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9話


「すまぬでおじゃ…」



「ぷくく、いいっていいって。面白かったし。くくく」




「ぬー、酷いでおじゃ。そんなに笑うことないでおじゃ」





少女は何とか落ち着いたようだが、今度はあまりの超展開にルイスの笑いが止まらない。


それが少女は気に入らないのか不機嫌である。



しかし、このままでは埒が明かない。

ルイスはお互いに名乗っていないことに気付き、自己紹介をした。





「ところで、君は誰?あ、俺はルイス。ルイス・ザイン。一応精霊師なんだ」




「まろは精霊神でおじゃ。ほれ、ルイスとやら、崇め奉らんかい」




「へ~、精霊神なんだぁ。すごいねー…………………え!?精霊神!?幼女なのに!?」





少女は、待ってましたとばかりに立ち上がると、ない胸を張ってドヤ顔で言いはなった。

脳が自己防衛の為か一瞬スルーしかけたが、スルーしきれなかった。




神殿にあった精霊神の像とは似ても似つかない。





「精霊神が…幼女…」



「む、何か文句あるのかえ?」



「精霊神が…幼女…」



「なんでおじゃ…此奴(こやつ)壊れてしもうたのでおj((



「ぷくく、くははははははははは、せ、精霊神なのに、よ、幼女あははははは幼女でくくく、おじゃってくく、あははははははははははははは一人称、ま、まろとか、あははははははははははははは」



「ほ、本当に壊れてしもうたでおじゃ」




何故か笑いのツボに嵌まってしまったルイスは、先程の笑いも尾を引き、一向に笑い止まない。



ルイスが壊れてしまったとおろおろしていた精霊神もだんだん腹が立ってきた。





「むぅううう!お主さっきから何なんでおじゃ!幼女で悪かったな!幼女で!一人称が変?語尾が変?上等だごらぁああああ!!」




気持ちよく眠っていたところを頬を(つね)られて起こされたと思ったら幼女幼女と言われ爆笑されたのだ。

精霊神がぷっつんキレてもおかしくはない。




しかし、手当たり次第その場にある物を投げてくるどうだろうか。

苔の塊が土付きで飛んできた。

ルイスは、笑いながらも難なく避ける。


何処にそんなものがあったのか、クマのぬいぐるみからウサギの耳付きのニット帽、ブタの貯金箱まで飛んでくる。

とうとう自分が入っていた白い箱を持ち上げ、投げて寄越してきた。



それには、流石のルイスも慌てて逃げた。



何とか避けることができたルイスだが、先程まで自分がいた場所に「どずーん」と音をたてて落ちた白い箱に

苦笑いするしかない。

「どすーん」ではなく、「どずーん」だ。

箱がどれだけの重さか押して知るべしである。




「どんだけ馬鹿力なんだよっ」




「美少年だからって何でも許されると思うなぁああああああああああ!!!!」




「別に思ってないしぃいいいいいいい!!!!」





精霊神は叫びながら真っ白な光を放ってきた。

恐らく魔法であろう。



ルイスも叫び返しながらその魔法も避けようとするが、魔法の方が速かった。



一瞬にしてルイスは真っ白な光に包まれる。

あまりの眩しさに目を閉じて手で顔を覆ったがそんなもので防げるものでもない。



光を受けた瞬間、身体中の血が沸騰したように熱くなり、続いて激痛が走った。



全身を駆け巡る激痛に、声も出ない。

叫び出したいのにそれすら出来ないことに未だ嘗てないほどの恐怖を覚えた。






「あ、やばっ!やってしまったでおじゃ!」





その原因である魔法を放った本人と言えば、直ぐに我に帰ったようだがことの重大さに反して軽い。一応焦っているようだが…




そんな精霊神の声が遠退いていく。



ルイスの意識は暗闇に閉ざされた。





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