第9話迷ったときは初心にカエル
昨夜は大変だった。火薬庫を爆発したらその中にやたら強い警備の男がいた
そもそも兵士なのか?スーツに手斧って他の兵士の装備と違いすぎるけれどクロウの友達からもらった警備配置の情報は彼を警備の一人としている
それにあの能力は何なんだ?考えれば考えるほど分からない
特殊能力?の糸、スーツ、手斧………ん~~~
(ああ、なんかいろいろあって疲れたな)
「ようマリヤ!」アワフキは嬉しそうな顔をして近付いてきた
こういうときのアワフキは大抵何かを自慢しに来たときだ
「んで、今回は何を自慢しにきたの?」
「そんな冷たくするなよ。今回はガチですごいんだ」
「どうせチンピラを倒したとかでしょ"リラ"と」
「それは最後に言おうとしてたんだけどナ………なんとだこの俺が水兵科を飛び級卒業したんだ。しかもフリーランス活動可だってよ!」
マリア達が通う傭兵学校は高校基礎を中心に水兵科、陸上科、航空科に分かれそれぞれ水場、陸上、高所の救命救助、戦闘、捜索のスペシャリストになるべく勉強する
本来なら5年で卒業するところを2年卒業させてもらえるというのは異例中の異例である
「ガチで!!?ホントにすごいじゃん!?!」
「だから言ったろガチですごいんだって」
ピコンッ!
「あっ!早速依頼がきた!」
「もう開業してたんだ」
「推定最大水深60m、想定潜水時間:1時間、現気温2°、メディカルケア対応、酸素ボンベ代支給、内容:海中調査、周辺写真だけでも15万~だってよ!」
「いいじゃん!ちゃんと周辺調査もしてくれてるし新人とはいえ酸素ボンベ代貰えて15万は美味しいよ!」
「なんか俺の人生設計見えてきたー!」
「おやおや何やら楽しそうですね」
その上品な言葉と共に現れたのはカネアシだった
「アワフキが水兵としての初仕事ダイバーなんだって!」
「それは素晴らしいですね。しかし浮かれてはいけませんよ」
「浮かれるってダイバーだけにか?」
三人の中に心地のいい笑いが巻き起こった