なろうの底辺から、これから「小説家になろう」に投稿するあなたへ
「なろう」はテンプレに満ちている。
その責任が読者か作者のいずれか、それとも両者にあるのか。
とある読者は言う。「そんな話はどうでもいい。それよりも面白い話をはよ」と。
こんな考え、全てを満たす意見はこれに尽きると思います。
「作者が増えればいいんだ」
作者の数という最大値が増えれば、分布が「テンプレ≫非テンプレ」のままであっても「非テンプレ」の絶対値は増えるわけです。絶対数が増えれば、その中に良作が混じる可能性も高まるわけで、非テンプレ層が活気づく可能性が高まるわけです。
あくまで可能性。
ただ、賭けてもいい可能性と思う次第です。
そんなわけで、初心者作家がデビューする前に、「小説家になろう」の基礎知識&攻略手順を説明したいと思います。
……面白い話の書き方?
それはむしろ私に教えてください(懇願)。
さて、まず最初に
「エタるな(※)」
よくある話ですが、作品を投稿しても「全く読んでもらえない」「評価されない」「感想が書かれない」という事態が生じる可能性は、わりと高いです。
原因はいくつも考えられますが、「マイナージャンルである」「文字数が少ない」、この二つが初心者作家の壁になると思われます。
マイナージャンルで投稿を始めたばかりだと、1週間に100PVいけばマシな方です。メジャー系、つまりテンプレをメインにしたところで消えていく方も多くいます。テンプレを書けば何とかなるという甘い話は無いのです。
対策として、「毎日(出来れば同じ時間に)投稿する」「3万字以上を目指す」「完結まで書く」「短編を書く」というのがあります。
「安定した投稿速度」は武器になります。それを評価する人も多くいます。
そして「完結してから読む」スタイルの読者も結構います。私自身、今まで何度か連載を完結させたことがありますが、そのたびにPVは一気に増えました。
短編に付いては、完結作品同様の安心感を読者に与えます。ハズレの少ない安牌ですね。こちらも専門にしている読者が大勢います。
総じて言える事は、「簡単に諦めるな」ですか。
今はまだ、だけどいつかは。
継続は力です。明日を信じる気持ちを持ち続けましょう。
連載したら終わらせる。これ、とても大事。
これはエタらない為の話
なんでエタるのか?
理由は様々です。
が、実力不足で筆を折る方の何割かは、これが理由だと思います。
「どうやって終わらせればいいか分からない」
見切り発進大いに結構。
ですが、どこに行くのかぐらいは考えておきましょう。
異世界トリップ物であれば魔王を倒したりするなどの戦争終結エンドが多いです。異世界転生も以下同文。
VRMMOのデスゲームならゲームのクリアですね。これがVRMMOのマッタリ日常系だと難易度が上がりまして、別枠の大イベントを並行して進め、ゲームとは別の所で終わらせるのが無難かと思います。
恋愛メインなら「付き合う」「結婚する」がゴールでしょうか?
最悪、打ち切りエンドでもいいんですけどね。
そのあたりは打ち切りエンドの多い、「週刊少年(自主規制)」の、3巻までに終わった奴で学べばいいんじゃないかな?
よくあるパターンが「俺達の旅はまだこれからだ!」エンドとだけ言っておきます。
誤字脱字の話
「なろう」の誤字脱字の突っ込み、よく書いています。
特に多い誤字がこちら。
「召喚」と「召還」
呼ぶ方は「召喚」です。一般的にはこちらを使うべきでしょう。「召還」は送り帰す方ですからね。
「召還勇者」などと言ったら、「どこか異世界に行ってしまったのを連れ戻した勇者」という意味になりますがな。
「話し」と「話」、「組み」と「組」、「群れ」と「群」、「係り」と「係」
前者は行動、後者は名称。「3年B組み」とは言いません。「3年B組」が正しい言い方です。同様に、「俺はAさんと組ます」とは言いません。「俺はAさんと組みます」と言います。
あらすじで見かけるネタとして「これは~~というお話し」とありますが、「これは~~というお話」が正解。
よく見かけた誤字というなら他にもたくさんありますが、突っ込むのに疲れて放置しがちな誤字はこの辺りですね。ランキング上位の方にもチラホラいるわけです。
なろう式・書式の問題
・改行
一般的には「改行後、最初の一文字は開けます」。
これだとNGですよ。
・……
三点リーダーは2個連続で使いましょう。…は突っ込まれます。
・行間
適度に開けましょう。
詰め込みすぎは読み難さにつながり、嫌われます。
・「!」や「?」のあとに文章が続くなら空白を入れる。
「馬鹿な! あいつは死んだはずじゃあ!?」
空白を入れるのは文章の時だけです。」などの間に入れる必要はありません。
最初の改行以外は、「なろう」のローカルルールです。
間違っても、一般的な小説大賞に投稿するなら守ってはいけません。
私見ですが、ご自身でルールを決めて、それを順守するだけでもいいと思いますがね。
人気作の中にはこれらを守っていない方も多数みえます。
なので、読者を混乱させないように「決めたルールは作品内で順守する、統一されたルールの中で書く」だけで良いでしょう。
鬱展開後は回収を速やかに
鬱展開は嫌われます。累計最上位作品であろうと、鬱展開で滅茶苦茶に叩かれます。「なろう」の読者で感想を書く人の約半数は「鬱展開を読むと作者を叩きます」。
なので、鬱展開を書いたら、その後の「ざまぁ」などの展開で「スカッと爽快」に持っていかないと、感想欄が酷いことになります。即時回収ができない作者様は、いざという時は感想欄を閉じて逃げましょう。荒れるよりはマシです。
似たような話ですが、主人公側におバカな行動があっても叩かれます。例え主人公の頭が良くなくても。
本人にしてみればしょうがない選択肢を選んだ時も、外から見れば馬鹿な行動、という事がままあります。素直に諦めましょう。
感想欄を荒らさせない対策としては「まえがきで事前告知」「あとがきで次回更新日の告知」「感想欄閉鎖」「連続更新」といった所でしょうか?
もしくは、もう感想欄が炎上しようが耐えてみせるか、ですね。
……心を強く持ってください。
PVを増やすには
タグをたくさんつける、タイトルやあらすじに力を入れる、量をたくさん書く、色々な話を書く、悪役令嬢婚約破棄短編を書く、1時間ごとに投稿する、他のサイトで宣伝する、ツイッターで呟く、などなど。
正攻法から邪道まで。
すべては読んでもらえたら、の話です。
読まれなかったら評価も感想も何もありませんので。
最後に
小説を書くことを楽しんでください。
読んでもらえたことに喜び、読んでもらえない事に落ち込んでください。
小説を書いてみたいという気持ちを、大切にしてください。
書くことが楽しいうちは、書こうという気持ちがあるうちは、小説家としての貴方が先に進みます。
以上!
底辺から初心者に向けてお届けしました!!
※エタる 完結せずに連載が止まる事