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ヘルス勤務初日。【講習】に驚いた。

令和最初の投稿です。

 あれから、しっかり一週間。俺は会社の経営・運営する、風俗店の色んな店舗に、中村さんと一緒に回り、見学をして過ごした。

同じヘルスにも色んなタイプの物があり、イメージクラブと言う、コスプレした風俗嬢を相手に、プレイ毎に作られた個室で遊ぶ。そんな店もあった。

後は、シャワーの無いキャンパスパブと言う形態の店もあった。


 キャバクラにも、普通のキャバクラと、セクシー系と言われる、キャバクラ嬢とキスが出来たり、胸を触れたりするキャバクラもある。


 そして一通りの種類の見学が終わり、俺は一番始めに見学に行ったファションヘルスでの勤務が決まった。

ここで約3ヶ月から半年ほど勤務して、次はキャバクラに勤務先を変更すると言う事を、事前に、会社から説明された。


 そして迎えた勤務の初日、事前に会社からは、週毎に昼勤と夜勤を交互に業務に就く事を知らされている。細かいシフト等は、店長が決めてくれるそうだ。もちろん、ちゃんと休みも週に2日貰えた。

まぁ、さすがに連休では無かったが。


 教えられた通り、開店時間の1時間前には、店に入りタイムカードを押した。

基本的に、本社の社員は、店長とマネージャーと言う肩書きで、各店舗で働くと言う事らしい。俺も初めての風俗店での仕事だが、肩書きは、マネージャーとなっている。


 そんな俺の仕事内容は、店の雑務などでは無く、基本的に店長の補佐だ。店の雑務等をするのは、店舗毎に雇った社員やアルバイトで行い、幹部や幹部候補生は、店舗の運営を主な仕事として、明確に分かれているみたいだ。


 そんな店長補佐である、マネージャーの俺が最初にした事とは、お店の各コースとコース毎の料金を暗記する事だった。

後で、店長から覚えたのかテストするからと言われたので、真面目に暗記しないと。


 「30分コースが10,000円……60分で15,000円、90分で18,000円……120分で20,000円……30分で……」


 1人、事務室の隅っこに座り、ブツブツと繰り返し声に出して覚えている俺の事を、風俗嬢のお姉さん達が微笑ましく見ていた。


 1時間ぐらい経った時に、店長に呼ばれた。

テストの開始だ。


 『それじゃ確認するね? 先ずは指名料はうちの店はいくら?』


 「2,000円です」


 ちゃんとコースの料金だけじゃなく、指名料の金額も覚えていた、聞かれそうな気がしたから、ヤマが当たって内心で、ほっとする。


 『オプションの料金は?』


 「オプションの料金は……料金は……えっと……確か」


 『はい! 時間切れ~オプションの料金は一律1,000円ね、それじゃ後はコース料金を言ってみようか』


 コース料金は、ブツブツと繰り返し声に出して覚えただけに、ちゃんと暗記して店長に正解を言えた。


 『ちゃんと、毎日1度は、メニューに目を通して、何があってもすぐに言えるようにしておいてね、お客さんに聞かれて、すぐに言えないとダメだから』


 俺は、小さな声でハッキリと返事をした。


 その後は、店長に従い、お金の管理。シフトの作成方法。伝票の整理の仕方。風俗嬢のお姉さん達へのキャッシュバックの計算とお給料の支払い。お客さんの相手と言う表からは見えない、裏の仕事と言う物を、店長に都度教わりながら、何とかこなしていった。


 『どう? やれそう?』


 そう店長に聞かれた、俺は案外こう言う仕事の方が自分に向いてるのかも知れないと、今日働きながら感じていたので。


 「はい、まだまだ覚える事が沢山ですが、楽しいです、続けられそうです」


 そう答えた。


 『それじゃ、お店の運営も大事だけど、もう1つ大事な事があるんだよ、それが何か考えてみて、何か思い付いたら教えてよ』


 大事な事か……何だろう?


 お店がある意義は、もちろんお金を稼ぐ為だよな……

お金を沢山稼ぐには、お客さんが沢山来ないといけない……

お客さんに沢山来て貰うには、何が必要だ?

……楽しく遊べる店と思って貰う事かな?

それじゃ、お客さんが楽しいと思うのは……

キレイな可愛い女の子と遊べた時だな……

そっか! そう言う事か!


 「店長、分かりました、大事な事とは、いかに女の子が働きやすい店にするかって事じゃないですか?」


 『おお~すごいね正解、本当にこの業界、未経験なの?』


 よし! 今度は100点を貰えたようだ。


 『あっユキ、空いた?』


 店長が、接客を終えたばかりの風俗嬢のお姉さんに声を掛ける。


 『それじゃ、ちょっとマネージャーをよろしく頼める?』


 そう言うと、レジの中から、7,000円を取り出すと、ユキという源氏名の風俗嬢のお姉さんに手渡した。俺はそれを見ていたが、何の事かサッパリで、動かずにいると、風俗嬢のユキちゃんが、突然、俺の手を取り、どこかに連れて行こうとする。


 『ユキに付いて行って、仕事だから』


 店長にそう言われた。仕事ならば従うのは、当たり前と、何をするのかも分からないまま、手を引かれながら付いていった。


 付いていった先は、実際にお客さんと風俗嬢のお姉さんが遊ぶ為の個室。何? 何? と軽いパニック状態になっていると。


 『あっ店長から聞いてないの? 今から実際に、どんな流れでお客さんが遊ぶのかを体験するんだよ』


 え~~!! 今から? ここで? これから? 何で?


 更にパニックになった。意味が分からない。


 『お店って、そのお店によってサービスが違うのは分かるよね? それじゃ、新しくお店で働く事になった、女の子に、このお店はこんな感じで、お客さんにサービスしてますよって、誰が教えるの?』


 「店長?」


 『そう、店長とマネージャーね、つまり木村さんも、教える立場なの、それじゃ知らなきゃ教えられないよね? そう言う事』


 納得はまぁ出来たが、これから実際に裸になって? プレイするの? 戸惑いしか無いよ……


 『あっもちろん、女の子の中には、初めて風俗で働く女の子だっているから、お客さんの喜ばせ方や楽しませ方も、店長やマネージャーが直接教えるんだよ、こうしたらいいとか、こうしたら喜ぶとかね』


 そう言って、風俗嬢のユキちゃんは、何も知らない新しく来たマネージャーをからかうように笑ってきた。


 『これは【講習】って言う大事な仕事の1つなんだから、楽しんでばかりじゃなくちゃんと覚えようね』


 そう言われて、黙って頷く事しか出来なかった。


 衝撃的な出来事もあったが、何とかファションヘルスでの初勤務を終わらせられた。

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【風俗嬢と呼ばれて……】堕ちたJDの末路
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