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序章


 毎日、毎日、同じことの繰り返し。

 食べて、寝て、お風呂に入って、仕事して、家へと帰ってくる。


 そんな変わり映えのない平穏な日々が時折、とてもつまらない物に思えてくるのは、きっと私自身が趣味もなければ、これといってなりたい夢もないつまらない人間だからなのだろう。


「はぁ……」


 駅のホームに立って電車がやって来るのを待ちながら、私は深いため息を吐いた。

 手に持っているスマホのロック画面には18:00と表示されている。


 心理カウンセラーの仕事をしている私は1日に色々な人の話しを聞く。私は企業勤めの心理カウンセラーであるから必要に応じて事務作業も行う。

 

(帰ったらすぐお風呂に入って寝よう)


スマホのロック画面をぼんやりと見つめながら心の中でそう呟いたのと同時に、電車がやってくるアナウンスが駅のホームに流れ始めた。


 徐々に近付いてくる電車を見つめていたその時、誰かにドンっと背中を押されて私の身体は電車が近付いてくる線路に投げ出された。


「え……?」


 一瞬のことで理解が追いつかなかった。

 だけど瞬時に思った、死ぬと。

 嫌だ、死にたくない。そんな思いも虚しく私の身体は電車によって轢かれた。


 全身が焼けるように痛く息が出来ない。轢かれた私の身体は見るに耐えないくらいぐちゃぐちゃだろう。

 私は遠去かる意識の中、今日は自分の誕生日であったことを思い出した。

 

         ***


 心地良い風の音と鳥のさえずり。

 時折、ひらひらと何かが揺れる音が少女の耳に届く。


「んん…… 眠いわ……」


 白いベットの上で眠たそうにそう呟く少女の意識はまだはっきりとしてはいなかった。

 そんな少女の部屋にコンコンっと2回ほどのノックをして、侍女らしき女性が部屋へと入ってくる。


「サリーナ様、まだ寝ているのですか? もう、お昼ですよ」


 青髪のストレートヘアを後ろで一つにまとめて束ねているメイド服のような服装を身に纏った侍女であろう女性は部屋に入るなり、ベットに横になるサリーナに声を掛ける。


「お昼……? でもまだ寝ていたいわ……」


 ベットの上から身体を起こさないとと思えば思う程、力が入らなくなり起きる気力がなくなってくる。


「もう、サリーナ様ったら」


 侍女はそんな私を見てため息をついてから部屋の掃除をし始めた。

 

 一方サリーナはベットの上に寝転がり、まだはっきりとしない意識の中、自分を呼んだ名前が自分の名前ではなかったことに気付く。


「サリーナって誰よ……? 私の名前はサリーナじゃないわよ」


 私は自分にしか聞こえない声で呟いてから、重い身体をベットから起こして部屋にある鏡の前へと足を運ぶ。


 そして鏡の前に来た私は思わず叫びそうになった。だって、鏡に映る自分は私の顔ではなかったのだから。


 金髪のストレートヘアに、アメジスト色の紫色の瞳。女性向け漫画の主人公に出てくるような整った顔立ち。


 可愛いというより美人寄りな明らかに本来の自分とはかけ離れた容姿を見て私の頭の中に走馬灯のような映像が流れる。


「私、死んだんだ……」


 川瀬明奈としての人生は電車に轢かれたこたにより終わった。そして、私はサリーナという人物に転生したのだ。


 これからサリーナとしての人生をしっかりと生きていこう。私はそう強く心に誓ったのであった。

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