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初顔合わせ

 諸々の準備がようやく整った。


 しかし、残念ながら、求人の募集を見て採用に至るまでの女の子は現れなかった。募集が無かった訳では無いが、店側の都合。応募してきた女の子の都合。その兼ね合いが上手く行かずに、断念する事もあれば、向こうから断る事もあった。


 まぁそう言う部分は、普通の仕事よりも多くあるのが、風俗業界だ。いちいち気にしてはいられない。

そして、女の子の集まりが悪いと判断した、本社の働きにより、系列の性風俗の店から、働いてくれる女の子を2人集めてくれた。


 何れの女の子も、デリヘルの事務所として借りているマンションの余っている部屋を寮として、使いたい。そう言う希望の女の子達と聞いている。これは、非常に嬉しい事だ。

何故ならば、女の子が捕まらない時等に、お願いして出勤をしてもらう事が出来る。


 これにより、ほぼ事務所に待機をしていてくれる、デリヘル嬢がユキと合わせて3人となった。これだけの数が居れば、当分の間は凌いで行ける。


 今日は珍しくユキを伴って、本社に来ている。

これから、寮に入り一緒に働く事になる、デリヘル嬢2人と、マネージャーとして働く幹部社員1人との、初顔合わせと、ちょっとした面談を行う予定になっている。

 

 約束の時間まで、まだ少しあった為に、俺とユキは、丁度本社に居た専務と、雑談を交わしていた。


 そして約束の15分前に、1人の男性が本社にやって来た。

その男性は、俺も知っている男性で、俺がキャバクラでマネージャーを勤めて居た時に、一緒に働いていた、店が雇った男性スタッフの1人である【藤田】だった。


 『おはようございます、専務、木村マネージャー……じゃ無かった……木村店長』


 専務が藤田に挨拶を交わした後に、俺も声を掛ける。


 「藤田~久し振り、元気だった?」


 専務が、一緒に店を切り盛りする、もう1人の幹部が藤田である事を俺に告げた。


 「そうなんだ~よろしくな、何時の間に本社勤務の幹部候補生になったんだ?」


 俺が藤田に聞くと、彼は、俺がキャバクラを去ってすぐに、店長の推薦で本社勤務に変わった事、その後、イメクラで研修をしていた事、そして今回の話を聞き、店長が俺だと言う事で、是非にと、本部長に頼み込んだらしい。


 懐かしい奴に会って話をしている時に、俺は藤田にユキの事も紹介する。


 「藤田、こっちの可愛い子が、ユキちゃん、お店で一緒に働いてくれる事になってる、女の子な」


 そうユキの事を、藤田に紹介すると、藤田はユキの前に行き。


 『はじめまして、藤田です、よろしくお願いしますね、木村店長の彼女さん』


 そう挨拶をした。すっかり本部長か専務の手により、ユキが俺の彼女である事は説明済みのようだ。


 その後、藤田も交え歓談していると、約束の時間ギリギリに、女の子が2人本社にやって来た。

もちろん、専務も俺も藤田も何も言わずに、女の子達を迎い入れた。風俗嬢が約束の時間ギリギリとは言え約束の時間に来る事自体が非常に珍しい事だからだ。


 そして、集まった、店長とマネージャー。風俗嬢3人による、簡単な面談がスタートした。


 「えっと……みなさん、はじめまして、今回みなさんが働く事になったデリバリーヘルスの店長をしている木村です、先ずは、簡単なお店のシステムから説明しますね」


 そう言って、俺は事前に用意をしていた、プリント用紙を、それぞれに配った。

その用紙には、お店のシステムと女の子達の給料に関する事が書かれている。


・料金

90分 20,000円

120分 25,000円

150分 30,000円

180分 35,000円

指名料 3,000円

オプション一律 2,000円

交通費(市内)2,000円

(市外)距離により異なる


・オプション詳細

オモチャ(ピンクローター)

コスプレ(セーラー・ブレザー等)

パンスト破り


・給与

寮入居者 寮費無料

キャシュバック率60%

指名バック100%

オプションバック100%

待機時給(事務所待機)時給3,000円(最大8時間まで)


 「どう? 何か質問あるかな?」


 『寮費って無料なんですか?』


 デリヘル嬢として働く事になったミキから質問が出た。


 「基本的には、無料です、これは、みんなのプライベート空間を部屋1つ分しか用意してあげられないからです、因みに、ミキとマリナの部屋は、8畳の広さになります、和室と洋室なので、後でジャンケンでもして決めてね」

 

 俺が、ミキとマリナに向けて冗談を言うと、2人とも笑ってくれた。


 「後、部屋には、小さいけど、テレビと冷蔵庫、洋服タンス、エアコン、ベッドに布団一式が置いてあります、好きなように使ってね、もちろん、事務所部分に当たるリビングから続くキッチンにも、大型の冷蔵庫もあるので、そっち使っても大丈夫です、藤田が食べちゃうかも知れないけどね」


 『ちょ! 店長、今から言ったら警戒されちゃうじゃないですか!』


 藤田も俺の冗談に乗っかってきた。良い関係が築けそうだ。寮で暮らしてギクシャクなんて勘弁願いたい。


 「それと、藤田も寮希望なので、1人男性が住みます、まぁその辺は、みんなも仕事柄、男性には慣れてると思うから大丈夫だと思ってますが、大丈夫ですか?」


 一応、女の子2人に聞いたが、予想通り問題は無いと答えた。

まぁ裸になるのが仕事の風俗嬢が、男性スタッフに裸を見られても恥ずかしくもなんとも無いだろう。むしろ、男性スタッフなんか人間の男性だと認識してるかが、怪しい。

俺もヘルス時代に、嫌と言うほど実感と体験をした。

平気で全裸で、事務所の中をうろつくんだから。


 「藤田の部屋は、申し訳無いが、6畳間になる、後、部屋に冷蔵庫は無いから、まぁ女の子優遇するのは、風俗業界の常識ってやつだから、問題無いよな?」


 藤田も風俗業界で働いて、それなり経つので、女の子優遇なのは、常識になってるらしく、何の問題も無いと言った。


 「リビングとリビングに繋がる6畳間は、お店の為の物になります、リビングにもテレビなんかも置いてあるので、くつろぐのはいいですが、あくまでもお店の為にある、そう認識して下さいね、キッチン・バス・トイレは、みんなとお店の共用部分になりますから、キレイに使って下さい」


 寮の説明を終えてから、少しだけ給料の説明を始める。


 「後、お客さんに着いた時のバック率が、10%低いのは、みんなは、寮に住むから、自動的に事務所に待機状態が毎日付きます、待機時給の分が加算される為に、少し低くなってますが、トータルすると、こっちのが沢山お給料貰えるはずです、後やはりお店としても、すぐにお客さんのところに行ける、事務所待機をしてくれる女の子を優先に、お客さんを回します」


 「お客さんの数次第ですが、前の店と同じ数のお客さんに着いたら、絶対にこっちのが多くなりますからね」


 その後も、色々と話し合いや質問なんかを終わらせたら、面談と言うかミーティングを終了させた。


 「寮は、オープンしてからしか入れませんが、ミキとマリナは、それまで、今使ってる、前のお店が用意した寮に住んでて大丈夫だからね、オープンまでは、って事で許可取ってあるから」


 帰り際、藤田を呼び止めて、マンションのスペアキーを1つ渡した。


 





 

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【風俗嬢と呼ばれて……】堕ちたJDの末路
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