講習
なんかやたら長くなっちゃいました。ごめんなさい。
ルイと連れ立って、ビルのすき間の道を歩く。
何度も行ってきた、風俗嬢への講習なのだが、やはり知り合いと言う関係がどこか、俺にも緊張を強いているようだ。
更に初めて受けると言うルイの緊張は、俺とは比べ物にならない程であろう。
目的のホテルの目の前にやって来て、立ち止まった時に、ルイから声を掛けられた。
『店長、何で私の講習相手を藤田さんじゃなくて、店長にしたの?』
そう聞かれて、俺は少しだけドキリとした。本音を語るべきか、誤魔化すべきか……
「そうだなぁ……ルイが俺の事を好きなのは、俺も知ってる訳だ、キャバクラの時にあれだけ公言してた訳だしな、まぁ正直に言えばさ、ユキって言う彼女が居なかったら、ルイに飛び付いてたと思うんだよな、ほら、ルイってめっちゃ可愛いし、性格も良いからさ、まぁ……そんな子の裸なんかを、藤田に見られるのが嫌だったから、って理由なんだろうな……きっと」
本音を語る事を俺の心は決めたようで、本音を語ってルイに説明をしていた。
『そっか、そうなんだ……それじゃ、ユキさんと別れたら、私が店長の事慰めてあげるね』
そう言ってきたルイの頭にチョップを落とした。
「実際の時は、お客さんが先に来てて、部屋を取るなんて事は終わらせてくれてる、後、部屋の前までは、俺か藤田が、フロントと話したりとか必要な事は全部やるから、何もする事は無いからな」
そうルイに伝えてから、ホテルの中へと進んでいく。
そして、部屋の中の様子を写したパネルの中から、空室を示すランプが点いている何部屋かの空き部屋から、一番料金の安い部屋を選んだ。
別に彼女と楽しい時間を過ごす訳でも無く、仕事のやり方を教えに来ただけだ。一番安い部屋で上等なのだ。
その後2人で、エレベーターに乗り込み、フロントで取った部屋の前まで来た。
俺は部屋のドアを開けたままにして、中には入らずに。
「ここで、俺か藤田が先ずドアをノックして、到着を知らせる、お客さんがドアを明けたら、1度、お客さんに自分の姿が見える位置に移動して、お客さんに見てもらう、その後は素早く、俺か藤田の後ろに半身を隠して下がる、ほら! 何してんだ? 言われたようにしてみろ」
ルイが実際にお客さんが居ると想定して、1度前に出てから素早く、俺の背後に体を隠した。
「これは、お客さんに、まぁ言い方が悪いが、品定めをして貰うって事と、いきなり中に引っ張り込まれて、ドアを閉められ無い為に必要な事だからな、やる事全てにちゃんと意味があるんだから、しっかりと覚えろよ」
『引っ張り込まれたら、外から店長がドア開けたらいいだけじゃない?』
ルイは、ホテルと言う物を利用した事が、少ないと言う事が、今の発言で分かった。
「ホテルってさ、ドアは全部オートロックになってるんだよ、1度閉まったら外からは開けられないんだよ」
「それじゃ続きやるぞ、ここで、コースとか料金とかオプションなんかの説明と、料金のやり取りがある、まぁここもルイには、直接何かする訳でも無いがな」
そう言ってから、ルイと一緒に部屋の中へと入って行った。
「入ったら先ずは挨拶な、名前と挨拶してみろ、俺をお客さんだと思って」
そう言ってから、ルイに対峙する位置へと移動した。
『ルイです、よろしくお願いします』
「硬い! ダメ! やり直し!」
『ルイで~す♪ 今日はよろしくねっ』
「お前……アホだろ?」
挨拶1つで、お客さんの見る目も扱いも、態度も変わるんだ。
ちゃんとお客さんが楽しめると期待出来る挨拶、安全に過ごせる挨拶をしなきゃダメだ。
「挨拶1つで印象は決まる、それを踏まえて、挨拶しないとダメだ、そうだな例えば……【ルイです、今日は時間一杯まで楽しみましょうね】とか【ルイです、時間までは、私の事大事な彼女って思って下さいね】とかな」
『変態講師は……デリヘルでも健在なのね……』
ルイがボソリと呟いた言葉を、ちゃんと聞き付けて居た俺は。
「誰が変態講師だよ! 誰だよそんな事いい始めた奴は!」
『アカネちゃん……』
アカネ許さん!
「それと、お客さんが電話の時点では、その気が無くて断ったオプションも、女の子と2人になったら出来ないか聞いてくる事もある、そんな時は、ちゃんと出来るって言って、先に1,000円貰ってから、オプション使って貰うようにな、必ず先にお金を貰えよ」
『うん、先にお金だね、あっだから、持ち物に、オモチャとパンストが必要なんだね』
ルイを備え付けてあるソファーに座らせて、俺は、備え付けの冷蔵庫を開けて、無料サービスの缶コーヒーとお茶を取ってきた。
そして、ルイに両方差し出し、どっち飲むか決めさせた。
『へ~無料の飲み物なんかあるんだね』
「あぁ、大体どこのホテルにもな、これも覚えといて【何か飲みますか?】なんて聞くのもいいかもな」
その後は、ルイにピンクローター使用時には必ずコンドームを被せる事、パンストはお客さんの前で履くか、見えない場所で履くかどちらにするか、必ず聞く事等を、教えていく。
「それじゃ、挨拶が済んだら、お客さんに【それじゃ、タイマー入れますね】って言ってから、コースの時間より20分早い時間をセットしてタイマーを入れる、これは終わってからもシャワー浴びるから、その時間も考えて20分早くな、鳴ったら【後20分で時間が来て、シャワー浴びる時間が足らなくなります】って伝えるようにな」
「それじゃ脱げ」
『店長……脱げってなんかやらしい……』
「アホな事言ってないで脱げよ、お前どこでこれから働くつもりなんだよ」
そして、流石に俺の目の前で服を脱ぐのは恥ずかしいのか、少しモジモジしながら服を脱いでいく。
「はい! ストップ! パンツはまだ脱がない」
パンツは、シャワーを浴びる時まで履いているようにと指導した。
「これ、なるべく素早くな、先に脱いでから、お客さんが脱ぐのを手伝うって事を本来はやるんだから、と言う訳で、そこのハンガー持ってこい」
ルイがハンガーを取って戻って来てから、俺が着ていたジャケットを脱ぐ。その時にルイに脱ぐのを手伝い、ハンガーに掛けておくものは必ず掛けておくようにと指導した。
『お客さんが脱ぐのを手伝ったりもするんだね』
「まぁこれも、サービスの一貫だな、後は少しだけ安全対策にも、服をハンガーに掛け、遠くに、ルイが掛けておくとするだろ? そうしたら、お客さんは遠くある服を着ない限りは裸に近い訳だ、何かあって、運良くドアの外に出られた時に、お客さんが裸なら、追って来ようとはしないだろ?」
『すごい、本当にやる事全部に意味あるんだね、こんな講習を全部のお店がしてるの?』
「してる訳ねぇだろ、してても意味なんか教えてねぇよ、決まってるからやれ、ぐらいしかな」
『それじゃ、店長は何でこんなに細かく?』
「意味を知ってるのと、知らないのとじゃ、やる真剣さに違いが出るからだよ」
人はやるべき事を、ただやらされるよりも、自分のやる事の意味を知っていると、真剣に取り組もうと考える。
何だって同じだな。
「ルイ、お前の服はなるべく、ドアの近くに脱いで置いておくようにな、逃げる時に咄嗟に服を持って逃げれる為にも」
「それじゃ、挨拶が済みました、服も脱いで、脱がせました、次はシャワーをお客さんと一緒に浴びるからな、持ち物の中から、歯ブラシ、歯磨き粉、ボディソープ、イソジン、マグカップを持て」
ルイは言われた物をバッグから取り出す。俺はそれを確認してから、浴室へと移動した。
「ほら、ホテルだから、アメニティグッズなんかもあるだろ? ここで歯ブラシ1本と、コップを持って浴室に入るんだ……こらこら、パンツ脱いで入ってこいよ、お前わざとなのか、アホなのかどっちなんだよ?」
『だって……めっちゃ緊張してるから……店長に胸も全部見られちゃったし……』
いや……それ俺もお前に全部見られてるから一緒なんだが……
「シャワーを出して、先ずはお互いの体を流す、ルイがお客さんの体にもお湯を掛けてやるんだからな、やってみろ」
そう言うとシャワーヘッドを持って、最初に自分を次に俺の体にお湯を掛けていく。
「この時に、顔にお湯が、掛からないように注意しろよ」
シャワーを浴びる際の注意点をルイに教えながら、ルイにお湯を掛けて貰う。
「次に、持ってきてるボディソープを使って、体を洗う、最初は自分の体な、この時に、全身くまなく洗う必要は無い、胸と、両腕、手指、後は下半身を、自分の手を使って洗うだけでいいからな、スポンジやら使う必要は無いから」
そう、洗い方を教えると、ルイは、自分の手に持ってきたボディソープを出して、泡立ててから、自分の体を素早く洗っていく。
「お客さんの体もルイが洗った場所と同じ場所を洗うんだが、下半身は少し念入りにしっかりと洗うようにな」
そう言って、体をルイの前に投げ出して洗い易くしてやる。
ルイは少し恥ずかしいそうにしてたが、仕事なんだからと、頑張っている。
「う~ん……もう少し丁寧に隅々まで洗うように……」
気になる点を注意しながら、ルイに洗われていった。
「流す時は、お客さんからな」
「流し終わったら、次は、歯磨き、自分の持ってきた歯ブラシに持ってきた歯磨き粉を付けて、口に咥わえろ」
ルイは言われる事を、必死になるべく素早く実行していく。
この頑張りが、好きなんだよなぁ……俺は。
「ルイは、相変わらず頑張り屋さんだな」
そう声を掛けると、嬉しいそうに笑っていた。
「備え付けのアメニティグッズの歯ブラシに、持ってきた歯磨き粉を付けて、お客さんに渡して、歯磨きをしてもらう、その間に自分の歯磨きも終わらせるんだぞ」
手渡された歯ブラシを使い歯磨きを始めた。
「持ってきたマグカップとアメニティのコップに、シャワーのお湯を入れて、お客さんにコップの方を渡して、口をゆすいで貰う」
そうして2人で歯磨きが終わった時にルイから質問が来た。
『店長、何で持ってきたボディソープ使うの? ここにボディソープ置いてあるよ?』
そう言って備え付けのボトルを指で示してきた。
「これも、もちろんちゃんとした意味がある、この手のホテルって、こう言う感じの大きな容器の物が置いてあるんだ、そして、この容器は、こうすると……簡単にフタが外れる、例えばこの中に何かを入れたりも出来る訳だな、前この部屋を使った奴等がイタズラを仕込んでいたとしたら?」
俺の説明に納得をしていた。
「後な、まぁ後で説明するが、この持ってきたボディソープ、めっちゃお肌に優しいらしいんだ、ユキがいつもこれ使ってるって」
「次行くぞ、歯磨きが終わったら、コップの中に数滴のイソジンを入れ、お湯で薄めたウガイ水を作りお客さんにウガイをして貰う」
「この時に、お客さんがウガイしてる間に、自分のマグカップに、イソジンの容器を、1~2押しした、濃いウガイ水を作っておく」
そう言って俺は、ルイから渡されたコップに入ったウガイ水を使いウガイをした。
『ウガイもするんだね』
「そりゃそうだろ、汚い口を、付けられたくないだろ? 唇やまぁ……色んな場所に」
ルイは、めっちゃ首を縦に振っている、見てて面白い。
『店長、この濃いウガイ水は? どうするの?』
「あ~それな、それ、1口だけ、ルイが口に含んで、含んだままにしておけ」
そう言うと濃いウガイ水を、素直に口に含んだ。
「それじゃ、それ含んだままで、咥わえろ」
何を言われて、何をするのか気付いたルイは、盛大にウガイ水を、口から噴き出し、さらにむせた。
『え? このウガイ水を含んだまま?』
「そう、これとっても重要、これな、相手が病気とか持ってないかの簡単なテストなんだよ、粘膜が荒れてたり痛んでたりすると、イソジンがシミて痛がるから、それで痛がったら、お客さんにちゃんと伝えて、そう言うサービスを無しにして、楽しむか、コンドーム使うかを選んで貰う、絶対に何を言われても、ここは譲るなよ」
ルイは、俺が重要と言ったからか、今まで以上に真面目な顔をして頷く。変な病気なんか移されたりしたら、治るまでの間、仕事出来なくなるんだから、自分を守る為にも徹底して貰わないとな。
「それじゃ、もう1度口に濃いウガイ水を含んで、やってみろ」
当然、ここで痛がる訳も無く、事は終わった。
その後、浴室から出で、お客さんの体を拭いてやるように教えて、自分で自分の体を拭かせて、手に丸めたパンツを持たせて、部屋に戻った。パンツは、素早く、服を脱いで置いてある場所に置かせに行かせる。
「とりあえず少し休憩するか、どうだ? 実際に体験してみて」
『うん……店長のって……』
アホな事を最後まで言い切る前に、頭にチョップを落とす。
『う~ん……ちょっと大変そう、慣れるまでは』
「まっそれはどんな仕事でも同じだな、でも慣れて無いって言うのも悪い事ばっかじゃないぞ、特にこの仕事ならな、慣れてない、初々しいって喜んでくれるお客さんもいるしな」
俺は、テーブルから灰皿を持ってきて、タバコに火を点ける。
ルイは、部屋の説明書を何やら必死に読みながら、映画見れるんだ……ゲームも……カラオケまで! となにやら興奮していた。
「そのままでいいから聞けよ、さっきのボディソープの件な、ルイ達、デリヘル嬢、まぁヘルス嬢もだが、1日に何回もシャワー浴びて、体を洗う訳だ、この後も終わりにシャワー浴びるしな、それで、肌が荒れちゃう子が多いんだよ、そこら辺で売ってるボディソープだとな、うちのは、現役デリヘル嬢3人のお墨付き、肌の荒れないボディソープって訳だ」
この肌荒れ。風俗嬢は本当にみんな悩む。スキンケアに、そこそこのお金を掛ける女の子は多いぐらいに、洗いすぎも良くない。って事だな。
「ルイ、大事な事を今から教えるからな、ちゃんと覚えておけよ」
俺はそう前置きをしてから、ルイに大事な事を伝える。
「もしも、もしもだ、お客さんとトラブルになったら、渡してあるスタンガンを躊躇無く使え、死ぬような事はないが、それ、プロレスラーでも失神するってヤツだから、後、そんなもの使う余裕も無かったら、自分のバッグだけ持って、全裸のままでも構わないから、とにかく部屋から出ろ、そして、フロントに向かい、そこに助けを求めて、俺でも藤田でも店でもいい直ぐに電話してこい、何をしてても、最優先にして、お前の所に駆け付けるから」
真剣な顔でルイに一番大事な事を、伝える。
「そして、ルイ、お前の事を泣かせた奴を、お前の事を怖がらせた奴を、俺は絶対に許さない! 俺が持ってる全ての力を使って、2度と女の子に悪さしようなんて、思う事が出来ないぐらいの、トラウマを相手に刻み付けてやる! 忘れるなよ、お前には、俺や藤田や近藤や本社のありとあらゆるお店で働く何十、何百ってスタッフに守られてるって事を」
そう言うと、ルイは感動したのか、泣き出してしまった。
これ、毎回、女の子に言うんだが、みんな泣くんだよな……
「さて……続きやるぞ、時間ばっか喰って終わらないから」
そう言った後に俺はベッドの上に仰向けで横たわる。
「ほら! 来いよ! ここからがこの仕事の本番なんだから」
『う……うん、よろしくご指導お願いします……』
「えっと、これは講習で、別にルイの体を楽しみに来てる訳じゃ無いから、今から俺は、マグロになるからな、それも【冷凍マグロ】並にカチンコチンのマグロに」
俺の緊張を和らげる為のギャグを聞いて、大いにウケたのか、大笑いしている。緊張してるよりは、良いが、笑いすぎじゃねぇか? そんなに面白いか? ユキもミキもマリナもクスリともしなかったんだが……
「先ずは体を寄せて軽く腕を回し抱き締める、そして、キスをする、冷凍マグロは舌も凍ってるが、お客さんは活きが良いから舌もよく動くからな」
俺の指示に従い、体を寄せ抱き締めながら、俺の唇と自分の唇を重ねる。
「舌で舐めながら、じょじょに体の下の方に、自分の体を下ろして行く、はい、そこ、乳首を優しく舐めながら転がす」
これ、実はやってる方より、冷静に言ってる俺達の方が、遥かに恥ずかしいんだよなぁ……藤田も指示してる時が一番恥ずかしいって言ってたし。
「そのまま、下まで降りたら、後はまぁ任せるから、好きなようにやってみろ、ただし、お客さんを喜ばせるって気持ちは忘れずにな」
「そして、まぁ適当な頃合いを見て、お客さんに訪ねる【舐めあいっこしますか?】って」
『舐めあいっこします?』
おぉ実際に言うとは思ってなかったから、ちょっと驚いた。
「それじゃ、お願いしようかな」
俺の返事を受けて、体勢を変えるルイ。
もちろん冷凍マグロは、そんな事しないがな。
「よし! OK~もういいぞ、やらなくて」
そう言ってルイの体を持ち横にずらすと、体を起こした。
『え? え?』
「いや、別に最後までやる必要は無いから、いつもここで終わり、まぁ一言だけ言うなら【なるべく口で受け止めやるように】だけだな」
ちょっと時間掛かり過ぎてるって事もあって、途中で終了を告げた。理由はそれだけではないが……
「オプションの講習は、また今度な、ちょっと時間が足らないから、ほら、先にシャワー浴びて来ていいぞ、本当は、一緒に浴びるんだが、あっ帰りのシャワーは体洗うだけで、ウガイやらはしなくていいからな」
『うん、それじゃ先にシャワー浴びてくる』
そう言ってルイは、シャワーを浴びに行った、ルイがシャワーを浴びてる間におれは、時計の時間を確認して、財布から2万円を抜き取ると、カバンにいつも入れてある、白い封筒の中に、お金を入れ用意をしておく。
しばらくしてルイがシャワーを浴びて出てきたので、服を着ておくように言ってから、俺もシャワーを浴びに行った。
シャワーを終わらせて服を着た俺は、ルイに向かって。
「どうだ? やれそうな仕事だったか?」
そう最終確認をすると。
『店長、この講習って希望したら何回でも受けれるの?』
「何回でも受けれるかどうかで言えば、受けれる、でも、お金を貰えるのは2回目までな、それ以降は払う必要は無いが貰える事も無い」
『そっかぁ……私の講習って藤田さんもやるの?』
「ルイがどちらか選ぶってやつだな、どちらを選んでもいい、それは女の子に任せてる」
『そっか……うん、まだ覚えきれて無いから、またお願いすると思うけど、やれるよ、頑張る』
そう元気良く答えるルイを見て、心から頑張れよと、エールを贈った。
「それじゃ、はいコレ」
そう言ってルイに先程用意しておいた、白い封筒を渡した。
「150分の講習になったから、ルイの貰えるお金、30,000円の60%、本当は、18,000円だが、千円札無かったから2万円入ってるから、まぁ2,000円はチップって事で」
ルイは封筒を受け取り中をチラリと確認してから、自分のバッグに封筒を入れた。
そして、そのまま2人で部屋を出で、フロントで料金を払い、ホテルを後にした。
行きと同じように、俺の後ろを歩くルイに、振り返ってから、こう告げた。
「そうそう、一番大事な事忘れてた、ルイ、明日からは、ブラとパンツは同じ色の物にしておけよ」
そう言って、俺は大笑いをした。
無駄に詳しく書きすぎたような……orz