。
確かに、それらのイメージが全て間違っている訳ではない。
一般の女性から見れば、男が女性をお金で買っている。
そう思う事もあるだろう。
普通に働く事もしないで、楽に自分の体を使い大金を稼いでいる。そう思う事もあるだろう。
そんな女性達をメシのタネにして、生きている最低な男達。そう思う事もあるだろう。
それを全否定するつもりは、無い。綺麗事を抜かせば、真実である一面もあるからだ。
それでも風俗と言う物が、何だかんだと社会に受け入れられているのは、何故なんだろうか? それほど悪しき物ならば、当然、排除されてしかるべき物なのでは無いだろうか?
私は実際に、この作品を書くに当たり、自分が過去に経験した事を元にして書いている。作品として人に読ませるに辺り、当然そこには、脚色と言う物も含まれているが。
風俗と言う物が持つ風俗が社会に在っても許されている理由、私個人の意見ではあるが、いくつか私自身が実際に働いて感じた事のいくつかを紹介してみようと思う。
・犯罪の抑止効果
残念ながら、世の中には、女性にモテない男性と言う者が実際に存在する。そして人が人として生きるのに、欲と言う物を切り離して生きる事は不可能に近い。そんな欲を抱えた人が、風俗に来れば、お金を代価にして、女性の体を目にして、欲の発散をする事が出来る。それによって、女性が被害者になり、傷付くような犯罪の抑制効果は得られないだろうか?
・日々のストレスの発散
日々生きていく為には、誰もが何らかのストレスを受けながら暮らしているだろう。そんなストレスの軽減や発散に風俗が役に立つ事もある。娯楽と言えば娯楽と言う物に分類されるからだ。
仕事で受けるストレスを発散しに来る方も居るだろう。
中には、結婚生活が上手く行ってなくて、奥さんの代わりを求めに来る方も居るだろう。風俗を毛嫌いしている女性の方が居るとしたら、夜の夫婦生活も無いのに、上手く生活が出来ているのは、風俗が役に立っているかも知れない。と言う事もあるのかも知れないと考えてみてはどうだろうか?
・障ガイ者に対しての効果
世の中には、知ってる方も知らない方も居るかと思うが、障ガイと言う物を抱えてしまった人達が居る。そんな人達も、少し普通の人と違うと言うだけで、同じ人間である。同じように喜び、同じように悲しみ、同じように同じ社会で生きている。そんな人達も当然、同じように性欲と言う物がある。そんな人達が性欲と言う物を発散するにはどうしたらいいだろう? ボランティアの人達が体を差し出せばいいのか? そんな事までしようと思うボランティアの人は居ないだろう。そんな時に役に立つのが、風俗である。お金さえ払えば、どんな方でも平等に、お客さんとして扱う。
実際に私が働いていた店にも、沢山の障ガイを抱えた人達が遊びに来ていた。そんな彼らの付き添いをしてる人に私はこう言われた事がある。『世間では悪いイメージを持たれ勝ちですが、私達は、風俗で働いてる方達に本当に感謝しています、彼らも同じ人間なんです、同じように女性に興味があり、同じように性欲があります、そんな彼らの救いが風俗店なんです、これからも彼らの為にも頑張って下さい』と。私は、その後、店のトイレに行き、誰にも見られないようにして、声を殺して泣いた覚えがある。
風俗業とは、みなさんと同じ社会で、みなさんと同じようにルールを守り、社会の一部として、立派に成り立っている仕事だと私は思う。
私は風俗と言うだけで、変な偏見を持ったり悪いイメージを持ったりは、働く前からそんなには持って無かった。
風俗と言う物に対して、マイナスのイメージを持たれてる方が、この作品を通して、風俗業と言う物がどういった物なのか。それを少しでも感じて貰えたら、幸いだ。