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天才魔法使いは自由気ままに旅をする  作者: 背伸びした猫
~5章~ メノード島
72/120

天才魔法使い、魔王との橋渡しをする

※お知らせ(謝罪)

 この間投稿した「天才魔法使い、メノード島を知る」という話なのですが、話の内容が数話先の内容でした(5章の最初の話として投稿していたものです)。最新話を見るためにこのページを開いてくださった方には申し訳ないのですが、5章の初めからの内容が変更されていると思いますので、そちらからご覧ください。これからはこのようなことが無いようにしますので、これからもよろしくお願いいたします。m(__)m

 翌日、朝起きた僕の元にある連絡が届いた。

 結果的にデルガンダ王国とストビー王国の長は魔王様と会うことにした。ただし、会う場所は自分達の領域でという条件付きだが。



「わざわざありがとうございます、リエル様。ところで目の下に隈が出来てますけど大丈夫ですか?」


「大丈夫です! 決して隣の部屋でマルクス王子が寝ていたからとかでは――」



 それはラエル王女が仕向けたのだろうか。でもマルクス王子がその部屋で寝ることを許したということは陛下の方は満更でもないのか? そんな詮索をしていたが、王家同士の事と考えると僕が顔を突っ込んでいいことではない気がしたのでやめた。

 リエル様の小一時間のトークを聞き終えた僕は朝食へと向かう。



「リク、お疲れさまでした」



 僕がリエル様とお話をしている間、ずっと静かにしていたエリンがポケットから出てきて肩にポンッと座る。

 言葉から察するにやり取りを聞いていたのだろう。



「出てきてくれても良かったんだよ?」


「出ていきたかったのですが、色々と準備が……」



 本当に準備があったとしても、出てこれたのはその目の動きを見ていれば分かる。泳ぎすぎだ。



「お兄ちゃんどうしたの?」


「何か疲れてる」


「それより早く来るのじゃ! 主様が来るまで食べ始めてはいかんとアイラが――」


「従魔なんだからこれぐらいはするべき」



 そう言えばシエラって僕の従魔だったっけ。なんかそんな感じ全く無いからその事実が頭から抜けていた。それはともかく。



「別にご飯ぐらい僕無しで始めてもいいよ?」


「そこの食いしん坊は耐えられそうにありませんしね」


「そんなことは…………無いのじゃ(ボソッ)」



 後半声が小さくて聞こえなかったんだが?

 そんなこんなで朝食を頂きながらこれからの予定を話し合う。



「取り敢えずメノード島に行くのは、ここに来てる陛下達をデルガンダ王国に送ってからにしようと思う」


「お兄ちゃんに反論する人なんていないからそんなに私達のこと気にしなくても大丈夫だよ?」



 そう言われると独裁政権みたいでなんか嫌だな。



「私はメノード島の食材とか見てみたい」


「妾はメノード島の食材を食べてみたいのじゃ」


「私は魔族相手でも見つからない魔法を考えたので試してみたいです」



 思ったよりも皆それなりに目的を持ってた。まぁ、満場一致ということで――。



「え、えっと、私は……」



 満場一致ではなかった。約一名、特に目的がない人が。正確には二人なんだけど。



「僕も何かをしたくて行くわけじゃないから気にしなくていいよ。行ってみたいってだけだし」


「そ、そうだよね。楽しければいいよね」



 ルカの言う通りだ。旅なんて自分が満足できればいいのだ。例え他人に、お前の旅は旅とは言わないと言われようがだ。

 その後、近くの使用人に話を聞くと、日が上る直前まで陛下達は話し合いをしていたらしく、それが終わった後に寝室に向かったとのこと。恐らく、起きてくるのは昼過ぎだろう。リエル様はまだ眠りについていない気がするが、寝ろと言ってもあの人は眠れない気がする。

 特にやることが無くなった僕らは、アル達の様子を見に訓練所へと向かった。





「何してんの?」



 僕が訓練場へと行くと、そこには難しい顔をしているアルとフェリアがいた。



「あっ、兄ちゃん!」


「確かリントブル聖王国に行ったんじゃ……」


「いやそれがちょっと色々あって――」



 リントブル聖王国とドンパチして魔族の住むメノード島に行くことになった、とか言って大丈夫だろうか。そもそもこの話この子達にしていいのだろうか。僕じゃ判断できないので丸投げすることにする。



「うん、色々あったんだよね。本当に。気になるなら後でラエル王女辺りに聞いたら教えてくれると思う」



 僕の言葉に首を傾げるアルとフェリアにルカが声を掛ける。



「ほら、お兄ちゃんが城に来る時って大体国が動くから簡単には話せないと言うか……」


「リク様だから仕方ない」


「いや、そんなことは…………多分ない」



 そう言えばお城に向かう用って国が動くレベルの問題が多いような……黒い霧纏った生き物のこととか、魔王様とのこととか。



「それより二人は何してたの? 難しい顔して」


「この間の兄ちゃんが追い払った魔物のことでさ」



 あぁ、あのヒュドラの群れの事か。思い出すだけで鳥肌が立つぐらいには気持ち悪い景色だった。



「あの時魔法を使えなかったらしいので、そういう時にどう戦う方法を考えていまして……。アルはともかく、私は魔法でしか戦えないので」


「ひ弱な人間じゃ妾のようにはいかんからなぁ。主様を除いて」



 最後の一言はともかく確かにシエラのような方法は無理だろう。ドラゴンにしか使えないのだから僕らには無理である。あと魔法と言えば……。



「魔力量に自信があるなら精霊魔法なら戦えるんじゃないですか? リクと同レベルとまでは行かなくとも戦えないよりはましだと思いますけど」


「でも、精霊は滅多に姿を現さないって聞きますし……」



 その話、僕の経験を踏まえれば都市伝説にしか聞こえない。



「ここに呼び出しましょうか? 私の力とリクの魔力があれば出来ますよ」


「本当ですか!?」



 フェリアがこちらを期待の眼差しで見つめてくる。



「僕は別にいいよ」


「では呼び出しますね」



 エリンが両手を前に出し、何かを唱えると魔方陣が現れ、そこに精霊が現れる。



「あなたに合う子を選んだので相性は良いはずです。手の甲を出してみてください」


「こ、こうですか?」



 フェリアの右手の甲に精霊が手でチョンと触れると、僕の時と同じように魔方陣が現れてすぐに消える。

 契約を終えた精霊はにこりとフェリアに微笑んでから姿を消す。苦労して精霊と契約したラエル王女が、もしこの話を知ったら暴れそうな気がするのは僕だけだろうか。



「では呼び出してみてください。やり方は――」


「や、やってみます!」



 比べる対象が無いのでそれが凄いかどうかは分からなかったが、フェリアはすぐに精霊を呼び出すことに成功した。というか。



「僕その呼び出しかた初めて知ったんだけど」


「リクには必要ないかと思いまして」ニコッ



 いや確かに今まで必要になる機会は無かったけども。



「兄ちゃんは精霊と契約してる訳じゃないのか?」


「してる。私達はリク様が契約するところを見てるし」


「お兄ちゃんの場合召喚するもなにもずっと出てきてるもんね、エリンさん」


「図々しい羽虫じゃ」


「リクの場合それでも魔力切れになるような事は無さそうだったので」



 そんな話に驚きの表情を浮かべつつも、フェリアの表情は少し苦しそうだ。



「これ……かなり……疲れ……ますね……」


「慣れれば魔力の消費を抑えられるようになると思います。流石にリクのようにはいかないでしょうが……」



 僕の時には一切なかった丁寧な説明である。表情に出ていたのか、それを察したエリンが弁明する。



「リクには必要ないと思ったので。召喚なんてする必要ありませんし、私の使う魔法で疲れるほど魔力量も少なくないですし」



 いや確かにそうだけど説明ぐらいあっても良いのではなかろうか。そう口に出そうとしたが、今更そんなこと言っても意味ない気がしたので止めた。



「リク様、そろそろ時間」


「もうお昼か。二人も一緒に食べる?」



 僕の誘いに二人は全力で首を横に振った。



「兄ちゃん王族と一緒にご飯食べてんだろ?」


「そんなの私耐えられません!」



 王族って一緒にいてそんなに緊張するものなのだろうか。そう思いながら視線をずらす。



「ねぇ、お兄ちゃん。何で今こっち見たの?」


「何となく。特に意味はない」



 二人に別れの挨拶をして、ルカのジト目を受けながら僕らは昼食をとりに向かった。

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