ルイの補習。
短いですが、何かキリ良く終われたので、1話として投稿。
ホテルでの、ルイへの講習を終わらせて、2人で事務所に戻ってきた。
リビングに続くドアを開けると、藤田と近藤が床に並んで正座してこちらを向いており、ルイがリビングに入ってきた途端に、2人して拍手をし始めた。
『『鬼教官のシゴキに耐え、帰還した勇者に拍手~』』
コイツ等、何をしてんだ? 後、誰が鬼教官なんだよ! お前等、車の洗車させたろか!
そこに、キッチンからマリナがリビングに入ってきてルイに、優しく声を掛ける。
『ルイちゃん、お疲れさま、店長の講習、大変だったでしょ? これはこう言う意味もあるんだ! あれはこう言う意味もあるんだ! って……』
くそ! マリナまで敵なのか? 俺の味方はユキとルイだけなのか。
まぁ、そんな事よりも、ルイの為に必要な事を、してやらないとな。そう思い俺は、お店の備品置き場の部屋から、3本同じ形の物を取り出してきて、リビングに居た、ユキとマリナに、1本ずつ、手渡した。
それを受け取った2人は、何をするのか、何を言われるのか、瞬時に悟り、自分から、除菌ウエットティッシュを、持ってきた。
俺は残りの1本を、ルイに手渡す。
「ルイ、はいこれ、持って」
それを渡されたルイは、改めて何を持たされたのか、マジマジと渡された物を見詰めると、突然。
『て、て、て、店長! 何ですかコレは!』
何と言われても……
「うん? 見た事無い? 男性のアレを模して作られたナニだけど?」
そう、俺が3人に1本ずつ渡したのは、男性のアレをナニしたソレだったのだ。
『コレは知ってます! コレをどうして渡したのか聞いてるんです!』
あ~言う前から騒ぐから、まだ言ってないだけなんだがな。
意味の理解出来てる、藤田が、ニヤニヤしてる、笑うなよ、気持ち悪い。後、ちょっと失礼だぞ、特にルイに。
「まぁ……隠してても誤魔化して言うのもアレなんで、ハッキリと言うがな……ルイ……お前……下手なんだよ……まったくもってなってないレベルで下手くそなの!」
何を言われたのか理解して、顔を真っ赤にするルイと、ニヤニヤしだした、俺を除くその他大勢。
「そのままでも、別に支障は無いけど、どうせなら、お客さん喜ばせて、今度はルイちゃん指名しよう、なんて思われたいだろ?」
そう問い掛けると。それはまぁそうですけど。と答えた。
「今から、マリナの部屋に行って、ユキとマリナを先生にして、しっかり教えて貰って来い!」
ルイに告げた。告げてやった。
その後、ユキとマリナに両脇から抱えられ、引き摺るように連行されてるルイの顔は、どこか儚げだった。
そして、藤田よお前はいつまでニヤニヤしてるんだよ。
失礼な奴だな。
それから、実に2~3時間ほど、たっぷりとコーチ達から教えを受けたルイ。
やけに自信に満ちた顔に変わっていた。




